日本語の「似非」系統論を得々と主張した「言語学者」(2)
- 2022/02/21
- 18:05
【日本語の「似非」系統論を得々と主張した「言語学者」】シリーズの第二篇です。前篇の冒頭に書いたことを繰り返します。当ブログの2014年3月14日付けの記事〈「同系の言語」って何?〉の冒頭にこう書きました。自己引用します。#####「日本語は、D語族(*)の一員だ」「日本語は、A語(族)(**)の一員だ」などの説は、さる元G大学教授O氏(***)の唱えたものや元K大学教授S氏(****)の著作にあるものをも含めて、全て「未証明の作業仮説...
日本語の「似非」系統論を得々と主張した「言語学者」(1)
- 2022/02/14
- 20:36
今日の二本目の記事です。2014年の記事の自己引用当ブログの2014年3月14日付けの記事〈「同系の言語」って何?〉の冒頭にこう書きました。自己引用します。 ##### 「日本語は、D語族(*)の一員だ」「日本語は、A語(族)(**)の一員だ」などの説は、さる元G大学 教授O氏(***)の唱えたものや元K大学教授S氏(****)の著作にあるものをも含めて、全て 「未証明の作業仮説」または「単なる思い付き」「無責任な受け売り...
『萬葉集の謎』
- 2014/04/10
- 04:40
数年前、F爺が秋田市の某所で高校時代の級友数人と四十数年ぶりに再会する機会がありました。12人ほどが一堂に会して20分目ぐらいに出て来た話題は・・・「F君は、T先生を職員室まで追いかけて行って泣かせたんだよね。あの事件の発端は、何だったの ? 同じ教室にいたんだけど、何が問題だったのか、さっぱり分からなかった」 xxxxxxxxその事件の発端は、『萬葉集の謎』(安田徳太郎、光文社、1955)と...
語族神話と母音調和
- 2014/03/24
- 01:33
「母音調和」というのは、特定の言語で一つ一つの語の語幹や接辞の中に共存する母音の種類に制約がある現象のことです。制約の様相は言語ごとに違い、「同一言語の方言」だと見做されているもの同士でも異なることがあります。 フィンランド語フィンランド語では、母音音素が「前母音 ä、ö、y」「後母音 a、o、u」「中立(*)母音 e、i」の三つのグループに分かれていて、前母音と後母音が同一の語幹や接辞の中に共存することは、近...
語族神話(後)
- 2014/03/23
- 01:37
インターネットの匿名情報が「玉石砂泥塵芥糞尿黴毒蛇蝎・・・混淆」であることは、皆様ご存じですよね。言語の系統に関する記述に関して困るのは、有名な○○大学の実在する□□教授の書いた本にも、権威ある△△書店の出版している本や辞典にも、時代遅れの作業仮説だったり類型分類でさえもない夢想系統論だったりするものをまるで証明済みのことであるかのように得々と述べているものが多数あることです。そのまた孫引きなど、枚挙に...
語族神話(中)
- 2014/03/22
- 00:48
前篇でも書いたように、テュルク語族、モンゴル語族、ツングース語族の間に「類型分類をした場合の共通点」と「相互の借用によって生じた共通語彙と見做し得るもの」はありますが、同系関係は、「未証明」どころではなく、証明の糸口さえ見つかっていないのが実情です。2014年3月14日付けの記事「『同系の言語』って何 ?」でも書いたことですが、任意の二言語が同系であることを証明するには、言語構造の根幹部分が共通であること...
語族神話(前)
- 2014/03/21
- 00:58
トルコ共和国では、F爺が足繁く通っていた頃(= 2003年7月初めまで)、国策として小学校から大学まで、「*ウラル・アルタイ語族というものが存在し、トルコ語はその主要な一員だ」と嘘を教えていました。「*フィンランド人もトルコ人である」「*ハンガリー人もトルコ人である」と教えていたのです。「*朝鮮語と日本語もウラル・アルタイ語族と近縁である」従って「*日本人もトルコ人の親戚だ」と、少なくとも末端の教師は、教えてい...