望月吉彦先生の「泥棒に説教された」稀有なご体験
- 2020/09/09
- 19:23
(記事の末尾に追記があります)「ドクターズコラム」というサイトに二週間に一本ぐらいの割合で記事を掲載していらっしゃる望月吉彦先生には、なんと【泥棒に説教された】ご経験があるのだそうです。昔から「盗人にも三分の理」(*)と言いますが、大きな顔をして「100%以上の理」を主張した傲岸不遜な泥棒がいたというのです。(*) 日本語習得途上の読者のための注。読み方は、「ぬすびとにもさんぶのり」です。「三分の理」は、泥棒...
浮き名を流す
- 2020/02/21
- 20:34
謹厳実直という評判の(←手前味噌)F爺も、一再ならず、浮き名を流したことがあります。どの場合も(←信じたくない人は信じなくても結構です・・・)本人の与(あずか)り知らぬことでした。そのうちの一つだけ、紹介します。「尋ね人欄」1969年頃のことです。日本の某大新聞の「尋ね人欄」(*)に、こんな投稿があったそうです。(*)「尋ね人欄」というものがいつ頃まで存続していたのか、F爺は存じません。昔は、行方不明の家族を探すなど...
「外国」ってどこのこと ?
- 2014/02/10
- 01:20
1960年代には、長期海外生活経験のある若い日本人はごく少数でした。その頃の日本には「外国では、ああだ、こうだ」と知ったかぶりをする人がたくさんいました。やれ「外国では、みんな約束の時間をきっちり守る」やれ「外国では、行列を乱す人はいない」「外国では・・・」「外国では・・・」根も葉も無いことだったのですが、それを真に受けて「外国のいいところを見習おう」と殊勝に努力した結果、日本人は、世界で一番、約束の...
事実か偏見か ロム人の場合
- 2014/01/15
- 00:35
「ロム人」というのは、謂わゆる「ジプシー」の一部で、母言語としてロム語を話す人のことです。日本語では「ロマ人」という表記をよく見ますが、F爺は「ロム人」と表記します。「ロム」は単数形、「ロマ」は複数形です。外来語は、元の言語での単数形を採用するのが日本語の原則です。この呼称に関して例外を設ける理由は、F爺には見つかりません。それに、「ロマ」をローマ字書きにすると「Roma」ですから、イタリアの首都の「Ro...
ラテン系諸族とゲルマン系諸族
- 2014/01/14
- 00:15
前篇では「ラテン系とゲルマン系の二大文明圏は、細かく見るとどの地域にも浮き沈みがあるが、長い目で見ると勢力が拮抗していて、いずれも侮ることは出来ない」と述べましたが、侮ると言えば・・・ゲルマン諸族には、ラテン諸族を「午睡(ひるね)好き」「怠け者」「不真面目」「遊び好き」「贅沢好き」などとして見下す顕著な傾向があります。どんな事実があって、それがどんな偏見に結びつくのか、検討してみましょう。スペインで...
ゲルマン民族「大侵略」
- 2014/01/13
- 01:35
二千年ほど前の地中海世界を支配していたローマ帝国の版図にゲルマン諸族などの祖先が移住して来てついには帝国を滅ぼすに至った歴史的な大事件をゲルマン系諸国では「民族移動」(ドイツ語ではVölkerwanderung)と呼んでいますが、これをラテン系の国々では「野蛮人による侵略」または「大侵略」(フランス語ではInvasions barbares, Grandes invasions)と呼んでいます。史観が違うのです。ところで、「ラテン系民族」とか「ラテン・...
お国自慢
- 2014/01/10
- 00:20
フランス北西海岸部のノルマンディ地方の民謡に「我がノルマンディ」という歌があります。大意は「自分が生まれ育ったノルマンディほど美しい所は無い」です。他の地方の人がこれを聞いて「いや、俺の生まれ育った○○地方の方が美しい」と異を唱えることはありません。それどころか、知っていれば一緒に歌います。「誰にとっても故郷はいい所だ」という共通認識がありますから「ノルマンディの人にとってはそうなんだろう」と思うだ...