日本語が危ない(4)
- 2014/03/08
- 01:13
前篇までのあらまし前篇までに次の三項目を論じました。「日本語の音韻構造と表記の特徴」「日本語で同音異義語が多数あっても殆ど意思疎通に支障が起こらないのはどうしてか」「てにをは」と「れる・られる」ここまでの主旨は、「漢字の数を減らしたり訓読みを廃止したりしてしまったら日本語は滅ぶ」そして「物を言う時は、正確にはっきり言わないと通じない」という当たり前のことの確認です。第三篇では、ある種の「言語学者」...
日本語が危ない(3)
- 2014/03/07
- 02:17
前篇までのあらまし前篇までに次の二項目を論じました。「日本語の音韻構造と表記の特徴」「日本語で同音異義語が多数あっても殆ど意思疎通に支障が起こらないのはどうしてか」漢字の数を減らしたり訓読みを廃止したりしてしまったら日本語は滅ぶ、というのが前号までの主旨です。第三篇では、日本語の構造そのものを破壊しようとする動きに警鐘を鳴らします。この記事では、謂(い)わゆる「てにをは」と動詞に付く派生接辞「れる・...
日本語が危ない(2)
- 2014/03/06
- 00:45
前置き「日本語が危ない」と題した記事の第一篇では「日本語の音韻構造と表記の特徴」に注目して漢字表記の大切さを述べました。今日は、予告した第二項目を論じます。本文2. 日本語の話し言葉で、同音異義語が多数あっても殆ど意思疎通に支障が起こらないのはどうしてかいくつも答えがあります。2.1. 殆どの方言に音調(= 謂わゆる「高低アクセント」)が具わっているため、ひらがな書きでは同一表記になっても、本当の意味での同音...
日本語が危ない(1)
- 2014/03/05
- 01:15
語義の取り違え、「てにをは」や集合標識「たち」の使い方など、最近の日本語の夥(おびただ)しい誤用について親友と議論していて「日本語は、放っておくと体系的に崩壊する」と言って相手を驚かせたことがあります。その時の論旨を纏めて小論文にしたものを四回に分けて紹介します。言語の誤用には、大勢に影響を及ぼすことの無い「ちょっとやそっとの間違い」(*)と、そうではなく、言語体系の根幹に関わる「重大な間違い」とがあ...