フランスの外出禁止令は取り敢えず4月15日まで延長
- 2020/03/28
- 21:09
フランスでは外出禁止の12日目です。隣のスペインからは、過去24時間のCovid-19肺炎の死者が832名に達したという悲しいニュース・・・。状況は、日々悪化しています。
フランスの昨夜のニュース
外出禁止期間の延長
昨夜(= 2020年3月27日)の午後8時過ぎ、フランスのEdouard Philippeエドゥワール・フィリップ首相による外出禁止令の延長の発表がありました。
延長期間は、取り敢えず二週間だけ。
【4月15日まで】
です。
《えっ、たった二週間? 変なの! それに、4月15日は水曜日だ。週の半ばの中途半端な日までっていうのは、必ず再延長するってことだろう》
と思っていたら、すぐに続きがありました。
【勿論、状況次第では、さらに延長することもあり得る】
「再延長になるに決まっている」
というのがF爺の周囲の人の一致した意見です。四月半ばまでにフランスと近隣諸国で新型コロナウィールスCovid-19肺炎の蔓延が収束するわけはありません。
禁止期間中の外出容認の条件は、【これまでと同じ】だそうです。言い換えると、食料品店、薬局、雑貨屋、銀行などは営業を続け、食料の調達やジョギング、子供や犬を連れての散歩も宣誓書持参であれば出来るということです。その点は、ひとまず安心しました。
入院患者数
フランスの昨夜20時までのCovid-19肺炎による入院患者数は、15732名、そのうちの3787名が救命治療室にいるとの発表です。
死者数は、フランスでは合計1995名。直近の24時間では299名だそうです。
搬送
アルザスからフランス南西部のBordeauxボルドー市への重症患者の新幹線による搬送は、続いています。
今朝の街の様子
「食料品調達」を口実に、遠出をしてみました。外出禁止令の期間中「ジョギングや散歩は一日一回一時間以内」となっていますが、買い物の回数に制限は無いし、自宅を出る時の時刻を宣誓書に書かなくてはなりませんが、列を作っている間に時間がどんどん経って行くことは、待っている者の責任ではないのです。目指すは、ストラスブールの中心部に近い所にある東アジア食品店です。
途中で検問に引っ掛かって、
「どうして自宅からそんなに遠い食料品店まで行くのだ」
と問い質(ただ)されるかもしれません。その時は、
【極東の生まれだから醤油や豆腐が食べられないと生きていけない】(*)
と言えば泣き落とせるでしょう。
(*) 1968年にF爺がやって来た頃は、ストラスブールでは醤油も豆腐も手に入りませんでした。日本食品の買える一番近い所は、ドイツのデュッセルドルフでした。隔世の感があります。勿論、検問官には
「昔は、醤油なんか無くても何年も平気で暮らしていました」
なんてことは言いません。F爺は、清廉潔白ですが、馬鹿正直ではないのです。
赤信号に子連れの夫婦
ストラスブールの街の中心部は、まるで人が住んでいないかのように、ひっそりとしていました。犬の散歩の人、ジョギングの人と時たますれ違うだけ。
とある交差点を渡ろうとした時、ちょうど信号が赤になりました。車は全然通っていません。フランス式のやり方で渡ろうとします。つまり、左右を見て車がどちらからも来ないと見極めたら、信号を無視してさっさと渡るのです。
ところが、道路の反対側に、幼児を連れた若い夫婦がいました。
「あの信号が赤い時は、渡っちゃいけないんだよ。必ず立ち止まって、信号が青(*)になるのを待つの」
と教えています。
(*) フランス語の元の言葉は「vert」ですから、逐誤訳すると「緑」です。
《急いでないから、ここは子供の安全教育に貢献しよう》
と決めて、F爺も立ち止まることにしました。子供のお父さんと目が合いました。お父さんが子供に言って聞かせています。
「ほらね。あの小父(おじ)さんも立ち止まっただろ」
ややあって信号が青になりました。すれ違う時、お父さんもお母さんも笑顔で黙礼してくれました。F爺も黙礼を返します。
《こんな好い天気の日、子供は外で遊びたがるだろうなあ》
食料品店
目指す食料品店の見える所まで行くと、これは不思議、入(はい)れるのを待つ行列がありません。一瞬、不安になります。
《まさか、休業してるんじゃないだろうな》
店内に灯りが点(つ)いているのを確認して安心します。至近距離になると、店から大きな袋を持って出て来る人の姿が見えました。
《ああ、良かった。開いてるんだ》
店内には、数えるほどしか客がいません。備え付けの籠に択んだ商品を入れてレジに向かいます。レジの小母さんに訊いてみて、事情が分かりました。
〈普段は土曜日が一番客の多い日なのだけれども、勤めに出られない人が火曜日でも金曜日でも買い物をしに来るようになったので、土曜日は却(かえ)って人が少ない〉
ということでした。考えてみれば当然のことでした。
新緑
例年よりもずっと早く新緑になっています。運河沿いの道の柳や西洋栃の木(マロニエ)、あちこちの庭のライラック、レピュブリック広場の銀杏(いちょう)の巨木などが若葉を伸ばしています。白樺も若芽が目立つようになりました。
例年なら、快晴の暖かい土曜日に新緑だったら、そぞろ歩きの人で賑わう界隈なのですが、閑散としています。
買い物がてら朝の散歩を終えました。あ、今日もF爺は、宣誓書の検問には引っ掛かっていません。でも、友人たちの中には、「何度も引っ掛かった」と言って歎いている人もいます。油断は禁物ですね。
予告
今日も、もう一本、記事を掲載します。
フランスの昨夜のニュース
外出禁止期間の延長
昨夜(= 2020年3月27日)の午後8時過ぎ、フランスのEdouard Philippeエドゥワール・フィリップ首相による外出禁止令の延長の発表がありました。
延長期間は、取り敢えず二週間だけ。
【4月15日まで】
です。
《えっ、たった二週間? 変なの! それに、4月15日は水曜日だ。週の半ばの中途半端な日までっていうのは、必ず再延長するってことだろう》
と思っていたら、すぐに続きがありました。
【勿論、状況次第では、さらに延長することもあり得る】
「再延長になるに決まっている」
というのがF爺の周囲の人の一致した意見です。四月半ばまでにフランスと近隣諸国で新型コロナウィールスCovid-19肺炎の蔓延が収束するわけはありません。
禁止期間中の外出容認の条件は、【これまでと同じ】だそうです。言い換えると、食料品店、薬局、雑貨屋、銀行などは営業を続け、食料の調達やジョギング、子供や犬を連れての散歩も宣誓書持参であれば出来るということです。その点は、ひとまず安心しました。
入院患者数
フランスの昨夜20時までのCovid-19肺炎による入院患者数は、15732名、そのうちの3787名が救命治療室にいるとの発表です。
死者数は、フランスでは合計1995名。直近の24時間では299名だそうです。
搬送
アルザスからフランス南西部のBordeauxボルドー市への重症患者の新幹線による搬送は、続いています。
今朝の街の様子
「食料品調達」を口実に、遠出をしてみました。外出禁止令の期間中「ジョギングや散歩は一日一回一時間以内」となっていますが、買い物の回数に制限は無いし、自宅を出る時の時刻を宣誓書に書かなくてはなりませんが、列を作っている間に時間がどんどん経って行くことは、待っている者の責任ではないのです。目指すは、ストラスブールの中心部に近い所にある東アジア食品店です。
途中で検問に引っ掛かって、
「どうして自宅からそんなに遠い食料品店まで行くのだ」
と問い質(ただ)されるかもしれません。その時は、
【極東の生まれだから醤油や豆腐が食べられないと生きていけない】(*)
と言えば泣き落とせるでしょう。
(*) 1968年にF爺がやって来た頃は、ストラスブールでは醤油も豆腐も手に入りませんでした。日本食品の買える一番近い所は、ドイツのデュッセルドルフでした。隔世の感があります。勿論、検問官には
「昔は、醤油なんか無くても何年も平気で暮らしていました」
なんてことは言いません。F爺は、清廉潔白ですが、馬鹿正直ではないのです。
赤信号に子連れの夫婦
ストラスブールの街の中心部は、まるで人が住んでいないかのように、ひっそりとしていました。犬の散歩の人、ジョギングの人と時たますれ違うだけ。
とある交差点を渡ろうとした時、ちょうど信号が赤になりました。車は全然通っていません。フランス式のやり方で渡ろうとします。つまり、左右を見て車がどちらからも来ないと見極めたら、信号を無視してさっさと渡るのです。
ところが、道路の反対側に、幼児を連れた若い夫婦がいました。
「あの信号が赤い時は、渡っちゃいけないんだよ。必ず立ち止まって、信号が青(*)になるのを待つの」
と教えています。
(*) フランス語の元の言葉は「vert」ですから、逐誤訳すると「緑」です。
《急いでないから、ここは子供の安全教育に貢献しよう》
と決めて、F爺も立ち止まることにしました。子供のお父さんと目が合いました。お父さんが子供に言って聞かせています。
「ほらね。あの小父(おじ)さんも立ち止まっただろ」
ややあって信号が青になりました。すれ違う時、お父さんもお母さんも笑顔で黙礼してくれました。F爺も黙礼を返します。
《こんな好い天気の日、子供は外で遊びたがるだろうなあ》
食料品店
目指す食料品店の見える所まで行くと、これは不思議、入(はい)れるのを待つ行列がありません。一瞬、不安になります。
《まさか、休業してるんじゃないだろうな》
店内に灯りが点(つ)いているのを確認して安心します。至近距離になると、店から大きな袋を持って出て来る人の姿が見えました。
《ああ、良かった。開いてるんだ》
店内には、数えるほどしか客がいません。備え付けの籠に択んだ商品を入れてレジに向かいます。レジの小母さんに訊いてみて、事情が分かりました。
〈普段は土曜日が一番客の多い日なのだけれども、勤めに出られない人が火曜日でも金曜日でも買い物をしに来るようになったので、土曜日は却(かえ)って人が少ない〉
ということでした。考えてみれば当然のことでした。
新緑
例年よりもずっと早く新緑になっています。運河沿いの道の柳や西洋栃の木(マロニエ)、あちこちの庭のライラック、レピュブリック広場の銀杏(いちょう)の巨木などが若葉を伸ばしています。白樺も若芽が目立つようになりました。
例年なら、快晴の暖かい土曜日に新緑だったら、そぞろ歩きの人で賑わう界隈なのですが、閑散としています。
買い物がてら朝の散歩を終えました。あ、今日もF爺は、宣誓書の検問には引っ掛かっていません。でも、友人たちの中には、「何度も引っ掛かった」と言って歎いている人もいます。油断は禁物ですね。
予告
今日も、もう一本、記事を掲載します。