F爺・小島剛一のブログ

前置き

「遍路道の迷いやすい分岐点」シリーズの連載の中にこの記事を挿入します。

追記　2023年5月2日

この記事は、これまで
〈遍路論・「頑張れ」は禁句にしてください〉
と銘打った書庫(*)に収納していました。

　　　(*) この書庫を当初は、〈遍路論・禁句〉と命名していました。
　　　《書庫リストの名前を見ただけでも記事の主題が分かるように》
　　　と考え直して、こう改題しました。

本日、「迷う峠道・高知と愛媛の県境」と銘打った書庫に分類し直しました。

同一の峠道が主題ですが、
[1]「昔は迷いやすかった」ことの追憶と
[2]「新たに出現した特殊な事情」
を記述します。

本文

[1]「昔は迷いやすかった」

F爺は、順打ちで39番・延光寺から40番・観自在寺へ向かう峠越えの道の途中、貝塚集落と錦集落の間で道に迷ったことがあります。

同じ箇所で迷ったとおっしゃるお遍路さんを何人も知っています。

「MJBぢぢい」さんのお知らせによると、今は、案内板が充実していて、迷わなくなっているそうです。

《迷った人がたくさんいたから、案内板を充実させてくれた人もいたんだろうな》

[2]「新たに出現した特殊な事情」

F爺は、今度高知県から愛媛県へ県境を越える時、この峠道を通ろうか通るまいか、迷っています。

二重の責め苦

「ぢぢい」さんのブログの数本の記事によると、この道には、
「がんばれ」
「がんばって」
「がんばってください」
という言葉を書き入れて小学生に描かせた絵が何十枚も展示してあって、そのうちのかなりの数で
【子供の描いた鳥居が白ペンキで塗り潰してある】
のです。

「ぢぢい」さんが峠道を最近通った時には、絵の数が〈少なくなっていた〉そうです。しかし、無くなってはいないのです。

「白ペンキで鳥居を塗り潰した形跡」は、神道に対する冒瀆・迫害の物的証拠です。

「頑張れ」の連呼は、たとい善意から発したものだとしても、
【抱え続け背負い続けた苦しみに耐え切れず「最後の頼みの綱」としてお遍路に出て来て心身ともに限界寸前のお遍路さんにとっては、惨(むご)い言葉】なのです。

お遍路さんの気持ちも神佛習合の実態も知らない教師が描かせたのです。典型的な独善行為です。

鳥居迫害と「これ以上は頑張れない人に対する『がんばってください』の連呼」と二重の責め苦が待ち受けていることを承知の上で峠道を通る気になるかどうか・・・今は何とも言えません。

関連記事

未読の方は、同じ主題の以下の記事にも目をお通しください。

〈遍路の涙〉
〈「四国の雨は遍路の涙」〉
〈「一人歩きのお遍路さんは」〉

〈一人歩きのお遍路さんに「頑張れ」とは言わないで〉
〈一人歩きのお遍路さんに「頑張れ」とは言わないで(続)〉
〈一人歩きのお遍路さんに「頑張れ」とは言わないで(3)〉
〈一人歩きのお遍路さんに「頑張れ」とは言わないで(4)〉
〈一人歩きのお遍路さんに「頑張れ」とは言わないで(5)〉