鶴岡八幡宮の宮司(7)
- 2015/12/26
- 20:42
1999年8月30日。日本滞在中に鎌倉の鶴岡八幡宮に赴いて、権禰宜(ごんねぎ)の瀧森好(たきもり・このむ)氏との約束の会食です。
その場で会った初対面の(*)男が「石田○○です」と自己紹介した後、F爺にこう言いました。
「最初にお聞きしたいんですが、Fさんのこの催しでの立場は何ですか。はっきりさせてください」
(*) 名前だけはLN夫人から聞いていました。フランス語の出来る人だそうです。
敬語を使ってはいますが、自分の立場の説明を省略した一方的な尋問口調です。普通ならあり得ないことですが、この時に限ってF爺は、驚きません。石田氏の無礼を責めようとも思いません。8月12日と13日のLN夫人の言動から予期していたことです。
恐らくLN夫人が
《Fさんは、うちの団体とは何の関係も無い人。団体を代表してそちらへ行くのではない》
と伝えたのでしょう。
そのついでにLN夫人がF爺のことを石田氏に、不平たらたら、非常に悪く伝えていることは想像が付きました。
しかし、F爺には、疾(やま)しいことなど何も無いのです。それどころか、宮司とストラスブールの大司教との会見の通訳を務めて重要な貢献をしています。
F爺は、石田氏と権禰宜に、フランス料理店Au Crocodileオ・クロコディルの仲介でLN夫人と知り合ったいきさつから始めて、粉飾無く、順序立てて、事実をありのままに述べました(*)。
(*) 但しAu Crocodileオ・クロコディルとの「契約」でどんな報酬を得たのかは、言いませんでした。この人たちとは何の関係も無いことですから。
このことは、権禰宜にも石田氏にも分かったようです。雰囲気が、すぐに和(なご)みました。
宮司の吉田茂穂氏も挨拶に顔を出しました。
LN夫人の言葉を宮司に伝えます。
《神道とは何であるかをストラスブールで宮司に簡略に説明していただきたい》
宮司は酷(ひど)く困った顔をしました。F爺が気を利かせて、
「『神道の粋(すい)は、言葉で表わせるものではない』という言い方をする手もあるんですよ」
と続けると、少し安心した顔になりました。
この日の夕食の席でF爺は、次のことをはっきり述べました。
〈「封筒」の書類を預かっては来たけれど、LN夫人の言動の無礼さと身勝手さには愛想を尽かした。全く信用に値しない人物だと判断した。従って、LN夫人が「赤の他人を、不平を言いながら、無報酬で手足のごとく使って当然」という態度を根本的に改めるという奇跡的なことでも起こらない限り、この秋の神楽紹介の催しにこれ以上の力添えをする意思は無い〉
質問に応えて、きちんと判断の根拠も説明して、暇(いとま)を告げました。
第八篇に続きます。
その場で会った初対面の(*)男が「石田○○です」と自己紹介した後、F爺にこう言いました。
「最初にお聞きしたいんですが、Fさんのこの催しでの立場は何ですか。はっきりさせてください」
(*) 名前だけはLN夫人から聞いていました。フランス語の出来る人だそうです。
敬語を使ってはいますが、自分の立場の説明を省略した一方的な尋問口調です。普通ならあり得ないことですが、この時に限ってF爺は、驚きません。石田氏の無礼を責めようとも思いません。8月12日と13日のLN夫人の言動から予期していたことです。
恐らくLN夫人が
《Fさんは、うちの団体とは何の関係も無い人。団体を代表してそちらへ行くのではない》
と伝えたのでしょう。
そのついでにLN夫人がF爺のことを石田氏に、不平たらたら、非常に悪く伝えていることは想像が付きました。
しかし、F爺には、疾(やま)しいことなど何も無いのです。それどころか、宮司とストラスブールの大司教との会見の通訳を務めて重要な貢献をしています。
F爺は、石田氏と権禰宜に、フランス料理店Au Crocodileオ・クロコディルの仲介でLN夫人と知り合ったいきさつから始めて、粉飾無く、順序立てて、事実をありのままに述べました(*)。
(*) 但しAu Crocodileオ・クロコディルとの「契約」でどんな報酬を得たのかは、言いませんでした。この人たちとは何の関係も無いことですから。
このことは、権禰宜にも石田氏にも分かったようです。雰囲気が、すぐに和(なご)みました。
宮司の吉田茂穂氏も挨拶に顔を出しました。
LN夫人の言葉を宮司に伝えます。
《神道とは何であるかをストラスブールで宮司に簡略に説明していただきたい》
宮司は酷(ひど)く困った顔をしました。F爺が気を利かせて、
「『神道の粋(すい)は、言葉で表わせるものではない』という言い方をする手もあるんですよ」
と続けると、少し安心した顔になりました。
この日の夕食の席でF爺は、次のことをはっきり述べました。
〈「封筒」の書類を預かっては来たけれど、LN夫人の言動の無礼さと身勝手さには愛想を尽かした。全く信用に値しない人物だと判断した。従って、LN夫人が「赤の他人を、不平を言いながら、無報酬で手足のごとく使って当然」という態度を根本的に改めるという奇跡的なことでも起こらない限り、この秋の神楽紹介の催しにこれ以上の力添えをする意思は無い〉
質問に応えて、きちんと判断の根拠も説明して、暇(いとま)を告げました。
第八篇に続きます。