きらきら研修医(織田うさこ)
さて、クリスマスイブになりました。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
とまあ、一応クリスマスイブなんで、こんな始まりにしてみました。すぐさま、話題を変えましょう。
今でこそ僕は、風邪すら滅多にひかない、かなり健康な人間ですが、昔は本当によく病院にはお世話になったものです。
まあ実際、仮病的な理由で病院に行ったこともなんどかあるんですが(学校ってあんまり得意じゃなかったんですよね。特に、小学生の頃とか。高校は、確か皆勤ですけど)、実際的な理由で病院に通うことも本当に多かったです。
一番多かったのは、骨折の類ですね。もうホント、ボキボキ言わすくらいの勢いで、どんどん骨を折ってました。記憶にある限りでも、中学生くらいまでに、左腕を三回、左足を二回骨折してるし、骨折ではない打撲だとか捻挫だとかがさらに加わります。右手を怪我したことがなかったのがある意味で救いでしたが(利き腕を骨折すると、ホント大変だろうなと思います)、でも松葉杖のお世話には何度もなったし、夏場だとギブスが蒸れてホント大変だし、ギブスを取ると、つけてた方の手や足がもう一方と比べて明らかに細くなってたりして、いろいろ大変なんです。
あと、入院も何度もしましたね。膝の半月板が生まれつき少し大きかった、という理由でそれを削る手術をした時は、大変でした。まず、あれですよ、剃毛とかするんですよ。あれは、ホント恥ずかしいですよ。もちろん女性の看護婦さんがするんだけど、子供でも恥ずかしいですね。あれは、大人になったらもっと恥ずかしいだろうな、と思います。
また、手術後も大変でした。膝に水が溜まるので、すっごい太い注射を刺されて水を抜いたり(これがもう悶絶するほど痛い)、歩くリハビリをしたりと、それはもう大変でございました。
あとは、結局原因不明だったんだけど、謎の腹痛に襲われてそのまま入院したこともあるし、なんで入院したのか覚えてないけど、結構長い期間入院していたこともありました。
入院の思い出はいろいろあるんですけど、やっぱクラスメイトからの手紙とかは嬉しいですよね。未だに、探せば見つかると思います。ああいうのは、先生とかに書かされるんだろうけど、それでも嬉しいものです。友だちがお見舞いにきてくれたりすると、恥ずかしいのもあるけど、やっぱ嬉しいものですね。
小児病棟には、プレイルームみたいなのがあって、ちょっとした玩具やマンガが置いてあるんだけど、そこで「ドカベン」を読んでたことも思い出しました。「ドカベン」、面白かったなぁ。
一方悪いことももちろんあって、まず食事が美味しくないんですね。栄養的にはいいんだろうけど、やっぱり美味しくない。特に、腹痛で入院した時なんかは大変で、仕方ないのは分かっているんだけど、初めに食べれるのが、ほとんど液体じゃないですか?というようなドロドロのお粥で、これがべらぼうにまずいんですね。食べなきゃいけないんだけど、あれはきつかったです。
また、消灯が早かったり、あとテレビもテレビカードを入れないと見れなかったりで不自由がいろいろあって、あと一人部屋だったこともあるけど相部屋のほうがやっぱ多くて、相部屋とかはやっぱ大変なんですね。
まあそんなわけで、病院とは縁が深かったんですが(すっごく近くに大きな病院があったので、子供の時は遊び場でもありました。結局しなかったけど、霊安室を探してみようと言ってみたりとか、あと病院の自販機の下から落ちてるお金を探してみたりなんてことをしてました)、本作とちょっと関わるような、研修医との思い出というのも少しあったりするわけです。
正直ちゃんとは覚えてないんですけど、小児病棟に入院していた頃に研修医の人がやってきました。とここまで書いて思い出しましたが、違いました。研修医じゃなくて、新人の看護婦だったような気がします。
まあとにかく、その新人のナースというのは、ナース服がピンクなんですね。普通の人は白なんですけど、新人はピンクで、やっぱり初々しい感じがあって(って子供の時にそんな風に思ったかは疑問だけど)、なんとなくだけど記憶に残っています。
病院というのは本当に大変なとこで、そこで従事している人は素晴らしいな、と思います。「Dr.コトー」や「ナースのお仕事」みたいにほのぼのしてないだろうし、3Kと言われるくらいのハードな仕事です。かと言って、「白い巨塔」や「女医」みたいにドロドロしているだけのところでもなくて、何を書きたいのかよくわからなくなってきたけど、病院は大変なんです。
今深刻な医者不足で、状況はさらに悪化していると言えるでしょう。研修医は、眼科などの楽なところに行きたがり、小児科が潰れる病院も多くなってきていると言います。人が来なければそれだけ忙しくなり、さらに人がこなくなる、という悪循環の中で、医者という人々は頑張っているわけです。
ホント、素晴らしいと思います。もちろん、悪い医者もダメな医者もいるんだろうけど、今医者の人も、これから医者になろうと思っている人も、是非頑張って欲しいものです。って、無責任ですけどね。
そろそろ内容に入ろうと思います。
本作は、「童顔のSサイズ、ドジでノロマ、どんくさい。失敗だらけのわたし、うさこ26歳。女医です。」という、研修医であるうさこが、病院でのあれこれをブログに書いていたものを本にまとめたものです。
今年は本当に何作も、いわゆるブログ本と呼ばれるものを読んできましたけど、どれも大当たりという感じです。こういうブログ初の本を読んでいると、文芸という世界も、そろそろ頭打ちになっているのかな、と思わざるおえません。在野(つまり作家ではない一般の人々)でも、面白い文章を書ける人はたくさんいるわけで、そういうところから、文芸の裾野がどんどんと広がっていったらいいなぁ、と今は思っています。今はまだ、ブログや携帯小説から出ているものが、ちょっと色物扱いされている感じはあるけど、そのうち、ブログ発、携帯発というのが、一つのステイタスになるような、そんな時代になったりするような気がします。
そんなわけで内容ですが、本作では、うさこが新人研修で、内科・産婦人科・皮膚科でいろいろ学ぶ、その時の話がいろいろと描かれています。
内科での研修の描写はあまりなく、メインは、産婦人科と皮膚科です。どっちも、本当に面白いんです。
基本的に、変な患者がいる、というようなネタはあまりなく(いろいろあって敢えて制限しているのかもしれないけど)、メインは、一緒に働くスタッフの奇行、みたいなものに向けられています。産婦人科の方ではガチャピン先生が、皮膚科の方ではムック先生が登場し、うさこを初め、周りの人間をどんどんと混乱の渦に巻き込んでいき、また、美人女医であるみかこ先生や、その他名前の与えられていない様々なスタッフの行動が、もう面白くて仕方ありません。
僕は、もう変人が大好きなんですけど、病院というのはやあり、変人がオンパレードなんだろうな、と思います。明らかに理不尽で筋の通らないことを言うガチャピン先生みたいな人もいれば、手術中BGMの曲に突っ込みを入れてしまうムック先生もいて、美人なんだけどトリッキーなみかこ先生がいれば、「精子を下さい!」とドクターに言ってしまう看護婦がいたりと、もうなんというか、大変だろうけど、ある意味で吉本の芸人が見学に押し寄せてもいいのではないかというような変人がたくさんいて、ある意味で楽しいだろうな、と思ったりもします。
変人なのはうさこも同じで、みかこ先生に度々注意されたりします。まあそれは手に、「尿測 便ヘモ」とかメモしてたらダメだし、陰嚢から切り取った皮の入ったビニール袋を持ったままウロウロしたらいかんですけど、でもそういうの、僕的には結構よかったりしますね。女性らしくない、ってところに惹かれる、ちょっと変な人間なんで。
というわけで、ネタの宝庫みたいな日常ですけど、でもきちんと頑張っている姿や真摯な姿勢なんかも時々書いていて、好感が持てる内容だと思います。
本作は、知ってる人も多いかもだけど、小西真奈美主演でドラマ(か映画)になるわけで、まあ見ないだろうけど楽しみですね(って意味不明ですけど)。小西真奈美が髪を短くしたとかで話題になりましたけどね。いいですね、小西真奈美は。笑ってないと、もっといいですね。
そんなわけで、軽~く読めるので、すごくいいと思います。ブログ本になんとなく嫌悪感を持っている人は多いかもしれないけど、僕が今年読んだものは、本当にどれもレベルが高くて面白いものばかりでした。これからもどんどんブログ本を読んでいこうと思います。みなさんも、是非読んでみてください。
織田うさこ「きらきら研修医」
とまあ、一応クリスマスイブなんで、こんな始まりにしてみました。すぐさま、話題を変えましょう。
今でこそ僕は、風邪すら滅多にひかない、かなり健康な人間ですが、昔は本当によく病院にはお世話になったものです。
まあ実際、仮病的な理由で病院に行ったこともなんどかあるんですが(学校ってあんまり得意じゃなかったんですよね。特に、小学生の頃とか。高校は、確か皆勤ですけど)、実際的な理由で病院に通うことも本当に多かったです。
一番多かったのは、骨折の類ですね。もうホント、ボキボキ言わすくらいの勢いで、どんどん骨を折ってました。記憶にある限りでも、中学生くらいまでに、左腕を三回、左足を二回骨折してるし、骨折ではない打撲だとか捻挫だとかがさらに加わります。右手を怪我したことがなかったのがある意味で救いでしたが(利き腕を骨折すると、ホント大変だろうなと思います)、でも松葉杖のお世話には何度もなったし、夏場だとギブスが蒸れてホント大変だし、ギブスを取ると、つけてた方の手や足がもう一方と比べて明らかに細くなってたりして、いろいろ大変なんです。
あと、入院も何度もしましたね。膝の半月板が生まれつき少し大きかった、という理由でそれを削る手術をした時は、大変でした。まず、あれですよ、剃毛とかするんですよ。あれは、ホント恥ずかしいですよ。もちろん女性の看護婦さんがするんだけど、子供でも恥ずかしいですね。あれは、大人になったらもっと恥ずかしいだろうな、と思います。
また、手術後も大変でした。膝に水が溜まるので、すっごい太い注射を刺されて水を抜いたり(これがもう悶絶するほど痛い)、歩くリハビリをしたりと、それはもう大変でございました。
あとは、結局原因不明だったんだけど、謎の腹痛に襲われてそのまま入院したこともあるし、なんで入院したのか覚えてないけど、結構長い期間入院していたこともありました。
入院の思い出はいろいろあるんですけど、やっぱクラスメイトからの手紙とかは嬉しいですよね。未だに、探せば見つかると思います。ああいうのは、先生とかに書かされるんだろうけど、それでも嬉しいものです。友だちがお見舞いにきてくれたりすると、恥ずかしいのもあるけど、やっぱ嬉しいものですね。
小児病棟には、プレイルームみたいなのがあって、ちょっとした玩具やマンガが置いてあるんだけど、そこで「ドカベン」を読んでたことも思い出しました。「ドカベン」、面白かったなぁ。
一方悪いことももちろんあって、まず食事が美味しくないんですね。栄養的にはいいんだろうけど、やっぱり美味しくない。特に、腹痛で入院した時なんかは大変で、仕方ないのは分かっているんだけど、初めに食べれるのが、ほとんど液体じゃないですか?というようなドロドロのお粥で、これがべらぼうにまずいんですね。食べなきゃいけないんだけど、あれはきつかったです。
また、消灯が早かったり、あとテレビもテレビカードを入れないと見れなかったりで不自由がいろいろあって、あと一人部屋だったこともあるけど相部屋のほうがやっぱ多くて、相部屋とかはやっぱ大変なんですね。
まあそんなわけで、病院とは縁が深かったんですが(すっごく近くに大きな病院があったので、子供の時は遊び場でもありました。結局しなかったけど、霊安室を探してみようと言ってみたりとか、あと病院の自販機の下から落ちてるお金を探してみたりなんてことをしてました)、本作とちょっと関わるような、研修医との思い出というのも少しあったりするわけです。
正直ちゃんとは覚えてないんですけど、小児病棟に入院していた頃に研修医の人がやってきました。とここまで書いて思い出しましたが、違いました。研修医じゃなくて、新人の看護婦だったような気がします。
まあとにかく、その新人のナースというのは、ナース服がピンクなんですね。普通の人は白なんですけど、新人はピンクで、やっぱり初々しい感じがあって(って子供の時にそんな風に思ったかは疑問だけど)、なんとなくだけど記憶に残っています。
病院というのは本当に大変なとこで、そこで従事している人は素晴らしいな、と思います。「Dr.コトー」や「ナースのお仕事」みたいにほのぼのしてないだろうし、3Kと言われるくらいのハードな仕事です。かと言って、「白い巨塔」や「女医」みたいにドロドロしているだけのところでもなくて、何を書きたいのかよくわからなくなってきたけど、病院は大変なんです。
今深刻な医者不足で、状況はさらに悪化していると言えるでしょう。研修医は、眼科などの楽なところに行きたがり、小児科が潰れる病院も多くなってきていると言います。人が来なければそれだけ忙しくなり、さらに人がこなくなる、という悪循環の中で、医者という人々は頑張っているわけです。
ホント、素晴らしいと思います。もちろん、悪い医者もダメな医者もいるんだろうけど、今医者の人も、これから医者になろうと思っている人も、是非頑張って欲しいものです。って、無責任ですけどね。
そろそろ内容に入ろうと思います。
本作は、「童顔のSサイズ、ドジでノロマ、どんくさい。失敗だらけのわたし、うさこ26歳。女医です。」という、研修医であるうさこが、病院でのあれこれをブログに書いていたものを本にまとめたものです。
今年は本当に何作も、いわゆるブログ本と呼ばれるものを読んできましたけど、どれも大当たりという感じです。こういうブログ初の本を読んでいると、文芸という世界も、そろそろ頭打ちになっているのかな、と思わざるおえません。在野(つまり作家ではない一般の人々)でも、面白い文章を書ける人はたくさんいるわけで、そういうところから、文芸の裾野がどんどんと広がっていったらいいなぁ、と今は思っています。今はまだ、ブログや携帯小説から出ているものが、ちょっと色物扱いされている感じはあるけど、そのうち、ブログ発、携帯発というのが、一つのステイタスになるような、そんな時代になったりするような気がします。
そんなわけで内容ですが、本作では、うさこが新人研修で、内科・産婦人科・皮膚科でいろいろ学ぶ、その時の話がいろいろと描かれています。
内科での研修の描写はあまりなく、メインは、産婦人科と皮膚科です。どっちも、本当に面白いんです。
基本的に、変な患者がいる、というようなネタはあまりなく(いろいろあって敢えて制限しているのかもしれないけど)、メインは、一緒に働くスタッフの奇行、みたいなものに向けられています。産婦人科の方ではガチャピン先生が、皮膚科の方ではムック先生が登場し、うさこを初め、周りの人間をどんどんと混乱の渦に巻き込んでいき、また、美人女医であるみかこ先生や、その他名前の与えられていない様々なスタッフの行動が、もう面白くて仕方ありません。
僕は、もう変人が大好きなんですけど、病院というのはやあり、変人がオンパレードなんだろうな、と思います。明らかに理不尽で筋の通らないことを言うガチャピン先生みたいな人もいれば、手術中BGMの曲に突っ込みを入れてしまうムック先生もいて、美人なんだけどトリッキーなみかこ先生がいれば、「精子を下さい!」とドクターに言ってしまう看護婦がいたりと、もうなんというか、大変だろうけど、ある意味で吉本の芸人が見学に押し寄せてもいいのではないかというような変人がたくさんいて、ある意味で楽しいだろうな、と思ったりもします。
変人なのはうさこも同じで、みかこ先生に度々注意されたりします。まあそれは手に、「尿測 便ヘモ」とかメモしてたらダメだし、陰嚢から切り取った皮の入ったビニール袋を持ったままウロウロしたらいかんですけど、でもそういうの、僕的には結構よかったりしますね。女性らしくない、ってところに惹かれる、ちょっと変な人間なんで。
というわけで、ネタの宝庫みたいな日常ですけど、でもきちんと頑張っている姿や真摯な姿勢なんかも時々書いていて、好感が持てる内容だと思います。
本作は、知ってる人も多いかもだけど、小西真奈美主演でドラマ(か映画)になるわけで、まあ見ないだろうけど楽しみですね(って意味不明ですけど)。小西真奈美が髪を短くしたとかで話題になりましたけどね。いいですね、小西真奈美は。笑ってないと、もっといいですね。
そんなわけで、軽~く読めるので、すごくいいと思います。ブログ本になんとなく嫌悪感を持っている人は多いかもしれないけど、僕が今年読んだものは、本当にどれもレベルが高くて面白いものばかりでした。これからもどんどんブログ本を読んでいこうと思います。みなさんも、是非読んでみてください。
織田うさこ「きらきら研修医」
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え、ガチャピンがドラマ!?
フジテレビ系の朝の人気番組ポンキッキのキャラクターのガチャピンがド