経営が厳しくなると、中小零細企業の経営者は様々に模索し、色々な検討をされるものです。
今、この厳しい状況から脱するには、どんな方法があるのかという事についてです。
経営が厳しい状況というのも様々でしょうが、終局的は、総じて資金繰りが難しいという状況に向かいますから、まずは、資金繰りの確保の方向に向かって当然でしょう。
多くの経営者の場合、借入等で資金を確保することで、資金繰りを確保して経営不安を払拭しようとされますが、この状況での借入は簡単なものではなく、違う方法も検討しなければなりません。
昨今は、リスケジュール(リスケ)や中小企業金融円滑化法の影響で、借入金の返済猶予により資金の
流出を止める方法が一般化し、それにより資金繰りの確保するのも難しくなくなりました。
これら2つの方法は、直接に資金の流れを改善する方法ですから、資金繰り面でその効果は絶大だと言えますが、長期的に経営が健全化するものではありません。
資金繰りが確保できたことにより、しばらくは経営が安定したように感じますが、経営を根本的に見直さない限り、いずれは慢性的に資金繰りが厳しくなり、以前よりも状況が悪くなっていることも珍しくありません。
直接的な資金繰りの改善は、あくまでも、救急措置でしかない治療だと考えるべきなのでしょう。
大事なのは、しっかりとした治療を施すということになります。
昨今は、中小零細企業経営の本格的な治療として、様々な施策が実施されているように見受けられます。
中小企業再生支援協議会の強化や中小企業経営力強化支援法の施行など、政府はアベノミクス効果が大きいうちに、消費税増税にむけての中小零細企業対策を実施しようとしているようです。
そして、これらの施策は、全てが具体的な経営改善の実施が前提となっています。
金融機関や税理士,公認会計士,中小企業診断士などの専門家が、現状に即した本格的な経営改善計画を策定し、それに基づいて、企業が経営改善を実施し健全化を目指すというスキームなのです。
昔は、返済猶予や経営改善に取り組むというのは、ある意味『恥ずかしい』と見られたものですが、昨今は当たり前の経済行為のようになりつつあります。
経営改善に取り組むということが、中小零細企業であれば珍しくもなく、環境が経営改善を助長しようとさえしています。
しかし、果たして、経営改善に取り組んでいる企業で、どれほどが再生できるのでしょうか。
経営改善計画には、様々な問題が隠されています。
経営に関係のない第3者の専門家が作成した経営改善計画により、企業が再生して健全化できたのならば、経営者は無能で必要が無いということにならないでしょうか。
経営改善にデューデリジェンス(資産精査)はつきものですが、中小零細企業の場合は、債権者金融機関等がいざという時の債権回収を実施する準備作業だともいえます。
経営内容を具体的な把握してない専門家が、極めて短時間で作成する経営改善計画が、企業の実情や経営の実態を具体的に反映しているとは考えられず、机上の空論である経営改善計画を実施することにならないでしょうか。
莫大な借入を抱える債務超過企業が、小手先の経営改善だけで再生できるはずなどなく、債権放棄に絡む施策の活用が必要とされますが、現実的にはほとんど対応できていないのです。
その他にも多くの問題があり、中途半端な施策のために実効性が伴わないというのが総論であり、ある意味、行政サイドの責任回避のような施策でしかないように思えます。
こんな経営改善計画で再生が出来れば凄いのですが、やはり、そんな簡単なものではありません。
経営改善が必要とされる中小零細企業のうち、現実として、1割でも経営が健全化すれば良い方ではないのでしょうか。
経営に大きな不安を抱えた状況において、経営改善に真正面から取り組むということはとても大事ですが、従業員や家族の生活を考えた場合、それだけでは不足だろうと思います。
全力で経営改善に取り組みつつも、いざという時の対応も考えておくことが大事であり、要は、緊急避難の準備も同時にする必要があるということになります。
それは、必要な資産を予防的に保全することであったり、形が変わってでも事業を継続するということで、いざという時にでも、生活の糧を失わず、人生や事業を確保出来るように準備をするということなのです。
綺麗事ではなく、現実として多くの事例を見てきましたが、圧倒的に悲惨な結果の方が多いのです。
高額の費用を掛けて専門家に依頼し、経営改善計画を策定し、成功を信じて全力で取り組んだが改善せず、経営状況はむしろ悪化しています。
依頼した専門家に相談すると、もはや破産するしかないと勧めるのですから呆れるしかありません。
しかし、冷静に環境を見直すと、無理に経営改善を進めたために、既に目ぼしい資産などは何も残っていず、破産しか方法が残されていないのが現実なのです。
経営改善を信じて取り組み、このような結果になった事例は数限りなくあり、真面目な経営者ほど、そうなる傾向があるように思います。
経営改善に取り組む時は、『何があっても生き残る』ための準備にも、少し余力を回して取り組んでいただければと思います。
いざという時にでも、生活を守るためにです。
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