サービサーとの交渉や和解について、具体的にご説明をしたいと思います。
サービサーは、債権回収のプロですから、まず、その性格を理解して交渉することから始まります。
そして、最大限の妥協を引き出すために、サービサーの収益スキルと目的を把握して対応することにより、望外の和解をする事が出来るかもしれません。
そのためのポイントを、以下にまとめてみました。
1.無い袖は振れない状況
サービサーとの交渉は、債務者企業として置かれている環境により大きく変化します。
事業を継続している場合、特に収益が確保できている場合には、当然にサービサーの対応は厳しくなります。
債権回収をするには、債務者の状況把握が大前提であり、債権回収のプロであるサービサーは最低限の情報は持っていると考えてください。
回収できる可能性があると判断すれば、当然に厳しい対応をしてきますし、回収の可能性が低いと判断すれば、本音の対応は緩くなるものなのです。
したがって、『無い袖は振れない』状況を確保することは、交渉を有利に進めるうえで重要です。
2.サービサーを理解する
債権回収のプロ中のプロであり、ハイエナやハゲタカにも例えられるサービサーですが、担当者は人間であり、法的に様々な規制も受けています。
債権回収をするために、何でも許されている訳ではありませんから、まずは、サービサーを理解することが重要です。
サービサー全般についての知識,其々のサービサー会社の傾向,債権回収の手段,収益確保のシステム等を理解してください。
そして、債務者として、しっかりと交渉スキルを身に付け、交渉の目的や和解の落とし処なども視野に入れてサービサーと交渉をしてください。
事前の準備ができておれば、交渉や和解において、無理をして答えを導き出す必要はありません。
3.サービサーの土俵で交渉しない
サービサーだけではなく、全ての債権者に共通していることですが、自らの土俵で有利に交渉を進めようとします。
『何故、払わない・・・』,『今後、支払は出来るのか・・・』,『法的手続きも辞さない・・・』等など、様々な方法で債務者に圧力をかけてきますから、精神的に追い詰められて当然です。
債務者としては、精一杯に誠意を示したうえで、現状を説明して理解をしてもらい、大きな負担のない条件での和解案を提示するだけにしてください。
ある意味『馬耳東風』的になりますが、こちらに具合の悪いサービサーからの話は、聞き流すぐらいの開き直りが必要です。
4.サービサーの弱みを突く
サービサーの債権回収もビジネスですから、儲けなければなりませんし、担当者にはそれなりのノルマも課せられています。
安価で債権の譲渡を受け、高値で売却しての差額が売上粗利益となるという流れは、普通の商売と共通しており、売れなければ損が発生しますし、経費が膨らめば利益を圧縮するというのも同じです。
したがって、少しでも簡便に良い条件の和解をしようというのが、サービサーの基本姿勢だといえます。
表現を変えれば、交渉において、手間暇や経費を掛けることを嫌がりますから、逆手にとって手間や暇や経費を掛けさせることにより、交渉を優位に進められる可能性があります。
5.裁判もいとわない
債権者は、裁判や強制執行などの法的手続きで脅すのが常ですが、特にサービサーは頻繁に口にする傾向があります。
また、交渉が順調に進まなければ、現実的に裁判をしてきたり、強制執行をしようとしてきます。
『無い袖は振れない』状況さえ確保しておれば、こんな脅しに屈する必要はありません。
裁判で脅してきたら、債務不存在で対抗するぐらいの気持ちが必要でしょう。
6.時間をかけて交渉をする
多くの場合、複数の異なった不良債権をパッケージ化してまとめ売りをするバルクセールにより、サービサーは債権譲渡を受けて購入します。
債権譲渡の原価は、複数の不良債権をまとめたものであり、売上金額(和解額・回収額)についても複数の不良債権全体を対象としたものとなります。
早い段階で、目標の売上金額を達成することが出来れば、残った不良債権との和解は付録の様なものになるでしょう。
債権譲渡後の、早い段階での和解交渉は厳しいという傾向があり、多くの場合は、時間をかければかけるほど債務者に有利だという傾向になります。
7.一括和解を目指す
以前は、サービサーとの和解は、一括和解が普通でしたが、最近は分割弁済が多くなってきました。
特に、返済資力の少ない債務者に対しては、分割弁済を進める傾向がありますが、極力回避をされるべきだと思います。
分割弁済は、一回当たりの支払額は少ないですが、積もり積もって膨大な金額を支払う事になってしまいます。
もし、順調に支払っておられるならば、元金を全て払わせたうえで、遅延損害金までも回収しようというのがサービサーなのです。
分割弁済は拒否して、負担なく支払い可能な金額での一括和解を目標にしてください。
具体的な、サービサーとの和解を目的とした交渉方法は以上になります。
既に、期限の利益の喪失をして不良債権になっているのですから、ここまできてサービサーとの和解で無理をする必要はないでしょう。
精一杯に誠意を示した対応で、時間をかけて、可能な支払範囲での一括和解を目的に交渉してください。
驚くような低価での、サービサーとの和解は珍しくありません。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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