かっとばせ借金 打ち勝て倒産!!

資金繰りが悪化した中小零細企業の、経営危機打開や事業再生へ向けてのお手伝いをさせていただいています。 経営危機場面での知識や情報をご提供し、従業員や家族のために命がけで闘う経営者が、諦めずに闘う現場を善戦苦闘日記としてご報告いたします。

2021年08月

個人版の債権放棄・・・


中小企業が経営危機に陥った場合、効果的な対応策は存在するのでしょうか。

実は、『債権放棄』という、劇薬ともいえるほどの特効薬が存在します。

特に、金融機関などからの借入が過剰な場合には、極めて有効な対応策となりうるのですが、極めて難しい手続きにもなります。

銀行などの債権者にとっては、絶対に回避したい取組になるからです。



多くの中小事業者は、このコロナウイルス環境において、膨大な借金を抱えてしまいました。

今は、実質無利子や元本棚上げの制度などがあり、その負担を感じることは少ないのかもしれません。

しかし、アフターコロナ後のことを考えると、空恐ろしい気持ちになります。

コロナウイルスが終息して、経済が再開をしだして、様々な制度も終わりを告げる環境において、この借金が返せるのかと考えると、不安になって当たり前だと思います。

普通に考えれば、コロナ前の経済に戻ったとしても、返せるような借金額ではないでしょう。

しかし、特効薬があるのです。

その特効薬的手段が、冒頭でご紹介した債権放棄になります。

債権放棄とは、債務者の意思にかかわらず債権者の意思のみで債務を消滅させる、債権者の単独行為のことになります。

民法519条において「債権者が債務者に対し債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅する」と規定されており、債務者の側からすれば債務免除になりますが、一般的には債権放棄といわれます。

代表的な債権放棄としては、債務者の事業者が経営破綻しそうな状況において、債権者である金融機関などが持っている債権の全額、または一部を放棄する措置があり、事業者の倒産を回避するための金融機関などによる支援策のひとつとになります。

この債権放棄が、経営の厳しい事業者の特効薬となるのですが、このコロナウイルスの環境においても、既に活用が始まっています。

それは、以前にご紹介をしました、コロナ禍による個人の債務減免の制度になります。

昨年、2020年12月1日から、大震災などの自然災害により、返済できなくなった個人の生活や事業の再生を支援する『自然災害債務整理ガイドライン』を改正して、今回のコロナウイルス災害が追加して適用されるようになりました。

個人の住宅ローンや個人事業主の借入金において、返済できなくなった債務分について減免するという画期的な内容となります。

コロナウイルスの環境においては、まさしく不可欠な制度であるといえるでしょう。

ただ、この様な画期的な制度は、政府が責任回避のためだけに用意した掛け声だけの制度であることが少なくありません。

適用開始から8か月が経過し、この制度の成果についてのデーターが発表されましたが、非常に興味深い内容になっていますのでご紹介したいと思います。



対象は、正式には『自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン』というもので、通常は『自然災害ガイドライン』と呼ばれています。

地震や台風等の自然災害によって、個人で住宅ローン等を借りていたり、事業性ローンを借りている個人事業主が、それらの債務を抱えたままでは再生が困難になる可能性があります。

その様な場合に、法的な手続に頼らずに、債権者と債務者の合意にもとづいて、債権放棄などにより債務整理を行う際のガイドラインになります。

このガイドラインに則れば、自然災害により借入負債の弁済が困難になった個人の債務者は、債権放棄を受けるなどして債務整理ができて、再生が容易になるという手続きです。

そして、昨年12月1日より、コロナウイルスによる債務整理も、この自然災害ガイドラインの対象となったのですが、その成果については、何故か、あまり聞こえてきません。

知り合いの弁護士などの専門家にお聞きしても、情報はほとんど流れていないようですが、それは成果が得られていないからなのかもしれません。

色々と調べてみると、この取り組みが始まってから6月までの7か月間で、1085件の申請があったそうです。

そして、結果として債務整理まで至った案件は、なんと、僅かに3件のみ。

現在、金融機関等と債務整理の手続き中が785件で、残りの300件ほどは手続きに至らなかったそうです。

7か月間で、3/1085・・・0.28%の成功率ということになりますが、あまりにも少な過ぎる数値ではないでしょうか。

たしかに、過半数以上の785件が手続き中ということですから、成功率はこれから増加するのだろうとは思います。

しかし、債権債務処理は時間との戦いですから、いつまでも手続中が続くというのは、制度として機能していないということになってしまいます。

何故、これほど時間が掛かっているのか理由を確認すると、


  取組みに前向きでない金融機関が多い

  債務整理対象となる根拠が不明確

  制度融資など、対象債務が不明瞭

  対応すべき専門家不足,報酬不足

等が挙げられるようで、まとめると、制度・システムとして未成熟なまま運用開始してしまった結果ということになるのではないでしょうか。

自然災害ガイドラインの活用に、期待されている個人は少なくありません。

特に、先の見通せないという、コロナウイルス特有の不況要因においては、債権放棄は極めて有効な手続きなると思われます。

そして、個人の債務整理が進み、コロナも終息して次の段階に移れば、法人を対象とした債権放棄の制度が強く要望される環境になるのも間違いありません。

そのためにも、自然災害ガイドラインによる、個人の債権放棄を活用した債務整理について、しっかりとしたシステムの見直しが急がれるのではないでしょうか。

政府も、掛け声だけの責任回避ではなく、政策としてしっかり成熟させていただきたいと思います。。



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会社を整理、まず考えること・・・


事業の任意整理を成功させるには、様々なことに配慮をする必要があります。

その中でも、特に納得のできる綺麗な整理をするには、欠くことのできないポイントがあるように思います。

それは、『任意整理への着手のタイミング誤らない』,『従業員など社会的弱者への配慮』,『旧の債務処理と、新しい展開の使い分け』という3点になるようです。

この3点のポイントを維持することができれば、任意整理はほぼ成功したといえるでしょう。




『過ちを改むるに 憚ることなかれ』・・・ということわざがあります。

その意味は、失敗や過ちに気づいた時には、体裁など気にせずに、直ぐに改めるべきであるということになります。

その反対語は、『過ちて改めざる これ過ち』になりますが、失敗そのものが過ちではなく、改めようとせずにそのまま放置することが真の過ちであり、問題を大きくするという意味になります。

これらは、中小事業者にとっては、常に頭に入れておくべき言葉ではないでしょうか。

変化の速い環境で、事業を経営していると、いつ困った悪い方向に展開するか判りません。

そんな時、素直に現状を認識し、リアルタイムで対応をしていくことが、最善の結果につながっていくのだろうと思います。

 少しでも業績が低下したら、問題点を確認し、経営改善に取組む・・・。

 一時的にせよ、資金が厳しくなる様だったら、早い段階で資金繰りを確保する・・・。

何か、問題の発生や過ち,失敗に気づいたら、躊躇することなく解決に向けて取り組むことが大事であることは間違いありません。

この考え方は、もっと悪化した経営状況においては、さらに重要になります。



色々なご相談を受けて、このまま事業を継続するのは、もはや無理だろうと判断できるご相談も少なくありません。

それでも、頑なに、事業を継続しようとされる経営者が、少なくないのが問題になります。

この様な場合、最初は間接的な表現でご説明をするのですが、その意図を、まず経営者に理解していただけることはありません。

そのままでは大変なことになりますので、直接的な表現も使いながら、経営者にご判断していただくように、様々にアプローチを展開します。

経営者は、ただ事業を継続することしか頭にありませんから、簡単なことでありません。

それでも、今後の展開の可能性を知っていただき、将来に希望があることを認識されることで、このまま闇雲に継続するのは駄目だと判断し、任意での整理を決断していただけるようになるのです。

もしも、このタイミングで決断できなければ、無茶な借入をしたり、未払いが膨大に発生したりして、経営者の人生だけでなく、関係者の人生さえ喪失をしてしまったかもしれません。

これで、『着手のタイミング誤らない』という、任意整理のポイントを1つクリアーしたことになります。



この決断は、社会的弱者にとって大きなものになります。

従業員や取引先などへの対応を、任意の整理という手段により、最優先に考慮して進めることで、様々な事象がクリアーになっていきます。

会社は整理しても、事業は何らかの形態で継続することなどができれば、関係者の負担や悪影響を軽減させることも可能になります。

従業員は、給与の未払いを回避することかできますし、今後の仕事も安定的に確保し続けることが出来るのかもしれません。

小さな仕入先などの取引先も、売掛金を優先的に回収できて、今後の取引も確保できるかもしれないのです。

『社会的弱者への配慮』を優先して、任意の整理を選択することで、得られる効果は大きなものになります。



経営者にも、人生や生活があって家族もおられ、たとえ、事業経営を失敗したからといって、それらまで放棄する訳にはいきません。

当然、経営者として、任意整理に絡む処理については全ての責任を持つ必要があります。

しかし、その対応が全てではなく、経営者の責任遂行と共に、これからの展開についても取り組まなければなりません。

自ら任意での整理を選択されたわけですから、その処理を経営者として遂行するという旧の処理と同時に、今後どうやって生活の糧を得て人生を確保するのかという新の取組みをする必要があるのです。

我々は、ご相談者に対して、これを任意整理における最優先のテーマとして考えていただくようにお願いしています。

旧の債務を処理するのは作業であって、新しい人生を構築するのは取組だと認識して使い分けることが必要だと思います。

この様に、『旧の債務処理と、新生活の使い分け』により、経営者は生活を安定的に確保することが出来て、債務処理にも具体的に取り組むことができるのではないでしょうか。



事業の継続など不可能な状況なのに、いつまでも決断できずに継続するというのは、経営者としてあまりにも無責任だといえます。

『過ちを改むるに 憚ることなかれ』というように、着手のタイミングを誤らずに、体裁など構わずに任意整理に取り組んでください。

従業員や取引先などといった社会的弱者に配慮することで、任意整理はスムーズに進み、最善の結果につながると思います。

経営者として、整理した旧の事業の債務処理をして、新しい展開へも取組む必要がありますが、上手く使い分けをして、体裁など構わずに対応することで、綺麗な任意整理ができるのではないでしょうか。



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緊 急 雇用調整助成金の延長・・・

緊 急 速 報

昨日、厚生労働省が、雇用調整助成金の特例措置を本年11月末まで延長することを発表いたしました。

この発表については、『えっ、12月末まで延長されたのでは・・・』と思われる方もおられると思います。

たしかに、厚生労働省は、先月に、雇用調整助成金の助成率引き上げを年末まで延長すると発表しました。

ただ、現行の最大10分の10のまま助成するかは決まっておらず、最大で10分の9以上にするという内容だったのです。

それが、コロナウイルスによる緊急事態宣言が延長され、さらに対象地域も拡大されたことを受け、雇用調整助成金の特例措置の期限を9月末から11月末に延ばすと厚生労働省が正式に発表をしました。

この特例措置は、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の対象地域で、雇用を維持した企業の休業手当を対象として支援するために、1人あたり日額上限を1万5千円として、助成率を最大10分の10とするものになります。

対象地域以外では、7月に発表された通り、日額上限が1万3500円で助成率が最大10分の9になります。

昨年4月からの助成金の支給決定額は、既に4兆円を超えており、最近は財源不足が問題になってきているのが不安です。

たしかに、いつまでも制度として継続するものではありませんが、雇用の維持については極めて効果的な制度であることは間違いありません。

活用できる時には、事業者として最大限有効に活用すべき制度であり、コロナウイルス対策だといえるでしょう。



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最優先の給料支払い・・・


今年の年末まで、雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金が延長をされました。

支給が遅いという不満はあるものの、この制度のおかげで、雇用が維持できて、資金繰りも確保できた中小事業者は少なくないと思います。

しかし、今年度になってから、特例措置に関しては、毎月ごとの延長に変更されており、いつ終了されるのかと不安に思っていた事業者は少なくありません。

雇用調整助成金に関しては、もっと大胆かつ抜本的に見直しをして、雇用を守るために有効に活用させてほしいものです。




経営者にとって、事業を維持するうえで最大の苦痛は、経営危機に陥った時の資金繰りだと思います。

特に、従業員の給与を正常に支給できないような状況は、経営者として最も回避したい辛い場面だといえるでしょう。

このコロナウイルスの厳しい経営環境においても、本来であれば、この様な状況に追い込まれる事業者が増加するはずでした。

その結果、雇用を喪失した人々が溢れ、消費は低迷して未曽有の不景気に落ち込んでも不思議ではなかったはずだと思います。

ところが、雇用調整助成金の特例措置という制度が、この危機を救いました。

この、早い段階で導入された特効薬ともいえる制度が、中小事業者の雇用を維持したうえで、資金繰りまでも確保させたといえるのです。

コロナウイルス対策においては、政府は様々な場面で多くの批判を浴びていますが、雇用調整助成金の特例措置に関しては、高い評価受けるべきではないでしょうか。

この制度があるから、中小事業者は雇用を維持できて、倒産もせずに事業を継続できたといえるのですから、コロナウイルス環境ではこの制度の継続が不可欠だといえます。

ところが、本年度に入り、この雇用調整助成金の特例措置を、環境を見ながら、毎月ごとに延長を判断すると、政府は方針を転換させました。

まだまだコロナウイルスが猛威を振るい、経済は停滞し、経営環境も改善などされない状況においてです。

たしかに、政府にも予算の限界があるのは判りますが、中小事業者に雇用面において大きな不安を抱かせ、資金繰り計画も狂わせるなど、その影響は大き過ぎるといえます。

そのまま、経営環境が悪化の一途を辿っても、何ら不思議でもありません。

ワクチン接種により、コロナウイルス騒動も終息に向かうだろうと思っていたのでしょうが、第4波から第5波が発生するに至り、このままでは大変なことになると政府も事の重大さに気づいたのか、7月中旬になって年末までの延長が発表されたのです。

これで、しばらくは、中小事業者も雇用を維持したうえで、資金繰りの確保が可能になったのかもしれません。



しかし、いつまでも、雇用調整助成金の特例措置が継続されるわけではありません。

コロナウイルス騒動が終息してくれば、当然に特例措置は終了し、自らの力だけで資金繰りを確保し、給与を支給しなければならなくなります。

そのときに、経済が回復し、景気も良くなっていれば対応も可能でしょうが、なかなか難しい環境になっている可能性の方が高いと思われます。

しかも、コロナウイルス騒動下での借入金の返済などが開始され、租税公課などの猶予も難しくなっているでしょうから、資金繰りを確保するのも簡単ではないでしょう。

そんな環境で、正常に給与を支給し、雇用を維持するには、どの様に対応すればいいのでしょうか。

経営者として、大きな責任のある雇用の、大きな前提となる給与の支給について、厳しい環境下での対応方法について考えてみたいと思います。



いくら資金繰りが厳しいとはいえ、従業員への給与支払いは最優先にすべきです。

事業をするなかで、金融機関や仕入れ先など様々な債権者がいますが、従業員も債権者であり、最優先で対応すべき存在だといえるでしょう。

金融機関への返済を待ってもらっても、仕入先への支払を少し遅らせても、従業員への給与は決まった通りに支払うべきであり、それが事業を守るために有効な手段だといえます。

それでも、約束通りに給与を払えないこともあるかもしれません。

そんな時、どの様に対応するかは、まず、約束通りに支払えなかったらどうなるかを理解してください。

給与を約束通りに支払えなければ、欠くことのできない大事なものを喪失することになります。

それは、会社や事業者に対しての信頼であり、仕事を頑張ろうというモチベーションではないでしょうか。

これらは、実体のないものですが、経営に対する影響は極めて大きなものになります。


事業者への信頼を喪失すれば、従業員は将来に不安を抱き、業務の効率は落ちて信用不安流出につながるでしょう。

モチベーションが低下すれば、やる気は大きく減退し、業務が正常に処理できなくなり、業績が悪化することになります。

結果、事業維持を図るために、改善して再生するための資金繰りであったはずが、経営破綻につながるということになるのです。

従業員の給料に手を付けて、資金繰りを確保するというのはリスクが余りにも大きすぎるということになります。

したがって、本来、資金繰り確保のために、給料に手を付けるべきではないのですが、一時的な資金繰り対策のためなどで、どうしても給与を遅延するなどして手を付ける必要がある場合は、先に結果について検討をしてみてください。

従業員の給与を遅延などさせて、資金繰り確保することで、事業について結果を得ることが出来るのかの確認になります。

資金繰り悪化が一時的なものであり、その先に再生の可能性があるのならば、その対応は選択肢になるのかもしれません。

しかし、慢性的な悪化で、再生の目途も立たない状況であるならば、従業員の給与を遅延させるなどで凌いでいる場合ではないでしょう。

もっと大局的な、経営判断が必要とされる場面だと思います。



賞与減額や昇給停止などいった、経営危機での初期の労働債務の圧縮対策においても、信頼とモチベーションの確保は不可欠な対応となります。 

正しい経営状況を説明し、従業員の理解を得たうえでの取り組みにすべきですし、その後も、 常に経営情報を発信し、コンセンサスを得る努力が必要です。

したがって、従業員の給与を遅延させるなどする場合も、その理由と今後の経営について明確に伝え、理解を得ることを忘れないでください。

給与の遅延などが、一時的なものであることを前提に、『申し訳ない』という経営者の気持ちを伝えることも大事でしょう。

そして、その時には、遅延期間を明確にし、短期にする努力も実施してください。

生活が困窮する従業員を出さないことは当然のこと、常態化は絶対に避ける必要があります。

常態化するぐらいなら、倒産した方が良い結果につながるといって過言ではありません。



従業員の給与などに手を付けるにしても、対象は限定したいものです。

役員や幹部などだけを対象にすれば、信頼やモチベーションの減退といったリスクは大きく減少します。

それでも、給与関係のカットや遅延は、影響やリスクが大き過ぎる手段だといえるでしょう。

資金繰り対策としては、他の手段を優先すべきだと思います。




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今、損益分岐を見直す・・・


中小事業者として、もしも、経営に悩んでおられたら、無条件で取組んでみることをお勧めいたします。

こんなコロナウイルス環境だからこそ、経営指標の基本である損益分岐点を再確認し、有効に活用する意味は大きいといえるのです。

経営面での構造が激変した、今、経営面での数値をチェックし直すことで、様々なことが見えてきます。

その取り組みの結果は、事業者の悩みの解決に向けて、根拠をもって、ベストな方向性へと導いてくれるでしょう。



何もかもが不確かなコロナウイルス環境だからこそ、根拠を明確にして、経営に取り組む必要があると思います。

あるご相談者は、売上目標を、根拠をもって設定するために、指標として損益分岐点を活用されました。

ところが、損益分岐点を超える売上を確保しているのに、資金繰りは不足し経営はとても厳しいのです。

この現実に、経営者は頭をひねっておられますが、当然のことだといえるのです。

損益分岐点は、資金繰りと連動したものではなく、本業の利益を確保するための計算手段だといえます。

これは、判っているようで判っていない財務のマジックだといえるのかもしれませんが、このマジックを解決して、損益分岐点を資金繰りと連動したものにすればどうなるのでしょうか。

計算としては、それほど難しくなるものはありませんが、導き出された答えは、厳しい経営に悩んでいる経営者にとって、凄く参考になる数値だといえるのです。

我々は、この資金繰りをベースとした損益分岐点を『資金繰り分岐点』と呼んでいますが、この数値は、様々な現実と可能性を経営者に教えてくれます。



損益分岐点とは、どれだけの売上を確保すれば、利益を確保することかできるのかという境目になる金額のことです。

売上高と費用が同じ金額で、売上高=費用が損益分岐点ということになります。

そして、利益=売上高-費用ですから、売上高>費用であれば黒字、売上高<費用であれば赤字ということになるのです。

固定費と変動費をベースに計算し、

  損益分岐点 = 固定費÷{1-(変動費÷売上高)}

という計算式で計算されます。

通常は、営業利益を基準としたものになり、本業において利益を確保するための必要売上高を求める計算式ということなのです。

これが、損益分岐点なのですが、現実の経営においては、これだけでは不足をすることになります。

何故なら、利益には、売上総利益,営業利益,経常利益,税引前当期利益,純利益があり、
                売上高 – 原価 = 売上総利益
              売上総利益 – 販管費 = 営業利益
      営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用 = 経常利益
      経常利益 + 特別利益 – 特別損失 = 税引前当期利益
         税引前当期利益 – 税金 = 純利益

それぞれの利益は、上記の様になります。

本来の損益分岐点である営業収支で黒字を確保(営業利益)していても、その後の営業外収支や特別損益などを計算に入れなければ、資金繰りに連動していないことになります。

そこで、資金繰り分岐点を算定するにあたり、以下の点について考慮する必要があります。

・ 減価償却費については、費用ではなく売上として考慮する  ・・・

・ 営業外収支や特別損益で、定期的に発生する固定的な項目は考慮する・・・副業的収入や支払利息等  ・・・

・ 変則的に発生する営業外収支や特別損失については、考慮しない  ・・・

・ 元本返済などについては、固定費として計上する  ・・・

上記を考慮して、資金繰り分岐点を算出する計算式は、

  資金繰り分岐点 = 固定費÷{1-(変動費÷売上高)}

  ※ 固定費に、支払利息や元本返済を含む
   ※ 売上高に、,慮魂曾却費や△亮入を含む

となり、元本返済までをも考慮した、資金繰りベースの損益分岐点を算出することが出来ます。

これを活用すれば、資金繰りを確保するための売上高が、条件次第で算定が可能となります。



この非常識なコロナウイルス環境においては、今後の展開を読み取るうえで、資金繰り分岐点の活用が今まで以上に効果的になると思われます。

経営環境は、大きく変化しており、今までの感覚は通用しなくなっており、コロナウイルス騒動が終息し、経済が回復に向かっても、経営環境が元の状況に戻ることなどあり得ないでしょう。

そんな環境で、経営的判断を必要とされるとき、何を根拠に判断をすればいいのでしょうか。

事業の維持や経営の継続についての判断は、全て最終的には資金繰り次第だといえます。

しかし、売上がどうなるかなど予測もできず、その資金繰りが計算しにくい環境なのです。

そんな時は、資金繰りを確保するにはどの程度の売上が必要であり、その売上確保が可能かどうかという、逆転的な考え方が効果的なのだと思います。

資金繰り分岐点を算出し、その売上が確保できるかどうかの判断をするのです。

売上確保が可能であれば、事業の維持や経営の継続は可能という判断になるのです。

もしも、売上確保が難しいということでも、固定費の削減や変動費の圧縮により、必要な売上が圧縮できるかもしれないのです。

根拠のない売上予測を立てて資金繰り表を作成するよりも、根拠のある必要売上を目標にして検討した方が、具体的な判断ができるのは間違いないでしょう。

資金が足らないというネガティブな状況ではなく、これだけの売上を確保するというポジティブな姿勢で取組むことで、結果は大きく変わってくるのではないでしょうか。



通常の損益分岐点と、資金繰り分岐点を出すことで、色んなことが見えてきます。

さらに、様々な条件付けをして計算することにより、借入金の返済や事業継続の可否についても、シミュレーションして判断することが可能になるのです。

コロナウイルスという外因で、突然に多くの金融負債を背負わされた若手経営者には、是非、資金繰り分岐点などを活用して、事業継続の悩みを解決すべく取り組んでいただきたいと思います。

最善で、納得できる方向性が、見いだせるのではないでしょうか。



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今を、勘違いしない・・・


今まで以上の勢いと強さで、コロナウイルスの第5波が押し寄せています。

ワクチン接種が随分と進んだはずなのに、この第5波は、どうも合点がいきません。

そして、ワクチン接種の進捗と共に、感染は縮小し、経済も回復するだろうということでしたが、これも不確かな話にしか思えなくなってきました。

それなのに、まだまだ不透明感の続く経済環境において、株式などの投資が元気なのも不思議です・・・。



この環境で、積極的に投資をされている方の話を、耳にすることが多いようです。

たしかに、景気の底打ち期が、投資の格好のチャンスであることは間違いありません。

そして、ワクチン接種が随分と進み、これで感染は縮小し、経済も回復するだろうということですから、絶好の機会だといえるのかもしれません。

しかし、経済の実態は、そんな生易しい環境ではなく、まだまだ景気は低迷を続ける状況ではないでしょうか。



大きな勘違いをしようとしているのかもしれません。

経済のルールが適用しない、コロナウイルスという異常環境下において、正しい答えなど簡単に見つかるはずがないということに、これだけ翻弄されても気づいていないのでしょう。

世界的に経済が低迷する環境において、人々は投資の手を緩めようとはしない。

本来、下落しなければならない株価のはずが、一進一退はあるものの、投資の勢いが衰えようとはしていません。

不動産においても、頃合いを見図る動きを前提に、投資対象として市場は動いているのです。

経済が低迷すれば、金融関連投資も低迷し、株価も不動産も下落するというのが経済の原則であり常識であったように思います。

あのバブル崩壊やリーマンショックによる大不況も、その経済原則に則った動きを明確に示し、踏み外すことはありませんでした。

しかし、このコロナウイルス感染による経済低迷は、景気と投資が全く連動していないという、信じられないような状況になっています。

今、それほど、異常な経済環境になろうとしているのかもしれません。



それでも、ワクチン接種が順調に進めば、コロナウイルス危機は収束するのでしょう。

予防や治療法のないコロナウイルスだから、これほどの大混乱になっているわけであり、ワクチン接種が進めば終息に向かうのは当然だといえます。

ただ、ここで大事なのは、コロナ騒動の終息と、景気回復は一体ではないということです。

コロナウイルスが、世界景気を悪化させた原因であることは、厳然たる事実だと思います。

しかし、昨年初頭からの景気悪化についての原因はそれだけではなく、様々な要因が存在する中で、タイミングが合ったせいでコロナウイルスが全ての原因だとされてしまっています。

日本国内に限定すれば、一昨年の消費税増税直前から景気は低迷をはじめていました。

それが、年を越えて悪化が顕著になる直前に、コロナウイルス感染が拡大し、景気が一気に悪化したというのが現実です。

世界的にも、アメリカや中国という経済大国の景気が低迷期に差し掛かっており、何よりもドイツを中心とするEU圏は、金融を根本から揺るがすほどに経営環境は変化していました。

まさしく、これから景気が本格的に悪化するというタイミングで、コロナウイルス感染が拡大したといえます。

そして、コロナウイルスの感染拡大が、都合よく、この景気悪化の原因とされたのです。



それだけではありません。

実は、景気に悪影響を与えるかもしれない、もっと大きな問題が発生するかもしれないのです。

2008年9月15日に発生した、リーマンショックを覚えておられる方は少なくないと思います。

米国の大手投資銀行であるリーマン・ブラザーズの倒産が引き金となり、世界を巻き込む大不況が発生したものですが、その原因はサブプライムローンの破綻・不良債権化にあります。

サブプライムローンとは、アメリカの信用力の低いサブプライム層を対象として、彼らの住宅購入用途向けのローンのことになります。

信用力の低い融資を可能にしたのは、担保として購入する住宅に抵当権を設定し、抵当権の付いた住宅ローンをCDO(債務担保証券)という証券化商品として、市場から資金を集めることができたからです。

抵当権があるとはいえ、信用力の低い融資の証券化商品ですから、当然に高いリスクがあることが分かっていたはずなのですが、リーマンショック前には100兆円を超えるほどのサブプライムローン残高になっていました。

そして、予想されていたように、当たり前の如くサブプライムローンの債務不履行が発生し、リーマンショックが発生したのです。



現在、同じ様なことが、同じアメリカで発生するかもしれない状況になっています。

サブプライムローンのCDO(債務担保証券)は住宅を購入した個人が融資対象ですが、法人を融資対象としたCLO(ローン担保証券)という証券化商品があります。

どちらも多くはアメリカで作られた商品であり、高リスクという共通点があるといえます。

このコロナウイルス感染の経済環境では、一部の優良企業を除き、ほとんどの法人は業績を悪化させておりますから、CLO(ローン担保証券)が不良債権化しても何ら不思議ではない状況だといえるのではないでしょうか。

そして、CLO(ローン担保証券)は、今、80兆円を超える残高になっています。

さらに、そのうちの18%は、なんと日本のメガバンクなどが投資しており、農林中金は5兆3000億円以上も投資しているというのです。

低金利の続く日本ですから、金融機関がハイリターンの投資をするのは仕方がないのかもしれませんが、ハイリスクでもある投資だといえます。

いやいや、CLOは法人が対象の融資だから、サブプライムローンとは違い、連鎖的に破綻が発生する可能性は低く、それほど心配する必要ないという専門家も少なくありません。

しかし、彼らは、大きなことを忘れているのではないでしょうか。

誰も経験したことのない、コロナウイルスによる展開の予想できない環境であり、比較の仕様のないほどの不況に陥っているという事実を・・・。



コロナウイルス感染という異常事態は、経済を狂わせ、景気を勘違いさせているのかもしれません。

構造的に景気が低迷しているという現実を、コロナウイルスが覆い隠してしまっているといえます。

したがって、コロナウイルスが終息したからといって、景気が回復するわけではありません。

むしろ、コロナ終息後、本格的な経済停滞が始まるといえるのではないでしょうか。

けっして、ローリスクでハイリターンの投資が存在するような環境ではないといえるでしょう。



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