中小零細企業の経営者にとって、自宅は心のオアシスです。
特に、経営が厳しい状況にあれば、唯一、自宅だけが自分を取り戻せるスペースになりますから、どんな経営状況であろうとも自宅だけは守りたいものです。
しかし、経営する会社が破綻すれば、その連帯保証をしている代表者の自宅は、当然に会社の負債を弁済するために処分されてしまい、守ることなど不可能な様に思いますが、それは諦めが早すぎるのではないでしょうか。
どんなに厳しい状況になろうとも、自宅を守るための方法があり、守り活用できる可能性が存在するのです。
経営危機という環境では、一度、諦めてしまえば、全てが終わってしまいます。
後日に後悔しても、諦めたものは戻ってこないのですから、何か守る方法はないのかという強かな視点で対応をするべきなのです。
自宅についても、経営者は妙な潔さを発揮され、『経営者の責任として、自宅を諦めるのは当然・・・』という考えを持たれる傾向がありますが、これも正解だとは思えません。
多くの場合、その潔さを、後悔されるようになるからです。
その時は、なにも判らず、諦めるしかないと思っておれたのですが、事態が進み状況が見えくると、自宅を諦める必要など無かったことに気付かれ、後悔をされる経営者は珍しくありません。
自宅は、特に、守ることに固執すべき資産だといえるのです。
自宅を守る方法は、様々に存在します。
当然に、早い時点で着手すれば、選択肢は多くなりますし、高い効果を期待できるようにもなります。
着手が遅れたとしても、何らかの方法は存在しますし、活用という点で捉えれば最後まで利用できるのです。
自宅を守るための、基本的な考え方をご説明すると、資産を予防的に保全する3原則を活用することから始まります。
1. その資産を知られない
その資産の存在が知られなければ、資産に対して強制執行はできません。
2. その資産の名義が違う
その資産の所有権が違えば、資産に対して強制執行はできません。
3. その資産に価値がない
その資産に価値が無ければ、強制執行をしても意味がありません。
この3原則を様々に活用して、自宅の保全を図ることになりますが、これらの対策を実施することにより、詐害行為と間違われて追及を受けることがあります。
たしかに、自宅などの資産を保全するというのは、強制執行されない様にすることになりますから、詐害行為と間違われる可能性はあるのです。
しかし、詐害行為がどの様なものかを十分に理解し、間違って追及されない様にして、前向きに自宅を守るようにすることが大事なのではないでしょうか。
詐害行為と間違われるのが嫌で躊躇すれば、まず自宅は失う結果になるでしょうから、躊躇する必要などはないと思います。
詐害行為の要件をしっかりと理解し、十分に根拠をもって対応することで、追及を受ける可能性は減少します。
もしも、詐害行為だと疑われるのなら、裁判で取消請求をしてくればいいのであり、その裁判で詐害行為でないことを立証する準備をしておけばいいのです。
自宅を守れる可能性があるのに、不確定な詐害行為を恐れて守らないのは、人生と将来の放棄だともいえるのではないでしょうか。
また、詐害行為取消請求権にも時効があります。
その行為をしてから、20年で取消請求権は時効で消滅しますし、債権者がその行為の事実を知ってからは、2年で消滅するのです。
したがって、詐害行為だと追及を受けないためには、守るという保全の行為を出来るだけ早く実施することが重要になります。
そして、詐害行為の取消請求は、それほど多くないのが現実です。
専門家に相談すると、詐害行為は頻繁に追及される様な話をされますが、実際は想像されるよりも少ないと思います。
私のコンサルティングの事例においては、ご相談者で詐害行為の取消請求をされてしまった方はありません。
詐害行為を回避しているわけではなく、どちらかというと詐害行為をお勧めしているようなコンサルティングですが、詐害行為の理屈を十分に理解し、しっかりと対策を施すことで追及を回避出来ているのです。
現実として、自宅の保全に関わらず、詐害行為を追及するのは簡単ではありません。
それなのに、最初から、詐害行為を恐れ、自宅を諦める経営者は少なくないのです。
自宅は、今後の人生を考えれば必要な資産なのですから、十分に詐害行為を理解したうえで、追及を受けないように配慮し、自宅の保全を優先させるべきではないでしょうか。
次回は、具体的な、自宅を守る方法をご紹介いたします。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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