経営危機を打開する場面において、第2会社は欠かすことのできない選択肢になります。
再生を目指すにしても、整理をするにしても、事業を維持するという点において、第二会社は極めて有効な手段になるからです。
同時に、経営者の生活の維持と安定を考えた場合も、生活の糧を得る手段として、第二会社があれば様々な対応が可能になるのです。
第2会社は、昔からも使われてはいましたが、バブル崩壊後の不良債権処理とともに多く活用をされだしました。
合法か非合法か関係無く、現経営の悪化にともない、現会社とは別に会社を設立し、現在の事業や資産を承継させて別形態で経営を維持しようという方法です。
多くの場合、現会社の債務をどうするかという問題があり、合法という面からは新会社への債務承継もしくは債権者の同意が前提となっており、簡単で効果的な活用は難しいのが現実でした。
ところが、会社法改正による新設分割 (現会社を分割し、新会社を設立し事業を承継するという方法) により、一定の要件を満たせば、債務の承継については経営サイドの判断が可能になり、債権者の同意をとる必要もなくなったことにより、この新設分割が多用されるようになりました。
ところが、新設分割の一定要件を満たすには、最低でも6ヶ月(閲覧期間)という長期間が必要な事と、弁護士や公認会計士といった専門家に依頼しなければならないために、何百万円という高額な費用が掛かり、まだ余裕のある会社しか活用できないという方法でもありました。
さらに、一昨年に、新会社の債務引き受けに関して、新設分割でも詐害行為だという判決が出たため、合法的な第2会社としての意味合いが薄れてしまったのです。
資金繰りが悪化した追い込まれた状況で、多くの会社は新設分割を活用する余裕などは無いのが現実で、無駄な時間や費用などは掛けられません。
したがって、非合法ではないという根拠で、全く人格が別の会社を設立し、出来るだけ抑えた手間暇を掛けてその新会社に事業や資産を移管するという、合理的な任意の第2会社方式を我々は活用しているのです。
非合法ではないという根拠は、別の機会にご説明をさせていただくとして、人格が別であるというのは。この第2会社方式を成功させる前提となります。
『名称』,『所在地』,『資本』,『役員』という4点について、現会社と重複させなければ、関連会社という主張など通じるはずの無い別人格の新会社になるのです。
債権者側にとって、債務者と人格が別の会社に対して、債務の追及や詐害行為の取消請求など簡単にできるものではありませんし、得か損かの判断基準を持つ金融機関にとって、無駄になる可能性が高いというリスクは冒したくないというのが本音でしょう。
ただ、この第2会社方式にも、活用するには最低限の期間が必要になってきます。
第2会社を設立して活動し始めてから、現会社が金融事故になるまで、最低でも3カ月は必要ではないでしょうか。
この期間が確保できずに第2会社を活用すれば、債権者との間で、詐害行為の取消請求を中心に様々な問題が噴出する可能性が高いのです。
したがって、この最低限の期間が確保できない場合は、第2会社方式も諦めるしかないという状況だったのです。
ところが、面白い方法が見つかりました。
バーチャル店舗です。
これは小売業しか対象になりませんが、今流行りのネット上のバーチャルな店舗になります。
第2会社方式の様に、会社を設立する手間暇も無く、詐害行為の取消請求を回避するための期間等も必要無く、極めて簡単に開業できて、早い段階から売上も期待できるという有難いシステムなのです。
昨年の秋に相談に来られたカジュアル衣料の小売業者さんなどは、それから一ヶ月ほど後に会社を整理されたのですが、整理までにこのバーチャル店舗を開設し、今は、多くはありませんが安定的に売上を確保されています。
このバーチャル店舗は、ある意味、第2会社の理想形でもありますから、今後、新しい方法として小売業を中心に活用されていくと思います。
ただ、留意していただきたいことがあります。
以前、バーチャル店舗を運営するご相談者が急増した時期が有り、このブログで、バーチャル店舗の悪口を書きました。
サイトの順位をアップさせてネットユーザーの目に留まるようにするため、販売促進関連費や販売コンサルタント費、更には広告費などの名目で、膨大な費用を掛けなれば売上は期待できません。
ところが、ご相談者の状況から、小規模事業者においては、バーチャル店舗の運営に費用を掛けても、黒字を確保するのは極めて困難というのが、楽天市場の現実だったのです。
そう、当時のご相談者に共通するのは、全てが楽天市場でバーチャル店舗を運営しているということでした。
今回、お勧めしているバーチャル店舗は、当然に楽天ではありません。
ほとんど費用が掛からず、早い段階で売上が期待できるという、アマゾンにしてくださいという事です。
誓って、私はアマゾンからの廻し者ではありませんので、ご興味のある方は、是非、『アマゾンのFBA』
を調べてみてください。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
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トップ経営研究所 ホームページ
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