74歳の社長が経営される会社は、設立48年を迎え、官公需工事をメインとする建設業です。
会社としての経歴は長くて工事実績も豊富で、経営事項審査の評点も高くて入札ランクも高いのですが、後継者がおらず、社長も最近は体調が本調子ではなく将来に不安を持っておられます。
金融機関からの借入れは多く、一括で弁済できるだけの資産もなくて、後継者も見つからないこの状況において、最終的には破産を選択するしかないのかと悩んでおられます。
そんな無用な心配などする必要はありません。
借り入れなどの負債を承継せずに、経営事項審査の評点を承継する方法がありますので、スムーズな事業承継は可能なのです。
今、中小企業の事業承継問題が、大きな社会問題となっています。
息子などの後継者候補が、父親の事業を承継するのが当たり前でなくなり、外部に後継者を探そうとしても簡単にはいかない状況です。
今まで頑張ってきた番頭さんに譲ろうとしても、様々な障害が存在し上手くいきません。
ほとんどの中小企業は大きに借入金を抱えており、事業を承継すれば、借入の連帯保証人も承継しなければなりませんし、そこから派生する資金繰りの苦労は並大抵ではないでしょう。
この現代、そこまで苦労のリスクを背負って、経営者になりたいという方は少ないのだろうと思います。
当然、相対的な人手不足の問題もあるでしょうが、やはり中小企業の経営という責任の大きさとリスクが、事業承継問題の原点だといえるのでしょう。
戦後、ここまで日本経済を復興させたのは、日本独特の中小企業のパワーではないでしょうか。
中小企業は、日本経済の根幹をなすもので、世界に誇るべき、技術や実績を持っており、それぞれの中小企業が、独自の土壌の中で、熟成された技と経営を身に付け、ここまでに至りました。
中には、なかなか取得することのできない許認可を習得して事業を展開している中小企業も少なくありません。
代表的な建設業でいえば、建設業許可は当然のこと、官公需工事を受注するための経営事項審査などがあります。
この建設業の経営事項審査は、官公需の発注に対しての入札資格を決定するもので、過去の工事実績や経歴や財務内容により評点が付けられます。
そして、その評点によってランク分けされ、入札に参加できる工事の大きさや金額も決定されることになります。
いくら実力と資金があったとしても、経歴が新しければ高い評点を得ることはできず、自然とランクも低くなり、大きな工事に応札は出来ません。
官公需を中心とする建設業にとっては、この経営事項審査の評点は、極めて重要な事業ファクターだといえるのです。
建設業者にとって、高い経営事項審査の評点は、貴重な財産だという事になります。
しかし、いくら経営事項審査の評点が高く、入札のランクも高いといっても、借金が多くて資金繰りが厳しければ、誰もその会社を承継したいとは思わないでしょう。
その経営事項審査の高い評点や、高い入札ランクを欲している企業があったとしても、借金の存在を知った段階で、手を引いてしまうのではないでしょうか。
多くの専門家や、経営者は、このような状況の場合、何とかしたいと思いながらも、最終的に破産を選択するしかないというのが実情ではないでしょうか。
しかし、借金が多い中小企業の、経営事項審査の評点などを譲渡する方法は存在するのです。
会社分割を活用すれば、借金の過分な負担を背負わずに、経営事項審査の評点などの優位な資産を譲渡してもらうことが可能になります。
平成10年代後半にも、この会社分割を活用した事業譲渡や事業再生は、一時期、流行りそうになっていました。
しかし、選択した手法が、債権者保護手続きをしないという前提の対応であったため、債権者から詐害行為として取消請求をされて、最高裁において詐害行為であるとされたのです。
それ以降、この手法は一気に沈下し、活用されることが極端に少なくなってしまいました。
この活用が失敗した理由は、債権者を巻き込んだ会社分割にしなかったことです。
会社分割をした方が、債権者金融機関も最終的には得になるということが判っていても、債権者として相談を受けなかったことにより、損するのが判っていても詐害行為として追及するしかなかったのでしょう。
この反省に立てば、明確な解決策が見えてきます。
一定の環境を構築し、債権者を巻き込んだ会社分割にすれば、借金の過分な負担を背負わずに、経営事項審査の評点などの優位な資産を譲渡してもらうことが可能になるという事なのです。
最近は、様々な事業再生や事業承継の手法が、確立をされてきました。
しかし、許認可や資格の必要な業種や商圏に特異性のある業種においては、それらの手法を活用しても、なかなか難しいというのが現実です。
その中でも、最も承継が難しいといえる建設業においても、会社分割を効率的に活用すれば、効果的な事業再生や事業承継も不可能ではなくなります。
知らずに諦めれば破産し、知ってチャレンジすれば再生できる・・・という事になるのでしょう。
詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
↓
トップ経営研究所 ホームページ
↓ランキングです クリックして応援してください
人気ブログランキングへ
ランキングです クリックして応援してください
↓