かっとばせ借金 打ち勝て倒産!!

資金繰りが悪化した中小零細企業の、経営危機打開や事業再生へ向けてのお手伝いをさせていただいています。 経営危機場面での知識や情報をご提供し、従業員や家族のために命がけで闘う経営者が、諦めずに闘う現場を善戦苦闘日記としてご報告いたします。

2014年10月

詐害行為を見つめ直す・・・


詐害行為とは・・・。

この仕事をしている以上、常に頭に入れておきたい言葉です。

経営危機に陥った経営者が、次の人生を確保するため、事業の維持や生活の確保に必要な資産を守ろうとされるとき、詐害行為について十分に理解しておく必要があります。

会社再生を目指すときや、経営危機を打開する場面において、この詐害行為の意味をはき違えた対応をしてしまえば、守れるはずの貴重な資産を喪失するようなことになってしまいます。

そんな詐害行為について、一度、じっくりと見直してみたいと思います。



詐害行為とは、『債務者が債権者を害することを知りながら、自己の財産を減少させる法律行為のこと』です。

これでは、何の意味か判りにくいので表現を変えてみると、『お金を支払う義務のある債務者が、お金を請求する権利を持つ債権者が損をすることを承知のうえで、債務者が所有する資産を消失させること』となります。

しかし、これでも判りにくいので、具体的な表現を使えば、『債務を返済出来にくい状況になった債務者が、所有する資産を、債権者が債権回収の手段として差押え等が出来ない状況する』という事になります。

たとえば、債務超過に陥って経営状況の悪化した債務者が、他に債務弁済に充当する資産もないのに、差押えによって債権を回収されないように、残された貴重な資産を他人に贈与したりして、差押えを出来なくしたり、差押えをしても価値がない状況にすることを、詐害行為ではないかと表現するのです。


詐害行為ではないか・・・というのは、詐害行為だと決定するのは、裁判の判決においてだからです。

専門家や金融機関などが、『それは詐害行為だから・・・』と簡単に言いますが、詐害行為かどうかを判断するのは裁判の判決であり、判決が出るまでは詐害行為の疑いはあっても、詐害行為ではないということです。

したがって、『詐害行為ではないか?』と、金融機関などが疑問を感じたら、詐害行為の取消権を実行することになります。


詐害行為取消権とは、債務者の詐害行為ではないかと思われる法律行為を、債権者が一定の要件の下で取消してしまうことが出来る行為のことです。

そして、この一定の要件というのが重要であり、詐害行為取消権を行使しようとする場合に満たす必要が以下のようになります。

債権者側に求められる代表的な要件

  1. 債権回収が担保されていない被保全債権(被保全債権とは、金融機関の場合は債務者への貸付金等)      は、原則として金銭債権。

  2. 被保全債権は、詐害行為と思われる行為よりも前に成立している。


債務者側に求められる代表的な要件

  1. 債務者が無資力(具体的には債務超過)であること。
      詐害行為をした時だけでなく、取消権を行使した口頭弁論終結時においても無資力であることが求め      られる。

  2. 債権者を害することを知りつつ行なわれたもの。

これらの要件を満たすと、詐害行為として扱われる可能性が発生しますが、全てが詐害行為となるわけではありません。

同じような債務超過でなされた行為でも、状況により詐害行為とされたり、詐害行為とされなかったり、
その判断の具体的な内容は一定ではないようなのです。


ここまでまとめると、詐害行為を理解するのが逆に難しくなってしまいますので、次の二点に集約して詐害行為を確認してください。

  1. 無資力(債務超過状況)でなされた行為。

  2. 権利・資産の譲受人が、債務者の詐害の意思を知っていた。

この2点が満たされれば、詐害行為と判断される可能性が高いという事になります。

逆に言えば、債務超過ではない状況でなされた行為は詐害行為ではなく、譲受人が債務者の詐害の意思を知らなければ、取消権の実行は難しいという事です。

それでも、もし、詐害行為だと裁判所の判決が出て、正式に詐害行為だと認定されれば、その行為を取り消さなければなりません。

詐害行為とされた行為を、それ以前の元の状況に復すということで、詐害行為の追及は終わるという事になります。


以上が、経営危機に陥った経営者が、知っておきたい詐害行為の基本となる知識です。

では、現実的に、詐害行為はどの様に追及をされているのでしょうか。

次回は、実際に詐害行為の取消権を請求された事例や、債権者が追及することが出来なかった事例をご紹介したいと思います。


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安倍政権以降、スクラップが急増・・・


この仕事を始めてから、新聞記事の切り抜きを続けています。

仕事に関する、経済の主だった動きを中心にスクラップしてまとめているのですが、私にとっては貴重な宝物です。

時折、過去の新聞記事のスクラップを読むと、経済の動きの不思議さに触れることができます。

経済が動かない時はスクラップが少なく、経済が動く時はスクラップが増えるのは当然のことです。

民主党政権の後半は、極端にスクラップした記事が減っています。

しかも、停滞している経済に関する記事ばかりで、ほとんど景気回復を諦めていたような時期だという事が判ります。

ところが、安倍政権になってから、記事の内容は大きく変わり、スクラップ量が激増していきます。

安倍さんが総理になり、政権を担当してから景気は動き始め、アベノミクスの下で、何年振りかの景気回復を感じさせています。

そう、バブル崩壊以降、約20年振りともなる景気回復に、消費の意欲も向上し、世の中はアベノミクスに踊らされるようになったのでした。

今、このアベノミクスの2年間ほどの新聞記事のスクラップに、落ち着いて目を通してみると、その実態を見つけるのは難しくありません。

特定の一部を対象とし、一定方向だけ向いた異常に偏った経済政策が、三本の矢という言葉に誤魔化されて実施されているのです。

    • 大胆な金融政策
    • 機動的な財政政策
    • 民間投資を喚起する成長戦略

覚えておられると思いますが、この3本の矢という政策コピーにより、様々な施策が実施されるのですが、結局のところはインフレ誘導と円高の是正のみが突出しています。

結果として、異常ともいえる政策的な円安が、長年に亘り経営改善が具体化出来なかったグローバル大企業の経営を、画期的に改善させたのです。



しかし、ローカルな中小零細企業にとって、このアベノミクスは何の意味も持ちません。

逆に言えば、経営環境を極端に悪化させた政策でしかないのです。

このことは、最近になり、各種マスコミなども触れるようになってきましたが、事はそんな簡単なものではありません。

消費税増税が追い打ちをかけ、ローカルな中小零細企業を、想定以上のひどい状況に追い詰めています。

建設業などが、その代表と言えるでしょう。

  仕事は忙しい・・・
  お金は回っている・・・
  だから、儲かっている・・・と、勘違いしている建設業が多いようなのです。

発注単価は変わっていないのに、円安,原材料高,燃料費の高騰,人件費の高騰という要因で、原価が大幅に上昇し、利益を抑圧してしまっています。

今日の受注が、明日の赤字を生んでしまうという状況に陥っているのです。

これから、その現実が、見えてくるのではないでしょうか。

そう、年末から年初ぐらいから問題化し、年度末頃には、中小零細企業の倒産が激増すると思います。

これが、日本経済の実態であり、アベノミクスは、とんでもなく無責任な経済政策だったのかもしれません。



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破産しかない、という判断・・・?

資金繰りが悪化し、経営の先行きに暗雲が立ち込めると、経営者には『破産』という言葉が脳裏をかすめます。

資金繰りが破たんし、経営の継続が不可能になると、破産を選択するしかない状況だということなのでしょう。

しかし、現実は、経営破たんとなって、倒産として扱われるようになるだけです。

それを破産と言うのではと思われる方もおられるでしょうが、経営の継続が不可能になると勝手に破産をするものではなく、申し立てによってなされる法的な整理の手続きが破産なのです。

当然に、倒産と破産と同義ではなく、破産は倒産の一部だということができます。

ただ、倒産には、正式な定義づけがなく、リサーチ会社などは、それぞれの会社で定義づけをしているのが実態です。

ウィキペディアでは、倒産について明確な定義はないが、概ね、個人や法人などの経済主体が経済的に破綻して弁済期にある債務を一般的に弁済できなくなり、経済活動をそのまま続けることが不可能になること(さらには、そのようなおそれが生じること)をいうと、定義づけしています。

そして、具体的な倒産の事例として、東京商工リサーチは以下の基準を設けています。

  1. 6か月以内に2回目の手形不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けたとき
  2. 裁判所に以下の法的整理手続の申立てをしたとき
     会社更生法に基づく会社更生手続
      民事再生法に基づく再生手続
     破産手続
     特別清算
  3. 任意整理(私的整理、内整理)を開始したとき

上記の様な基準を設けていますが、倒産とは事業の継続ができない状況になるということですから、休眠や清算の着手、さらには事業の放置なども『倒産』に含まれると思います。

経営の先行きに暗雲が立ち込めて、脳裏をかすめるのは、『破産』ではなく『倒産』だというのが正しいのでしょう。

経営が破たんすると、破産を選択するしかないと一般的に思われてはいますが、現実には、破産以外にも様々な選択肢があるという事になります。

したがって、『倒産』をするにしても、それぞれの選択肢の長所と短所を十分に理解し、選択することが必要になります。



破産を考えた場合、その代表的な長所としては、全てを裁判所の手続きに任せ 借金などのほとんどの債務が免責により無くなるということでしょう。

逆に、短所としては、経営者としての意向を何ら反映させることができず、ほとんどの保有資産が失われるという事になるのでしょう。

資金繰りに四苦八苦してきた苦労から、破産を選択することにより一気に解放されるというのは、選択を考えるうえで大きいでしょう。

しかし、経営者の責任としてはどうなのでしょうか。

たしかに、主債務者である会社や、保証債務者である経営者は、破産により負債の問題は解決しますが、それにより、他の連帯保証人は白日の下に引き出され、貴重な資産を失う状況になるかもしれません。

従業員も、仕事を失い、子供の教育費なども払えなくなり、路頭に迷うかもしれないのです。

仕入れ先業者などは、ほとんど配当も受けられず、連鎖倒産をする可能性も低くないでしょう。

経営者は破産を選択することにより、資金繰りなどの厳しい環境から逃れて安全圏に入ることができますが、それと引き換えに、関係者が厳しい環境におかれることになるのです。

経営者としての責任を考えると、本当に、これで、いいのでしょうか。

経営危機に陥った経営者に、多くの専門家は、無条件で破産を勧められますが、それは専門家の業務としてで、本当に相談者の将来を考えてのアドバイスではないように思います。

経営者に向うにある、連帯保証人や従業員、取引業者のことまでは、なかなか考えてはくれません。


経営危機に陥った場合、たしかに、『破産』は重要な選択肢の1つではあります。

しかし、破産ありきではなく、破産以外にも多くの選択肢があるということは認識してください。

そして、最後まで、経営者としての責任を根拠に、何を選択すべきなのかと考えいただきたいと思います。

この最後のひと踏ん張りが、経営者を信頼して引き受けた保証人さんや、長年に亘り経営者と一体なってきた従業員や取引先の将来を救うことになるかもしれないのです。

そして、何よりも、経営者自身の人生を確保することになるでしょう。


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理論と実践のギャップ・・・


もう何年になるのでしょうか。

経営危機に陥り、四苦八苦しながら資金繰りの算段をし、経営を維持するために持てる力の全てを費やしていました。

30歳代の後半から40歳代前半にかけての、5年間ほどの期間、資金繰り対策で精神的に追い込まれながら、何とか経営危機を打開しようと前向きに努力したのです。

どうすればいいのか判らず、本屋に足を運んで関連する書籍を探したのですが、当時は経営危機打開や会社整理,債務整理に関する書籍は売っていません。

仕方なく、金融機関などの債権者の対応を知ろうと、債権回収に関する書籍を購入しました。

当初は、聞いたことも無いような難しい単語が並び、理解するどころか読むのさえ大変な状況です。

それでも、時間を掛けながら読み進むうちに、大きな流れは掴むことができるようになります。

何冊か読みこむと、債権回収の技術的なものはおおよそ理解できるようになりましたが、未だ何かが足りません。

多分、債権回収については、それなりの知識や技術が身に付いたはずなのですが、債権債務処理というテーマで考えると、まだ勉強不足の様なのです。

さらに、数冊の債権回収に関する書籍を、しっかりと読み込みました。

それでも、答えを見つけることはできません。


債権回収をするための方法については十分に理解できたのですが、じゃあ、債務者がどういう対応をすればいいのかという、求めている答えが見つかりません。

多分、金融機関の債権回収に関する、具体的な対応方法については理解出来たのでしょうが、それに対して、債務者として、どの様に対応すればいいのかが判らないのです。

そして、この答えは、とうとう自分で見つけることは出来ませんでした。


その答えを導いていただいたのが、私の師匠である小口先生なのです。

それは、けっして難しい事ではありませんが、目から鱗が落ちるという内容だったのです。



最近、私どものご相談者も、随分と知識を持った方が増えてきました。

会社の再生や経営危機の打開、そして債権債務処理に関する知識について、下手な専門家より詳しい玄人はだしの方も珍しくありません。

そんな方が、何故にご相談に来られるかというと、昔の私と同じで、机上の空論の中で答えを探そうするからでしょう。

知識は、あくまでも知識であり、そのまま現場で実践できるものではありません。

いくら知識があっても、それだけで実践は出来ませんし、実戦の経験が無いと、知識を有効に活用もできないというのが現実でしょう。

そして、この知識と実践のギャップを埋めるのが、専門家なのだと思います。



さまざまな展開を予想し、最後に債権者に残された手段に何があるのか、それを考えることにより、私の答えは導きだされました。

当然、今後の方向性により答えは変わってくるでしょうが、実践として残される最後の手段だけを見つめればよかったのです。

私の場合は、債権者の最後の手段は『差押』ということになり、差押への対応することにより答えが見いだせたのです。



答えを見つけて、債権債務の処理を断行できたのが、12年前になります。

この仕事を始めてからも12年になり、それ以来、多くの事例と向き合ってきましたが、未だに、理論と実践りギャップに振り回されている様に思います。


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