この景色は、遠い記憶の中に残っている気がします。

人も街も、活気で溢れ、躍動感が漲り、生きて発展するための逞しさを感じさせます。

記憶の片隅に残る、子供のころに見た大阪の下町の風景そのものなのです。

しかし、この中国の風景は、記憶の中の風景とは何かが違い、違和感を覚えてしまうのです。



中国にネットワークを持ち事業展開を図っている知人に誘われ、台湾の西側に面した、温暖な気候の福建省の福州と福安市を訪問しました。

昔から中国の歴史が大好きで、宮城谷先生や陳先生の歴史小説を読み漁っていたのですが、今までチャンスがなく、中国に来たのは今回が初めてです。

その目的地が北京でも上海でも大連でもなく、マイナーな福州と福安市なのですが、念願だった中国に期待は膨らんでいます。

中国については、勝手に様々なイメージを抱いていましたが、その現実の景色は想像していたイメージとは違うもので、妙な違和感を覚える景色でもありました。


福建省の福州という空港に到着し、そこからバスで福安市に向かいます。

福州は、福建省の省都で、人口400万人を超える大都会で、街は整備され高層ビルが立ち並び、報道される中国の大都会そのままの風景です。

その福州から、約二時間半バスに揺られて福安市ですが、福安市までの間に大きな街が3つほどあり、福安市に近づくにつれて街は昔の風景を残しているようです。

福安市は、人口80万人ほどの町なのですが、日本人はほとんど訪れないようで、日本語は全く通じません。

われわれの感覚では今でも十分に大きな街なのですが、これから発展を始めようという途上の街で、人民政府は壮大な都市計画を策定して、市民と一体になって発展に向けて動き始めたところのようです。

何よりも、活気が違います。

町はまだまだ整備されておらず、雑踏の中を争うようにクラクションを鳴らしながら車が走り去っていきます。

人が、小走りに、ひたすら前に向かって進んでいる姿は、まさしく高度成長期の日本を連想させます。

街並みは、安全や衛生などお構いなしに、生きることを優先させていますし、歩道に水が溜まり陥没していようが関係ありません。

建設現場は、重機などはほんど見かけませんし、足場は今でもバタ角や丸太を使用しているのですが、作業に携わる人々は、声を張り上げながら一生懸命なのです。

そう、40年ほど前の『三丁目の夕日』のような、懐かしい昭和の時代そのままの風景が続きます。


しかし、当たり前なのかもしれませんが、そんな風景の中に『最先端』が同居しているから驚きます。

街では、アイフォンが売られ、若者たちは当たり前のように携帯電話で話しています。

ホテルの部屋には、当然のようにLANケーブルが設置され、料理屋ではIパッドで注文を受けていました。

懐かしいバタバタ三輪の後ろを、最新鋭のポルシェやベンツがノロノロと走っています。

煉瓦造りの古びた家の屋根には、大きな衛星放送用のアンテナが座っているのです。


このギャップは、いったい何なのでしょうか。

子供のころ、アニメを見ながら、携帯電話が使える未来を想像していましたが、子供の夢がいきなり実現したように、まさしく古き昭和に最先端の未来が共存しているのです。

我々中年は、この風景のギャップには、違和感を覚えてしまいます。

たしかに、中国の底知れぬパワーと今後の発展に脅威は感じますが、もっと優先すべきことがあるようにも感じるのです。

ちょっと無理をしすぎて、バランスを崩しているように思うのは私だけなのでしょうか・・・・。


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