同業者の悪口を言うのは、けっして本意ではありません。

終わった結果についてクレームをつけるのは簡単なことですし、コンサルタントによって手法もポジショニングも千差万別なのですから、同業者批判はプロとして慎まなければならないことだとは判っています。

しかし、それを承知の上で、批判したくなるどころか、絶対に許せない同業者がいるのです。



我々の仕事の場合、同業者というくくりは複雑です。

大きくは、経営コンサルタントという分類をされるのでしょうが、正確には経営危機のコンサルタントであり、会社や事業の再生のコンサルタントになります。

そして、再生のコンサルタントといっても、様々な職種が絡んできます。

単純に、会社や事業の再生をお手伝いするコンサルタントならば、中小企業診断士に始まり、公認会計士や税理士等の公的資格を持った方々から、私的な任意の資格者である事業再生士や事業再生コンサルタントなどと、本当に多岐にわたってしまいます。

しかし、実態としてご説明をさせていただくならば、公的資格者は高額のデューデリジェンスを前提とし、机上の空論ともいえる経営改善計画を作成するだけで、ご相談者の立場に立ったコンサルティングなどする気も無いし、できるはずもないのが現実ではないかと思えます。

また、事業再生士や多くの事業再生コンサルタントは、高額の報酬を前提にコンサルティングを実施しますが、最後には対応できなくなり、弁護士を紹介して破産を勧めることが多く、コンサルタントとしての結果に責任をとることなどはないようです。

そう考えると、彼らと我々とは、経営の厳しくなった会社の再生を目指して経営者のご相談にのるという目的では一致し、大枠では同業者と言えるのかもしれません。

ところが、再生という目的を達成するための手法は大きく異なりますし、取り組む基本的なスタンスも全く違いますから、正確には同業者とは言えないのだろうと思います。


そもそも、我々の仕事は理解してもらうのが難しく、整理屋や倒産屋と疑われることが多いものなのです。

それだけに、その目的と手法については明確にし、身を慎む必要があるのだと思います。

それなのに、経営危機に神経をすり減らし、将来に不安を抱く経営者の弱った心に巧妙に付け入り、何らスキルやノウハウも無いくせいに高額の報酬を強奪するコンサルタントが存在するのです。

しかも、東北大震災で大きな痛手を受けた企業をターゲットにしているのですから許せません。



ある東北のご相談者から、至急にお会いしたいと電話でご連絡をいただきました。

事情をお伺いすると、震災で大きな被害を受け、それ以降、事業の資金繰りが極端に悪化してしまっています。

数ヶ月前から、地元の事業再生のコンサルティングに相談はされているようですが、どうも内容に納得できないということなので、日程を調整し大阪まできていただきました。

具体的な内容をお伺いすると、一週間後の手形が決済できずに不渡りになってしまうという追い込まれた状況にあります。

普通ならば、あらゆる資金繰りの算段をするところですが、相談をされているコンサルタントは、事前の効果的な対応はせずに、その後の対応をする弁護士を紹介しただけだというなのです。

不渡りを出しても、破産等の法的手続きをせず、商取引債権者の対応は弁護士に依頼し、その間に次の展開を図るという説明を受けられたそうですから、私的な整理をされようとしているのでしょうが、流れに整合性がありません。

その弁護士費用は300万円ですが、なんと、その弁護士の紹介料として同じく300万円をそのコンサルタントに請求されているというのですから驚きです。


そのコンサルタントは、もともとは東京の池袋で事業再生コンサルタント会社を経営しているようですが、東北大震災後、同業者が集まって『がんばろう! 東北』をテーマに復興支援センターという名称の社団法人で、砒素い企業を対象に再生事業を展開しているようなのです。

ここまでは、よく聞く話ですが、よくよく聞いてみると、驚くというよりも呆れる内容ばかりです。

このご相談者は、半年間ほどの資金繰り表は常に用意をされており、この手形不渡りは早い段階で予測できていたのですが、それまで具体的な資金繰り対策は何ら実行されていないし、アドバイスさえ受けておられないのです。

したことと言えば、経営者になり代わって、コンサルタントが取引先企業に対して支払猶予を依頼したことぐらいでしょうか。

これは、資金繰り確保において必要な行為だとは思いますが、内容が呆れます。

コンサルタントは、経営者になり代わって取引先に支払猶予の連絡をするのに、なんと300万円を請求しているのです。

本来、経営者になり代わって、商取引債権者と交渉できるのは弁護士だけで、当事者や弁護士以外のものが交渉すると非弁活動として刑事罰の対象となってしまいます。

このコンサルタントは、非弁活動として追及をされるのを怖れ、会社の役職が入った名刺まで用意したそうですが、300万円という報酬を請求しているのですから、非弁活動であることを否定できません。

経営者になり代わって交渉することについては、我々の立場では批判すべき内容ではないかもしれませんが、300万円という報酬がとんでもなく法外な金額なのです。

資金繰りに苦しむ経営者の足元をみた請求であり、その資金と弁護士費用があれば不渡りだって回避できたかもしれないのですから、コンサルタントの目的は、会社の再生ではなく利益確保でしかなかったのでしょう。



こんな事例は、現実には沢山存在するのかもしれません。

資金繰りが悪化し、藁にもすがる思いでコンサルタントに相談されるのでしょうが、アドバイスをそのまま信用するのはやめて、そのアドバイスの根拠をまず理解しようとしてください。

そして、そのコンサルティングに不安を感じたり納得できない内容があるのなら、セカンドオピニオンとして違うコンサルタントに相談されるのが有効だと思います。

世の中には、売上だけを目的にし、責任などとらないコンサルタントが多いのです。

私もコンサルタントなのに、こんな表現をすると不信感を持たれてしまうかもしれませんが、これが現実なのですから仕方がありません。

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