先日の債権者集会で、本当に感激した1コマを目にしました。
債権者集会を開催されたご相談者とは、2年弱のお付き合いになります。
私のセミナーをお聞きいただき、個別のご相談に来られたのがお付き合いの始まりでした。
内装工事業を営んでおられますが、長引く不況の影響でここ数年赤字が続き、金融機関も融資を渋り、手持ちの資産も取り崩し、厳しい資金繰りが続いています。
真面目で責任感の強いご相談者は、借りた金は返すのは当然というスタンスで、自分の生活を切り詰めるだけ切り詰めて金融機関へ返済を続けておられ、私のセミナー内容を納得できるタイプではありません。
しかし、唯一、債権者の順位付けに興味を持たれたようです。
このままでは、間近に破綻を迎えることを覚悟していたご相談者は、自分を助けてくれた下請けや頑張ってくれた社員に迷惑をかけることを随分と悩まれ、何とか方法がないかと探しておられたのです。
ご相談に来られてからは、処理スキームをしっかりと理解され全力で事業再生と債務処理に取り組まれました。
金融機関とのリスケジュールは徹底的に実施されながら、従業員の給与と取引先への支払は絶対に守るというスタンスで頑張られました。
しかし、どんなに頑張ろうとも環境が事業再生を許してくれず、最終的には任意整理を選択せざるを得なくなってしまいました。
任意整理の準備に入ってからもスタンスは変わりません。
自分の事は一切顧みず、頑なに従業員と取引先の生活を最優先で考え、配当できる資産は全て従業員と取引先に配当するといスタンスで処理を進められました。
債権者集会当日、開催の1時間前から受付で債権者をお迎えするご相談者。
ご相談者を目にした債権者は、誰一人罵声など浴びせません。
逆に申し訳なさそうな顔で入場されるのです。
淡々と、任意整理までの経過と配当案についてご相談者が説明される間、誰も声を挙げることもありません。
質疑応答でも、質問された内容は金融機関との取引状況の確認だけでした。
そして、わずか30分で債権者集会は終了しました。
ところが終了後、何人もの債権者がご相談者に歩み寄って行かれます。
えっ・・・?
そこで目にしたものは、下請けなどの債権者が、ご相談者に今までのお礼を言ったり励ましたりする光景でした。
誰一人、文句など言いません。
何度となく、債権者集会の開催を指導してきましたが、ここまでの光景は初めてです。
確かに、このご相談者は少し違っていました。
自分の全てを事業に捧げ、何を守らなければならないを理解され、断固たる決意で清廉に処理されてきたのです。
自分のことは一切考えずに・・・。
そして、そのことを従業員も取引先も十分に知っていたのでしょう。
私にとっては、自分の仕事に遣り甲斐と誇りを感じた瞬間でもあり、この様なご相談者でも会社を整理しなければならない環境に疑問を持つ場面でした。
まだまだ倒産は増えていくと思います。
この様な経営者が、埋没することなく再起できるシステムを、できるだけ早く確立されることを望みます。
債権者集会を開催されたご相談者とは、2年弱のお付き合いになります。
私のセミナーをお聞きいただき、個別のご相談に来られたのがお付き合いの始まりでした。
内装工事業を営んでおられますが、長引く不況の影響でここ数年赤字が続き、金融機関も融資を渋り、手持ちの資産も取り崩し、厳しい資金繰りが続いています。
真面目で責任感の強いご相談者は、借りた金は返すのは当然というスタンスで、自分の生活を切り詰めるだけ切り詰めて金融機関へ返済を続けておられ、私のセミナー内容を納得できるタイプではありません。
しかし、唯一、債権者の順位付けに興味を持たれたようです。
このままでは、間近に破綻を迎えることを覚悟していたご相談者は、自分を助けてくれた下請けや頑張ってくれた社員に迷惑をかけることを随分と悩まれ、何とか方法がないかと探しておられたのです。
ご相談に来られてからは、処理スキームをしっかりと理解され全力で事業再生と債務処理に取り組まれました。
金融機関とのリスケジュールは徹底的に実施されながら、従業員の給与と取引先への支払は絶対に守るというスタンスで頑張られました。
しかし、どんなに頑張ろうとも環境が事業再生を許してくれず、最終的には任意整理を選択せざるを得なくなってしまいました。
任意整理の準備に入ってからもスタンスは変わりません。
自分の事は一切顧みず、頑なに従業員と取引先の生活を最優先で考え、配当できる資産は全て従業員と取引先に配当するといスタンスで処理を進められました。
債権者集会当日、開催の1時間前から受付で債権者をお迎えするご相談者。
ご相談者を目にした債権者は、誰一人罵声など浴びせません。
逆に申し訳なさそうな顔で入場されるのです。
淡々と、任意整理までの経過と配当案についてご相談者が説明される間、誰も声を挙げることもありません。
質疑応答でも、質問された内容は金融機関との取引状況の確認だけでした。
そして、わずか30分で債権者集会は終了しました。
ところが終了後、何人もの債権者がご相談者に歩み寄って行かれます。
えっ・・・?
そこで目にしたものは、下請けなどの債権者が、ご相談者に今までのお礼を言ったり励ましたりする光景でした。
誰一人、文句など言いません。
何度となく、債権者集会の開催を指導してきましたが、ここまでの光景は初めてです。
確かに、このご相談者は少し違っていました。
自分の全てを事業に捧げ、何を守らなければならないを理解され、断固たる決意で清廉に処理されてきたのです。
自分のことは一切考えずに・・・。
そして、そのことを従業員も取引先も十分に知っていたのでしょう。
私にとっては、自分の仕事に遣り甲斐と誇りを感じた瞬間でもあり、この様なご相談者でも会社を整理しなければならない環境に疑問を持つ場面でした。
まだまだ倒産は増えていくと思います。
この様な経営者が、埋没することなく再起できるシステムを、できるだけ早く確立されることを望みます。