かっとばせ借金 打ち勝て倒産!!

資金繰りが悪化した中小零細企業の、経営危機打開や事業再生へ向けてのお手伝いをさせていただいています。 経営危機場面での知識や情報をご提供し、従業員や家族のために命がけで闘う経営者が、諦めずに闘う現場を善戦苦闘日記としてご報告いたします。

2007年08月

債権者集会での1コマ・・・

先日の債権者集会で、本当に感激した1コマを目にしました。

債権者集会を開催されたご相談者とは、2年弱のお付き合いになります。

私のセミナーをお聞きいただき、個別のご相談に来られたのがお付き合いの始まりでした。

内装工事業を営んでおられますが、長引く不況の影響でここ数年赤字が続き、金融機関も融資を渋り、手持ちの資産も取り崩し、厳しい資金繰りが続いています。

真面目で責任感の強いご相談者は、借りた金は返すのは当然というスタンスで、自分の生活を切り詰めるだけ切り詰めて金融機関へ返済を続けておられ、私のセミナー内容を納得できるタイプではありません。

しかし、唯一、債権者の順位付けに興味を持たれたようです。

このままでは、間近に破綻を迎えることを覚悟していたご相談者は、自分を助けてくれた下請けや頑張ってくれた社員に迷惑をかけることを随分と悩まれ、何とか方法がないかと探しておられたのです。

ご相談に来られてからは、処理スキームをしっかりと理解され全力で事業再生と債務処理に取り組まれました。
金融機関とのリスケジュールは徹底的に実施されながら、従業員の給与と取引先への支払は絶対に守るというスタンスで頑張られました。

しかし、どんなに頑張ろうとも環境が事業再生を許してくれず、最終的には任意整理を選択せざるを得なくなってしまいました。

任意整理の準備に入ってからもスタンスは変わりません。
自分の事は一切顧みず、頑なに従業員と取引先の生活を最優先で考え、配当できる資産は全て従業員と取引先に配当するといスタンスで処理を進められました。

債権者集会当日、開催の1時間前から受付で債権者をお迎えするご相談者。

ご相談者を目にした債権者は、誰一人罵声など浴びせません。
逆に申し訳なさそうな顔で入場されるのです。

淡々と、任意整理までの経過と配当案についてご相談者が説明される間、誰も声を挙げることもありません。

質疑応答でも、質問された内容は金融機関との取引状況の確認だけでした。

そして、わずか30分で債権者集会は終了しました。

ところが終了後、何人もの債権者がご相談者に歩み寄って行かれます。

えっ・・・?

そこで目にしたものは、下請けなどの債権者が、ご相談者に今までのお礼を言ったり励ましたりする光景でした。

誰一人、文句など言いません。

何度となく、債権者集会の開催を指導してきましたが、ここまでの光景は初めてです。

確かに、このご相談者は少し違っていました。

自分の全てを事業に捧げ、何を守らなければならないを理解され、断固たる決意で清廉に処理されてきたのです。

自分のことは一切考えずに・・・。

そして、そのことを従業員も取引先も十分に知っていたのでしょう。

私にとっては、自分の仕事に遣り甲斐と誇りを感じた瞬間でもあり、この様なご相談者でも会社を整理しなければならない環境に疑問を持つ場面でした。

まだまだ倒産は増えていくと思います。

この様な経営者が、埋没することなく再起できるシステムを、できるだけ早く確立されることを望みます。



差押の恐怖・・・

裁判所から郵便物が届くと、どんな人でも緊張するものです。

ましてや、その内容が差押命令や支払督促であればなおさらのことです。

私どものご相談者も、この分野では知識豊富なベテランのはずですが、実際に届くとやはり不安を感じてしまわれます。

債務対策に着手する場合、最終の段階までの全体をシュミレーションを実施し、その過程で内容証明郵便や裁判所からの通知が届くこともご説明して、ご相談者である当事者もその時には納得し理解されていますが、実際に郵送されてくると不安になるようで、必ずと言っていいほど問い合わせの連絡が入ります。

「裁判所からこんな郵便が届いたのだけど・・・。」

「債権差押命令の郵便が届いた・・・。」

「裁判所が支払命令を出してきた・・・。」

電話で内容を確認しても要領を得ない場合が多く、郵便物をファックスしてもらい確認しますと、事前に打ち合わせをしたシュミレーションの範囲内の内容・・・。

何ら、驚く必要はありません。

早速、電話でご連絡、
「○○さん、△△銀行の預金が差押されたという通知ですけど、△△銀行に預金してましたっけ?」と、連絡すると

「いえ、△△銀行の預金口座は使用不可のシュミレーションでしたので、残金はありませんけど・・・」との返事

「じゃあ、何も困りませんよね?」

「・・・はい・・・。」

こんな具合ですね。

素人にとっては、裁判所名の通知というだけで、精神が凄く圧迫されてしまうようで、今まで溜め込んだ知識も消えてしまい、悪い方向に考えてしまいます。
ちっぽけな郵便一通が、大きな圧力を持っているということで、その効力は非常に大きいと言えます。

内容証明郵便も同じ効力を持つようで、大概のご相談者も不安に駆られ連絡されてきますが、裁判所からの郵便物とは意味が大きく異なります。
郵便局が発送した内容を証明してくれるだけのことで、法的には何ら効力をもちませんから慌てることはありません。

しかし、裁判所からの郵便物は、法的根拠が前提となりますから、真面目に取り組む必要があります。
そして、その取り組みは、郵便が届く以前の取り組みであるということが大事です。

慌てず窮せず・・・。

準備は早い目に・・・。






心の準備が必要かも・・・

そろそろ、心の準備が必要かもしれませんね・・・。

平成初頭、誰もが信じて疑わなかった好景気が、一気に崩壊してしまいました。

今でこそ『バブル経済』などと言っていますが、その頃は誰も バブル=泡 だとは思っていなく、右肩上がりを前提とした景気サイクルの上昇期だと考えていたのですね。

それが、一気に崩壊してしまいました。
原因は色々と言われていますが、崩壊のきっかけとなったのは間違いなく不動産関連融資の総量規制です。

不動産価格の上昇を抑えるために、大蔵省が金融機関へ土地関連融資の抑制についての通達を出したのです。
結果として、大蔵省の目論見は見事に的中し地価動向は下がりはじめたのです。

しかし、前後の対策を何も実施しなかったことと、それ以前に様々な地価デフレ対策を実行していたため、地価が下がり始めると歯止めがかからなくなり、ご存知の通りの未曾有の不景気を創出してしまったわけですね。

はっきりと言えることは、バブル景気から崩壊、そしてそれ以降の不景気についての責任は全て政府にあることです。
バブルを創出したのも政府の政策だし、バブル崩壊させたのも政府、それ以降、民需が何度も回復させる寸前まで景気を押し上げても、その都度、政府のアホな政策で景気減退させてきたのです。

確かに、バブル崩壊以降のインフレ誘導施策が、昨今やっと実を結んだのは事実かもしれませんが、これも実態は定かではありませんね。

いかに、政府の政策が、景気回復にとって重要か・・・。
それを、我々はこの15年間に渡って、実体験として勉強させられてきたわけです。

今の景気は、国民として実感のない、強制的に創出されたものです。
自民党が中心となって、政府が全力を挙げて誘導した結果でしょう。

やっと・・・。
やっと、少しはマシになってきた・・・のに。

これから、政治は大混乱を起こし、政策が実行されなくなるという状況になろうとしています。

ただでさえ、綿菓子のような景気で、しぼむのが目前だと考えられていたのに・・・。

そろそろ本気で、冬眠の準備が必要かもしれませんね。


株式会社 トップ経営研究所
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