今回は、決断が速くて驚きました。
前回の延長時は、時限立法の期限ぎりぎりまで、いろんな理由をつけて延長の決断を延ばしていたのです。
しかし、今回は、平成24年3月末日までの期限に3か月も残して、中小企業金融円滑化法の延長を金融庁が決断をいたしました。
金融庁をはじめとする政府も、中小零細企業を取り巻く経営環境の厳しさに、ようやく気付いたのでしょうか。
中小企業金融円滑化法は、施行当初は様々な論議を呼びましたが、その内容は借入金の返済条件の変更(返済猶予)について規定した単純なものでした。
リーマンショック以降の急激な景気悪化で、超法規的に返済猶予をする以外に、効果的な施策が見つからず、政府に余裕も無かったのが現実だったのでしょう。
政府は、その景気悪化を一時的なものだと判断していたのだと思いますが、中小企業金融円滑化法が劇薬だということに気付かず、出口戦略を持たずに施行してしまったのです。
ところが、景気が一向に改善しない状況において、今年4月からの初めての延長においては、改正中小企業金融円滑化法として、金融機関のコンサルティング機能の発揮について言及しました。
しかし、金融機関にそんな能力があるわけでもなく、当然に意欲も持ち合わせていませんから、何ら結果が出るはずもなく、返済猶予企業は増加の一途をたどり、単純に返済猶予を繰り返す状況となっています。
そんな状況で、世界的な経済環境の悪化ですから、今回はすばやい決断するしかなかったのでしょうし、出口戦略として、再生支援協議会まで持ち出して、金融機関のさらなるコンサルティング機能の発揮と、対象企業の経営改善の実施について強く求める内容となったのです。
金融庁も、中小企業金融円滑法による返済猶予が効果的ではあるが、景気が回復せず、企業も経営改善できないこのままの状況では、返済猶予がとんでもない毒薬になることに気付いたのでしょう。
だから、今回の再延長では、出口戦略にこだわり、経営改善の達成を強く求めた内容となっているのです。
経営改善についての、金融機関のコンサルティングに関する具体的な指針については、今後に発表されるようです。
しかし、中小零細企業を取り巻く経営環境は、この10か月ほどで極端に悪化し、返済猶予どころか、金利さえも支払えない中小零細企業が続出しており、今後はその悪化傾向がますます顕著になってくるでしょうから、そんな簡単に経営改善を達成出来るものではありません。
金融機関に責任を押し付けてコンサルティング機能の発揮を要求したり、再生支援協議会の支援を持ち出しても、金融庁の思惑通りになるような環境ではないと思います。
そんな環境なのに、なんと、今回が最後の延長になると言及してしまっているのです。
再来年以降、どんな経済環境になろうとも、中小企業金融円滑化法の延長はないというのです。
たしかに、金融機関等の主張するモラルハザード等の問題で、延長に抵抗があることは理解できますが、この法律は、一度施行したら、簡単にやめられる法律ではないのです。
しかも、今後の、世界的な経済環境の悪化が、学生にでも簡単に予想できるような状況において、時期尚早としか思えない言及をするのですから耳を疑ってしまいます。
政府は、もはや中小零細企業の面倒などみる気がないというのでしょうか。
それとも、民主党や国民新党の与党は、再来年には政権を担っていないから責任を取る必要がないと、割り切って考えているのでしょうか。
いや、ひょっとすれば・・・、平成の徳政令を実施するつもりなのかもしれませんね。
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