ご存知のように、本年の3月末で、中小企業金融円滑化法が終了しました。

もともと期限付きの時限立法で、途中で2回(計2年間)延期されたのですから、これは仕方がないのでしょう。

しかし、リーマンショック以降の不景気の中で、中小零細企業の命綱とも言うべき法律が終わることについて、不安を抱えた経営者は少なくありません。

それでも、最近では、返済猶予がニュースになることも少なくなってしまいました。

アベノミクスにより、景気は大幅に改善をしているようですから、多くの中小零細企業の資金繰りは上手く確保されているのかとも思います。

中小企業金融円滑化法終了後、中小零細企業の資金繰りはいったいどうなっているのでしょうか。



この中小企業金融円滑化法が終わったからといって、返済猶予(返済条件の変更・リスケジュール)が終わったわけではありません。

中小企業金融円滑化法は、法律によって返済猶予を裏付け根拠を明確にしただけのことで、この法律の制定以前からも、終了後の現在においてもリスケジュールという形で継続をされています。

ただ、法律の裏付けが在るのと無いのとでは大きな違いがあるのは当たり前です。

金融庁は、法律終了後、中小零細企業が返済猶予を受けられなくなって資金繰りが破綻することを心配し、金融機関等の関係者に、今まで同じ様に取り組むことを要請するとともに、債権者金融機関に対して経営改善についてのコンサルタント機能を要求したのです。


その結果、金融機関の多くは、返済猶予に対して、今まで通りの対応を基本としているようです。

法律終了直後は、返済猶予期間にこだわり、半年間までという短期に限定した事例が多かったようです。

また、金融庁の要求に則り、債務者企業に対しての経営改善について、細かく口を出す金融機関が目に付きました。

それでも、概ね、金融機関は前向きに姿勢を見せてくれています。



夏以降から、金融機関の返済猶予に対しての姿勢が、少し変化してきたようにも感じます。

春頃にはほとんど無かったのですが、返済猶予期間が1年間という事例が、ここにきて増えてきました。

特に、大きな金融機関がメインバンクの場合や、債務者企業の業績が回復傾向にある場合に、返済猶予期間が長く認められる傾向にあるようです。

逆に、経営改善の成果が見られない企業に対しては、期間を3カ月に限定したり、様々な書類を要求したり、条件を付けるなどして、厳しい姿勢を見せるようになってきました。

金融機関としては当然のことなのでしょうが、債務者企業を再生の可否において仕分けし、メリハリのある対応を取るようになったということでしょう。

同時に、結果だけを求める金融機関の本質に戻り、経営改善に口を出す事例をほとんど見かけなくなってしまいました。

まれに、経営改善に積極的な姿勢に見えても、現実は債権回収のための準備をしているだけのことでしょう。



中小企業金融円滑化法を活用して返済猶予をしている中小零細企業の倒産は、対前年比として増え続けているという数字があります。

アベノミクスの好景気といえども、借入負担が拡大し、返済猶予をしないと資金繰りが確保できなくなった企業は、なかなか再生が難しいという現実なのです。

しかし、多くの中小零細企業は、今でも、返済猶予・リスケジュールを活用して頑張っているのです。

まだまだ再生へ向けての道はあり、方法は残っているはずです。

上手く返済猶予を活用し、現実に即した最善の経営改善に取り組んでください。

    詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
     トップ経営研究所 ホームページ



↓ランキングです クリックして応援してください

ランキング人気ブログランキングへ



ランキングです クリックして応援してください⇒  にほんブログ村 経営ブログへ