『潔さ』は、日本人の美徳の一つであり、武士道でも求められる重要なテーマでしょう。

現代の企業経営者に武士道は必要ないのかもしれませんが、この『潔さ』は、現代の日本の経営者にも、無意識のうちに共有されているようなのです。


経営危機の場面になり、先が見えない状況になってしまうと、経営者は自然に潔くなります。

   自分の事よりも、会社の事を何とかしなければ・・・

   自分は何もかも失っても、会社の経営が維持できれば・・・

   自分はどうなってもいい、従業員や取引先さえ守られれば・・・

経営者として、これほど潔さはありません。

しかし、これは間違ってはいませんが、これだけでは問題があるのではないでしょうか。

経営者である前に、1人の人間であり、奥さんや子供達という家族に対しても責任があります。

当然に家族の生活を守らなければなりませんし、人として、今後も生きていかなければならないのですから、潔さを発揮するタイミングにおいて、この事も同時にしっかりと考えなければなりません。



経営者が、『潔い』ことを後悔するのは、現実に珍しくありません。

環境が落ち着いてくると、今の状況が具体的に理解できて、今後の展開も読めるようになり、現実の世界を考えるようになります。

それは、『これから、どうやって生きていくのか・・・』という事です。

置かれている現実が認識できて、将来の事も考えるようになると、人として欲も出てきますから、あの『潔さ』を後悔することになってしまいます。

あの時、僅かでも家族の事も考えられたら、少しでも自分の将来のための準備もしておけばと、振り返って後悔をして何ら不思議でもありません。

あの時は、『潔さ』が最善だと思えたのでしょうが、それは今の不安を解消するための手段でしかなかったのでしょう。

『全てを投げ打てば、何とかなる・・・』、『何もかも諦めるしか、もはや方法はない・・・』という逃避への選択だったのではないでしょうか。

それは、『潔さ』ではなく、逃避にしかならない『諦め』だったように思います。



諦めなければ、何とかなるのです。

それが、債権債務を処理する経営危機場面での鉄則です。

潔さも大事ですが、経営者として人として、同時に家族の事やご自分の将来も考えなければなりません。

今、全てを投げ打ち、将来も人生も諦めることなど意味はなく、何とか生き残って人として再生を果たし、迷惑をかけた方に僅かでもお詫びをする事が本当の『潔さ』ではないでしょうか。

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