中小企業にとって、金融機関からの借入は、色んな場面で重要なテーマになります。

資金繰りを確保するために、借入が不可欠となっている企業も少なくないかもしれません。

そんな企業は、金融機関の与信限度以上の資金を借入ようと、血眼になって取り組まれますが、自社の財務内容などはお構いなしです。

借入をすれば、当然に返済が必要になるのですが、資金繰りを確保することに必死ですから、その後のことなど考える余裕はないのかもしれません・・・。



中小企業にとっては、右肩下がりの経済環境ですから、借入については慎重にならなければなりません。

借入後の、返済について、しっかりと理解しておく必要があるということです。

至極当たり前のことですから、経営者ならば、十分に理解をされていることであり、釈迦に説法になるのかもしれません。

ところが、現実には、あまり理解をされているようには思えません。

資金繰りのために、理解をしたくないのかもしれません。

この理解がなければ、財務内容に適応しない過剰な借入をしてしまい、さらに資金繰りを悪化させることになってしまいます。

理解しなければならないのは、返済に負担のない、借入の上限を知り、その範囲内で納めるということなのです。

そして、この借入の条件となる『借入限度額』を知るのは難しくありません。



この借入限度額の計算方法は、いくつか存在します。

まず、現場の計算方法として多用されているのは、返済原資を『税引き後利益額』と『減価償却費』の合算とする方法です。

損益計算で、実際に現金で手残るのは、『税引き後利益額』と『減価償却費』の合算になりますから、返済額をこの金額まで納めるということです。

『税引き後利益額』と『減価償却費』の合算に返済額を納めることができれば、現時点では借入返済は問題がないということになります。

ただし、返済は単年で終わりませんから、今後の収益の動向についても十分に配慮した考え方が必要です。

この計算方法は、財務の理解の低い経営者や、資金繰りに不安を抱く企業において、適応性は高いといえます。


しかし、リスクヘッジに根拠を求める経理担当者などにとっては、より緻密な計算が求められるでしょう。

  過去3年程度の『税引き後利益額』 × 40〜80% × 5〜7

この様な計算式で、より安全性を確保した借入限度額を算定します。

前の計算方法と違い、『減価償却費』を返済原資に入れないのは、今後の買い替えの充当金という減価償却費の意味合いからすれば、当然のことなのかもしれません。

過去3年程度の『税引き後利益額』を原資にするというのは、収益の平均を確保し、安全度を確保するということになります。

また、40〜80%を掛けるというのは、全ての活用可能な手残り資金を弁済に充当するのではなく、財務余力を確保するには不可欠な考え方になるでしょう。

さらに、最後に、5〜7の数字を掛けるというのは、弁済が複数年の分割であるということと、今後の収益性の増減見込みを加味して算定をします。

たとえば、5年分割返済の借入れであれば、5を掛けることになりますが、来年度以降の収益が上昇見込みであれば、6〜7に変更して掛けるということになります。

この計算方法だと、少々の収益変動の吸収は可能であり、十分にリスクヘッジをした借入限度額となりますから、健全時に選択すべき計算方法といえるでしょう。



自社の、借入限度額を、自分で算定するのは難しいことではありません。

状況や環境により、計算方法や捉え方は若干変わりますが、凡その数字を理解したうえで借入することが大事なのです。

今は、返済できるかもしれませんが、長期に亘っても返済可能であるという借入を心掛けてください。


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