返済猶予と違い、支払猶予が簡単ではないことは前回のブログでご紹介しました。

専門家の立場からいえば、本来であれば考えたくもない、絶対に取り組みたくない資金繰り確保の方法だと思います。

しかし、この場面の資金繰りさえ確保できれば、将来の目途が立って展開が開けている場合などに、どうしても取り組まなければならない時もあるのです。

そういう時に、仕入先等の取引先へ支払猶予をお願いする場合にやいて、交渉を進めるうえでの注意点を事前に十分に理解しておく必要があります。

支払猶予は、返済猶予よりも、はるかに複雑で難しいと考えて取り組むべきなのです。


支払猶予をお願いする場合の、具体的な留意点をご紹介していきます。

まず、もっとも大事なことは、支払猶予をお願いする取引先に安心を与えることです。

突然に支払猶予をお願いされた債権者は、いったい何があったのかと驚き、倒産して回収出来なくなると思って当然でしょうから、「大丈夫」だということを根拠をもって説明して安心させなくてはなりません。

現状の経営状況を説明し、今後の経営改善を中心とした再生までの流れや、資金繰り計画を提示し具体的に納得してもらうのです。

今は資金繰りが大変厳しいが、ここを乗り切れば、経営も資金繰りも改善し、猶予してもらった支払は問題ないことを理解してもらいましょう。

支払猶予をしてもらえなければ資金不足に陥り倒産してしまい、全く支払い出来なくなるかもしれませんが、支払猶予をしてもらえれば経営は正常化し、支払の不安はなくなるということなのです。

返済猶予と同じように、支払いも猶予してもらった方が、取引先も最終的には得になることを判ってもらうのです。


次には、猶予してもらった支払を、今後、どのように返済させてもらうか説明します。

当然に、その後は約束通りに返済しなければなりませんから、事前に数字を精査して可能な支払条件を策定してください。

その支払方法は、一時払いと分割払いの組み合わせになることが多いようです。

支払全額を均等に分割で返済するのも方法かもしれませんが、債権者の立場としては一時払いか無ければ資金繰りが厳しいでしょうし、誠意を見る意味でも不安になるでしょうからできるだけ避けたほうがよいでしょう。

一時払いの割合としては、20%〜50%ぐらいになるでしょうが、当然に多い方が取引先は喜ぶでしょうし、少なければ支払は楽になりますので、収支計画や資金繰り表からバランスのとれた無理のない数字を計算してください。

分割については、支払額から一時払い分を引いた残額を分割することになります。

分割払いの期間は3カ月から12カ月が一般的でしょうが、半年の6回払いぐらいにするのが、取引先の同意は取り易いようです。

また、1年(12か月)を超える分割は、取引先の同意が取りにくくなりますのでの、出来る限り避けたいものです。

支払猶予において、これらの配慮は重要ですが、一時払い額も、分割期間も、資金繰りが成り立つことが前提になりますので、当然に資金繰りを優先して決定してください。

ただ、収支計画や資金繰り表により数字を精査したときに、絶対に留意していただきたいのは、支払猶予による分割でも支払うことが難しいと判れば、再度、支払猶予を依頼するかどう検討し直すということです。

支払猶予をすると、企業の信頼は損なわれますし、取引先に大きな負担を強いることになります。

それなのに、資金繰りが破綻し、会社が倒産すれば、取引先を裏切ることになります。

支払猶予によっても資金繰り確保出来ないのであれば、取引先にお願いするべきではなく、違う方向性を選択する段階にきていると認識すべきではないでしょうか。

この段階での無茶な資金繰りは、間違いなく今後の展開を悪くさせます。


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