大王製紙の元社長である御曹司の事件が世間を騒がせていますが、その内容には驚いてしまいました。

想像を絶するような大金を、経営者の一存で自由にしてしまう事件であり、なんとも御曹司とは凄いもんだと呆れてしまいます。

経営者の二代目や三代目の後継者は、何とも羨ましい限りに思えます。

しかし、実体は、そんな羨ましいものでもないのです。



中小零細企業は同族経営が基本であり、経営者の息子が後継者となるのが普通です。

将来の経営者が約束されており、労せずして経営者となれるのですから、周りから見ていると羨ましい限りです。

子供のころから、何不自由無く育てられ、贅沢な生活をさせてもらったでしょう。

学生時代から、海外旅行に行かしてもらい、車なども買ってもらっていたでしょう。

結婚するとなったら、新婚用の住宅も購入してもらったかもしれません。

庶民から見れば、羨ましい限りなのですが、息子さんご本人は、そういう環境が当たり前のものになっており、そんなに恵まれているとは思っておられないのではないでしょうか。

中小企業の経営者の息子にとって、こんな生活は当たり前なのです。


ところが、そんな息子さんも、あるときを境に経営者の息子の意味を痛感させられます。

父親の経営する会社に就職すれば、環境が一変してしまうのです。

当然、後継者として入社します。

いずれは、会社の社長となるのですから、二十歳そこそこの若造でも周りはチヤホヤするかもしれませんし、大王製紙のように公私のけじめさえ出来ないようになるかもしれません。

後継者に対して、そんな対応をする会社もあるかもしれませんが、この厳しい経営環境においてそんなことしてたら確実に倒産してしまいます。

従業員の視線が常に集まり、後継者は気を抜く隙などありません。

絶対に辞めるはずのない新入社員でもありますから、これは鍛えがいがあるでしょう。

父親が、有能なたたき上げの経営者の場合などは、たとえ息子であろうとも容赦しません。

後継者だからこそ、厳しく対応しなければならず、結果として有能な経営者になり、企業経営も安定するのです。


ある地場ゼネコンに、社長の息子が入社しました。

息子は、有名な私立大学を卒業し、技術者よりも財務を会得するため商学部で勉強してきました。

当然、周りは、総務と営業を中心として勤務するのだろうと思っていましたが、社長は息子を工務部に配属したのです。

しかも、土木現場の下働きから始めさせました。

来る日も来る日も、スコップとレイキをもって現場を整地したり片付けの繰り返しです。

現場作業が終われば、現場所長の手元で資料作成のお手伝いが続きます。

息子も、後継者として負けるわけにはいかず、学生時代とは180度変わり、ボロボロになった作業着を身にまとい、汗水流して踏ん張ります。

当初は、困惑していた現業員も、いつしか先輩として接するようになりました。

父親か兄の様に、厳しくも優しく鍛えるのですから、息子が成長しないわけはありません。

同時に、現場員と息子には信頼で結ばれた連帯感も生まれ、現場も良い結果を収めるようになりました。


後継者である息子は、7年ほど現場で修業しました。
簡単な現場管理なら、自分でこなせるようになってから現場を離れ、その後に営業を経験し、5年前に後継者として経営を引き継いだのです。

それ以降、常に黒字を確保し、業績を伸ばし続けているのです。

昨今の、長引く建設不況で、ほとんどの建設業者は業絵席を大きく悪化させていますが、この会社は業績を伸ばし続けているのです。

しかも、従業員は1人も自ら辞めようとしません。

みんな、自分が育てた経営者だと思っていますから、辞めるはずなどないのです。


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