ご相談をした専門家は、当たり前の様に『破産をするしかないでしょう・・・』と口にされたそうです。

しかし、その経営者は、未だ諦めきれずに私共にご相談に来られたのですが、持参された財務資料などを拝見してビックリ・・・。

たしかに資金繰りは厳しいですが、我々の捉え方では健全に近いレベルの財務内容で、リスケジュールにさえ着手していません。

事業の展開がまだまだ可能な状況なのに、その専門家は、一体何を根拠に破産を唯一の選択肢としたのでしょうか。



私も、販売促進が、難しくなりました。

事業再生や経営危機打開の分野においても、販促手段が多様化したのかもしれません。

私共も、4年ほど前から、新たな販促手段として、勧められるままにYouTubeを始めました。

事業再生や経営危機打開に関する内容を、10分程度でご紹介するのですが、アナログな私には何もかもが難しかったといえます。

随分と手間暇かけて準備し、緊張しながら撮影して動画をアップするのですが、そんな努力が簡単に結果につながる筈もありません。

無駄なことかもと思いながらも継続し、2年ほど前より、YouTubeを見られた方から徐々にお問い合わせをいただくようになりました。

そして、公式LINEと連動をさせることで、お問い合わせ件数も確実に増加してきたようです。

しかし、この新たな販促手段の活用からいただくお問い合わせには、今までとは異なる点があります。

まずは、事業に絡む負債ではなく、個人の生活に関する借り入れによる負債が多いということ。

そして、破産への取り組みを前提としたお問い合わせが多いということになります。

今までは、ほぼ事業者とのご相談であり、破産をしないための取り組みでしたから、私にとって、これらのお問い合わせは新鮮であり勉強になるといえます。

ただ、事業者の債務への対応と比較すると、知識や考え方が20年ほど遅れているように感じてしまいます。


YouTubeから公式LINEを通していただいたお問い合わせについて、考え方も添えて、特徴的な2件の事例をご紹介させていただきます。

 事 例 

『半年後位を目処に、会社の破産を検討しています。
破産までにできる事等をアドバイスしてください。』

この様な内容のお問い合わせをいただきました。

私は法律家ではないので、経営コンサルタントとしての立場から、より具体的な内容についてご質問をさせていただくと、以下のような事情であることが分かりました。

本業は小売業だが業績が低迷しているので、事業再構築補助金を活用して飲食関係を起業した。

本業の小売業は赤字が続き、飲食関係業は順調に推移し黒字が確保できており、全体での年間利益はトントンの状況。

借入は、地方銀行から保証協会付きで5500万円,公庫から1000万円ほどで、毎月60万円ほど弁済をしている。

給料・賃料などの経費や借入金,税金・社保等、今は正常にお支払い。

自宅は経営者名義で住宅ローンが残っており、家族は奥様と子供二人で小学生と中学生。

今までは、返済のために借入をしてきたが、金融機関の対応が厳しくなり、次の借入は難しくなると予測され、このままでは返済できなくなると判断し破産を視野に入れた。

自宅や子供のこともあり、破産までにしておくことを教えてほしいとのことでした。

私にとっては、ちょっとショッキングなお問い合わせ内容なのですが、それは資金繰りの意味やリスケジュールさえご存じない経営者が、まだまだ少なくないということになります。

この基本的な経営知識がないために、破産という最終最悪の選択をしようとされているのですから驚いてしまいます。

この事例に関して、答えは難しくありません

借入金は、全て利払いだけのリスケジュールに躊躇なく着手する。

リスケジュールにより、しばらくは資金繰りが確保できるようになるので、この間に経営改善に着手する。

本業の小売業が業績回復できないなら廃業し、飲食関係業に特化する。

この流れで、最低でも、しばらくは資金を心配することなく経営を継続することかできます。

さらに、破産どころか、業績を回復して再生できる可能性も低くはないと思います。

何よりも、子供さんなど家族のことを考えれば、現時点において破産という選択肢は存在しないでしょう。

当然、破産までにしておくことなど考える必要もありません・・・ただ、資産の予防的保全対策への着手は必要でしょう。



 事 例 

事業には関係のない個人の借入が返済できなくなり、金融事故になってサービサーから訴訟をされたことで、破産を検討されている事例になります。

破産しか方法はないと思う・・・という質問をいただいたのですが、この段階で破産を検討されることが不思議になる事例です。

負債は、カードローンなどで合計250万円ほどになり、そのうちの70万円ほどの債務がサービサーに債権譲渡をされ、弁済できないことから訴訟をされました。

ご相談者はコロナウイルスの影響で職を失い、現在も無職で資産などは何もなく、生活さえも厳しく、返済したくても返済などでできない状況だいわれます。

まさしく『無い袖は振れない』状況ですから、慌てる必要など何もありません。

まずは、答弁書だけは誠意をもって処理し、後は対応できることもなく流れに任せるしかないでしょう。

ただ、訴えられた債務額は、70万円ほどなのです。

今後、頑張って人生の再生にチャレンジすれば、70万円どころか、債務総額の250万円でも返済は可能な額だろうと思います。

この程度の債務額なのですから、破産をするどころか、破産を検討することでさえ馬鹿げ過ぎているでしょう。

この瞬間は厳しいかもしれませんが、前を向いて、まず仕事を見つけて収入を得てください。

そして、人生を再生できる目途が付いたら、健全な信用を取り戻す努力をされるだけのことです。

今、破産してしまえば、この瞬間は楽になりますが、これからの人生は辛いものになってしまうでしょう・・・。



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