かっとばせ借金 打ち勝て倒産!!

資金繰りが悪化した中小零細企業の、経営危機打開や事業再生へ向けてのお手伝いをさせていただいています。 経営危機場面での知識や情報をご提供し、従業員や家族のために命がけで闘う経営者が、諦めずに闘う現場を善戦苦闘日記としてご報告いたします。

完成

時効を援用すべきか・・・


様々な対策を実施して、より良い結果を求めるのは当然のことだと思います。

しかし、専門家にすれば、その先の結果がどうなるかは、ほぼ想定できるといえます。

それは、過去の経験から導き出された範囲にしか、結果という答えが生まれないことが判っているからです。

ところが、金融環境が様変わりする環境において、その想定範囲も大きく狂いだしています。




コロナウイルスは、様々な常識を驚くほどに変化させてきました。

それは、金融や経営に関しても同じで、当たり前だったはずのことが、当たり前でなくなってきているのです。

特に、債権債務処理の最前線では、その傾向が顕著になってきている様に感じます。

通常では考えられない様なパターンの時効が、最近、立て続けに成功をしました。

『時効』は、ある事実状態が一定の期間継続した場合に,権利の 取得・喪失という法律効果を認める制度のことになります。

借金なども、消滅時効により返済義務が消滅する可能性があり、債権債務の最終処理として合法的な極めて有効な手段だといえるのです。

ただ、貸付をしている債権者の金融機関等は、時効の成立により債権回収できなくなれば大変ですから、金融のプロとして時効を簡単に成立などさせてくれません。

一般的にも、時効は制度として存在しているだけで、債権者が当たり前の様に時効を阻止し、実際に活用するのは不可能だと思われているところがあります。

ところが、債務者がご存じないだけで、一定の条件において、時効の期間が完成している債権は、驚くほど多く存在しています。

また、時効の援用が成功して、時効が成立してしまっている債権も、現実的には少なくないのです。

この様に、時効は実際に活用できる債権債務処理手段なのですが、当然に取り組みは簡単ではありません。

ところが、その簡単に成立しないはずの時効が、コロナ終息以降、驚くような状況で成功をしています。

Aさんは、経営する事業の経営が厳しくなり、日本政策金融公庫からの借入も金融事故となりました。

事業も継続ができず放置状況となり、実際に倒産状況の中で公庫に呼ばれました。

状況を確認した公庫の担当者は、返済できる状況にないことを理解し、しばらく様子を見ましょうということになりました。

これが5年以上前で、その後、コロナウイルス感染の異常環境となり、何の連絡もないまま現在に至っています。

Aさんは時効について勉強し、しっかりと管理もして、裁判などの請求も,債務承認書などの承認も,仮差押などについてもチェックをされています。

時効の中断がないまま5年が経過し、時効の期間は完成しました。

普通であれば、ここで時効の援用をされるのでしょうが、Aさん取り組もうとされません。

何故なら、日本政策金融公庫が何もしてこないのに、わざわざ事を荒立てる様な時効の援用に、現状において取組む必要が無いからです。

公庫が、何かしてきたら、時効の援用をしようと考えておられます。


Bさんは、親戚の経営する会社の、信用保証協会の保証付き融資の連帯保証人をされていました。

その親戚が経営する会社の経営が悪化して金融事故となり、信用保証協会に代位弁済をされました。

その後、知り合いから時効が使えるのではと教えられ、Bさんはいろいろと調べられました。

すると、親戚が個人名で少額を弁済していた時期はありますが、主債務者である会社は弁済をしたことがありません。

さらに調べ、請求や承認,仮差押なとがないことも確認し、時効の期間が完成している可能性が高いことが判りました。

このまま放置という選択もあるのですが、Bさんはご高齢で、子供たちヘの相続も視野に入れる必要があります。

何もしなければ、信用保証協会の保証債務を、子供たちに相続させてしまう可能性があるため、大きな決断をされました。

時効の期間は完成していると判断し、信用保証協会に時効の援用をされたのです。

随分と悩み、勇気を持って取り組んだ決断でした。

もしも、どこかで時効が中断されていれば、信用保証協会を刺激することになってしまうからです。

しかし、結果は大成功で、保証債務は無くなりました。

時効の援用が認められ、信用保証協会から『消滅時効完成のお知らせ』が送られてきたのです。

通常、時効の援用が成功しても、その後、請求が止まるだけで、この様な通知は送られてきません。

時効の援用に取組んだ債務者は、結果が判断できず、しばらく悩むことになってしまいます。

しかし、最近の信用保証協会は、この様に『消滅時効完成のお知らせ』をしてくれるようになり、債務者にとっては判りやすくなりました。



債務者として、時効期間が完成しているとすれば、時効の援用をして借金を無くしたいと考えるのは当然なのかもしれません。

しかし、時効期間が経過しただろうということで、簡単に時効の援用はされない方が良いと思います。

何故なら、時効の援用の失敗事例が少なくないからです。

その原因の多くは、時効の中断を把握していなかったことに尽きます。

弁護士に時効の援用を依頼された場合も、間違いなく中断がないのか何度も確認をされますが、債務者が把握をされていないのです。

覚えていないところで債務承認書にサインをしていたとか、担保不動産処分で返済をしていたとかにより、時効の中断されていた事例は少なくありません。

しっかり時効の管理をしていたと思っていても、どこかで抜けていたということですから、あえて時効の援用に取組む必要はないのかもしれません。

債権者が何もしてこなければ放置し、債権者が何かしてくれば時効の援用をする、この様に捉えるべきだと思います。



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あと2週間で、時効・・・



知らぬ間に、5年が経過しました。

信用保証協会に代位弁済されてから、いつのまにか、そんなに経っていたのです。

その間、借り入れをした会社としては1円の弁済もできませんでしたし、裁判や仮差押えなどもされていません。

そう、もう2週間ほどで、5年の時効期間を迎えるというタイミンクで、経営者は悩んでおられます。



時効について、知識としては持っておられました。

しかし、そんな都合の良い結果など、債権者が許してくれるはずはないと思っておられたのです。

銀行から信用保証協会に代位弁済をされて、もうすぐ5年になるというのも、うすうすは判っておられました。

しかし、まさか、そんなことが本当に実現などしないだろうと思っておられたのです。

たしかに、代位弁済以降、知りうる限り、時効の中断はありません。

連帯保証人名で、毎月3000円を今でも弁済されていますが、主債務者である会社では1円も弁済できていません。

承認や、仮差押・仮処分・差押,請求などといった時効中断行為は、主債務者である会社には一切ないのです。

ここまでは知識として持っていましたが、当然に、債権者は時効を中断してくるだろうと思っていました。

そして、やはりというか、信用保証協会から呼び出され、10日ほど前に訪問をしてきました。

信用保証協会の担当者は、自ら、時効について説明を始めます。

そして、時効を中断する必要があるので、債務承認書を提出するように強く要求をしてきたのです。

債務承認書は、承認という時効の中断に当たり、通常ならば時効期間完成の6か月ほど前に行われる作業です。

随分と遅いタイミンクになりますから、担当者が忘れていたなど、何か問題があったのかもしれません。

その担当者は、2週間以内に債務承認書を提出するように強く要求し、もしも、提出されないなら訴訟をするといいます。

訴訟も、結果的には時効の中断になりますから、どっちにしろ、時効は成立できないということになります。


やっぱり駄目だったか・・・というのが、この時の本音です。

しかし、よく考えてみると、何か引っかかります。

もう1か月弱ほどで、時効期間が完成するというタイミングですから、できれば時効を成立させたいと思って当然でしょう。

どうするか、随分と悩みました。

債務承認書を提出して、時効期間を5年のままにするべきなのか、それとも、何とか時効にチャレンジし、駄目だったとしても訴訟により時効期間が10年に延びるだけだと割り切るべきなのか・・・。

随分と悩み、提出期限の前日になってしまいました。

時効期日まで、あと2週間なのです。



そんな時、心労から病気になり、1週間ほど寝込んでしまいました。

快癒後、信用保証協会から電話が入っていたので、信用保証協会の担当者に電話を入れます。

担当者は、強い口調で、『訴訟の準備は完了しているので、2日以内に債務承認書が提出されないなら、直ぐに手続きに入る・・・』というのです。

ここでもまた、心が折れそうになってしまいました。

そして、訴訟による時効の中断を回避しようと、債務承認書を完成させました。

もう時効を完成させるのは無理だと、諦めようとしたのです。

しかし、やはり何かが引っ掛かります。

本当に訴訟の準備ができているなら、こんな間際の状況で債務承認書など要求せずに、何故、手続きに着手しないのでしょうか・・・。

そう思い悩み、また寝込んでしまいます。

そして、明日が、時効期間の完成です。

まだ、訴訟の通知は届きません。

内容証明郵便も届いていませんし、仮差押をされた形跡もありません。

さぁ、明日は、どうなるのでしょうか・・・。



この様な状況で、悩む必要などないと思います。

時効は、法的に認められているのですから、正々堂々と取り組めばいいのです。

そして、この事例の様なチャンスはなかなかありませんから、迷うことなく時効の完成に向けてチャレンジすべきでしょう。

現実的に、時効期間が完成している事例は、世の中に溢れているといえます。

迷わずに、時効の有効活用を目指してみてください。




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時効を有効活用する・・・



消滅時効とは、権利を行使できるのにも関わらず、一定の期間、行使されない権利を消滅させる制度のことです。

たとえば、金融機関が商店主にお金を貸したとしても、返済に関しての権利を一定の期間行使しなければ、その貸し付けたお金の返済を求める権利を失ってしまうということです。

商店主にすれば、借りたお金を返済する必要が無くなりますから、非常に有り難い話なのですが、金融のプロが、消滅時効など完成させるはずがないといわれています。

しかし、現実の世界では、消滅時効によって借入金を返済する必要のなくなった債務者は、数知れず存在しておられます。



最近、消滅時効に対する、金融関係機関の取り組み方は随分と変化してきたように感じます。

少し以前まで、信用保証協会は、絶対に消滅時効など完成させないという姿勢を堅持していました。

常に、時効の中断を図るという姿勢が明確であり、

  1. 僅かずつでも弁済を続けさせる。

  2. 一定期間ごとに、債務承認書を提出させる

  3. 裁判をしてでも、時効を中断させる

この様な方法で、何がなんでも、時効期間の完成は阻止しようとしていました。

ところが、信用保証協会も、微妙に消滅時効への考え方を変化させ、一定の状況であれば、容認するような姿勢を見せ始めているのです。



信用保証協会の求償債権についての消滅時効に関して、ご相談いただく件数は少なくありません。

東京信用保証協会だけでも、この1年間で4件のご相談をいただきました。

そして、その4件のうち、3件について消滅時効を完成させることができたのです。

しかも、失敗した1件は、代位弁済をされてから5年未満であり、商事債権としての5年という時効期間を経過していない債権ですから、完成できなくても仕方がないと考えられます。

残りの3件は、全て最初の5年目の時効は債務承認や裁判により中断をされ、2回目の時効期間となる10年から15年目を迎えるという債権でした。

この、2回目の時効期間というのが、消滅時効を完成させるポイントだと私は思っています。

最初の5年目は、私の持っている事例では、時効期間を完成させたものはありません。

しかし、2回目の時効期間では、驚くほど高い確率で、実際に時効期間を完成させているのです。

債権者である信用保証協会も、最初の5年目での時効期間の完成については、裁判をしてでも阻止しようとするのは、債権回収を専門とする立場を考えれば当然でしょう。

ところが、10年も15年も、まともに弁済しない債務者に対して、高い裁判費用を掛けてまで時効の中断をしても意味がありません。

意味がないというよりも、無駄に血税を使うことになってしまいますから、2回目の時効期間については、状況により諦めることが少なくないのだと思います。

我々は、信用保証協会が時効の中断を諦められるような状況を作りますから、2回目の消滅時効期間での完成の確率が極めて高くなるのです。



ここで、考えていただきたいことがあります。

1回目の時効期間の中断に際して、どう対応するかについてです。

信用保証協会は、スムーズに時効を中断しようと、少しでも弁済をさせるとか、債務承認書を提出させるとかの対応をしてきます。

しかし、多くの債務者は、対応などせずに放置をされるために、信用保証協会は最後の手段として手間暇をかけて裁判をしてくるでしょう。

確かに、1回目の時効期間の完成を目指して、債務者は自ら時効の中断などせずに、奇跡的な可能性にチャレンジしたくなって当然なのかもしれません。

しかし、1回目の時効期間の完成は、まず無理なのです。

しかも、その結果、信用保証協会は裁判をしてきますから、時効期間が5年から10年に延びてしまうのです。

本来は、代位弁済から10年目で2回目の時効期間を迎えるはずだったのに、なんと15年目になってしまいます。

そうすると、2回目での時効期間完成を目指す場合、期間が5年も伸びてしまうのですから、この選択について考えなければなりません。

1回目の時効の中断については、5年目間際に、少しでも払うか債務承認書にサインして中断をさせ、2回目の10年目での時効期間の完成を目指すというのが、最善の対応になると私は思います。



先日、東京信用保証協会の債権について、時効期間を完成させ『援用』までされたお客様から、貴重な文書をいただきました。

その文書は『消滅時効完成通知書』となっており、正式に時効が完成したことを、東京信用保証協会がわざわざ通知をしてくれた文書なのです。

本来、現実的に時効が成立していても、それを債権者が認めて通知してくることなどあり得ません。

私も、この『消滅時効完成通知書』を、初めて目にして驚きました。

しかし、信用保証協会は、時効に関してだけではなく、債権債務処理全般に関して、債務者に寄り添う方向に変化しているようなのです。



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もうすぐ時効が・・・



立て続けに、時効に関するご相談をいただきました。

ご相談に共通するのは、消滅時効に関わることだということです。

ただし、同じ消滅時効といっても、借入金の消滅時効についてのご相談であったり、詐害行為取消請求に関わるご相談など様々です。

今回は、もうすぐ借入金の時効期間が完成するのに、債権者から時効の中断を仕掛けられたというご相談について、対応方法をご紹介したいと思います。



ご相談をいただいたお客様は、15年ほど前に、信用保証協会に代位弁済をされました。

事業は、破産こそしていませんが、今は、放置をされて実体はなく、倒産状況になっています

その後、債務の返済は、分割も含め一切できていません。


代位弁済後、過去2回、5年経過前毎に、信用保証協会に呼ばれて債務承認書を書かされて、時効は中断しています。

前回、債務承認書を作成して以降、信用保証協会とは連絡を取っておらず、次の債務承認はせずに、放置をして時効を狙おうと思っていました。

ところが、前回の債務承認書から4年半程が経過したある日、携帯にかかってきた突然の電話に出てみると、なんと信用保証協会の担当者からの電話でした。

電話にも出ず、放置しようとした作戦は、これで失敗です。

電話の向こうの信用保証協会の担当者は、案の定、来所して債務承認をするように迫ってきます。

もうすぐ時効なので、来所して、債務承認書を書かなければ裁判をして時効を中断する・・・と、こちらの恐れていた通りの要求でした。

もはや対処方法はなく、時効は諦めるしかないのでしょうか・・・・。



そもそも、時効は、簡単に援用できるものではありません。

債権回収のプロが、簡単に援用をさせるはずはないのですが、現実的には、時効の成功事例は少なくないのです。

特に、事故後、ある程度の期間が経過した債権債務については、時効の可能性は拡大しますし、債権者が意図的に時効に持ち込む事例さえ見受けられます。

したがって、たとえ債権者が信用保証協会であろうとも、時効を諦める必要などありません。

今回の場合、約15年が経過した昔の債務であり、ここ数年は連絡も取れていないことを考えると、本来は電話に出るべきではなかったといえます。

電話に出てしまったとしても、他人の振りをするぐらいの対応をすべきだったとも思います。

しかし、電話に出て、本人であることを確認し、訪問する日程まで決めてしまったのですから、今更、後悔をしても仕方がありません。

この失敗を、チャンスに変える可能性がないか、考えてみるべきでしょう。



まだ、時効に向けてのチャンスは残っていると思います。

この債務は、事故後、15年も経過した古い債務であり、そろそろ最終処理されても不思議ではないタイミングです。

ここ数年、連絡が途絶え、夫人から三下り半を突き付けられ、収入は乏しくて明日の生活さえままならないという、お客様の苦境を信用保証協会は知りません。

債務者の具体的な状況が判らないから、信用保証協会も債権回収を諦められないというのが実情でしょう。

これらを前提に考えると、信用保証協会を訪問した時の対応が見えてくるのではないでしょうか。

服装は、着た切り雀の、いつものボロボロの格好で行くしかありません。

住むところもなく、食費にさえ事欠く現実を説明し、返済資力が全くないことを説明するしかないでしょう。

これから、生きるために、どうすればいいのか相談するのもいいのかもしれません。

これが現実なのですから、この苦境の事実を知った信用保証協会がどうするのか、後はお任せするしかないのです。



今までの経験や事例から考えると、時効まで進む可能性は、決して少なくはないと思います。

信用保証協会として、債権回収は無理だという判断にしかなりませんから、ここで、15年も前の古い債権に対して、無駄な裁判費用を掛けるでしょうか。

債務承認書については、債権額を確認するために預かって持ち帰りましたが、未だ、債権額を確認する資料は見つからず、このままでは記名押印して返送できそうにありません・・・・。



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『不当回収』・・・



時効債権『不当回収』横行・・・!!!

今朝の産経新聞の、非常に興味深い見出しです。

消滅時効が、すでに完成しているのに、債権回収を図る業者による取り立てが横行しているという記事になります。

食事の手を止めて、記事を注視して読み進めますが、どうも時効を都合良く勘違いしている様な記事で驚きました。



産経新聞の記事は、消滅時効が期間的に完成している債権に対して、債権者が取立をしていることを取り上げて、『不当回収』と表現をしています。

期間的には完成していても、時効の援用もされていない、まだ請求権の残っている債権の取り立てを『不当回収』として追及しているのです。

たとえば、20年前に最後の時効の中断をした23万円について、債権者である業者から突然に利息分も含めて簡易裁判所に提訴をされたというものです。

訴状に驚き、業者に電話をすると、給料の差押の可能性を示唆されたのですが、裁判期日を都合で欠席したため、業者側の請求を認める判決が出されるという結果になりました。

他にも、時効期間が過ぎた80万円の債権について、債権者である業者が、突然に債務者の自宅に取立に来たという事例が紹介されています。

債務者は驚き、業者から言われるままに5000円を支払ったところ(承認による時効の中断)、業者は簡易裁判所に提訴したということです。

これらの債権は、時効の期間は完成していますが、この時点において時効の援用はされていません。

したがって、時効の期間は完成していても、請求できる権利は残っており、債権者はその権利を実行していたに過ぎないということになります。

ただ、業者が追及してきた段階で、債務者が時効の援用さえすれば、それ以上の追及はなされない債権でもあったということにもなります。

この様な、借主の無知に乗じたような悪質な債権回収の場合は、その悪質性を考慮して時効適用を認める司法判断もあるということですが、悪質という表現には違和感を持ってしまいます。



これらの事例は、法律に規定された『時効』を知らなかったために招いた悲劇になります。

時効の基本さえ理解していれば、この様な結果にはならなかったでしょう。

さらに、表現を変えると、今でも当たり前の様に世の中で発生していることで、別に珍しくもない事例だといえます。

産経新聞は、時効というテーマで記事にされていますから、さも、取り立てをしている業者が悪質であるという表現をされていますが、それは間違っていると思います。

たとえ、時効期間を完成している債権であろうとも、債権者は諦めずに取立をしてくるのが現実なのです。

公的な機関である信用保証協会などにおいても、時効期間が完成している債権について、時効の援用がなされていなければ、当たり前の様に債権回収を図ってきます。

それが債権者の権利であり、債権回収という当たり前の手続きだからです。

記事に紹介されている債権者の業者など、別に珍しくもありませんし、その行為も批判されるものではないでしょう。



我々の立場からいえば、債権回収は、債権者と債務者の命を掛けた戦いです。

債権者は、活用可能なあらゆる手段を講じて債権回収を仕掛けてきますし、債務者は、債権者の動きを予想して事業や資産や人生を守るために最善の対応をします。

そんな厳しい戦いの中でも、債務者は僅かな望みをもって、『時効』という可能性にチャレンジし、債務の消滅を目指すことになります。

しかし、債権者も、債権回収を保全するために、『時効』にも十分な配慮を持って対応してきますから、簡単に時効の援用などさせてはくれません。

したがって、時効期間が完成しているからといって、時効の援用もしていない債権の回収について、債権者が勝手に諦めてくれるはずもありません。

『不当回収』などと呼べるような、そんな甘いものではないのです。



債務の処理について、時効を活用する気があるのでしたら、まず時効について具体的な理解を図るべきだろうと思います。

そして、理解をしたうえで、債務を処理するために、時効の援用を目指すべきではないでしょうか。

借りた責任から、払うという意思をお持ちで、時効など考えないという債務者の場合においても、まずは時効の理屈を理解されては如何でしょうか。

理解しても、弁済を実行して債務者としての責任を果たすために、時効を活用しなければいいだけなのです。

そんな債務者であろうとも、遅延損害金や、債権者の回収姿勢といった現実が、時効の活用を検討させる可能性は低くありません。


時効の援用について、道義的に否定する方もおられる様です。

しかし、時効は、問題のある行為ではなく、批判されるべき行為でもありません。

何度も言いますが、時効は法律とで認められた、正当な権利なのです。



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2度目の時効中断・・・



時効は、債権者と債務者の、戦いの結果に存在するのかもしれません。

債権者は、時効を中断させようと手段を講じ、債務者は時効期間を完成させようと画策します。

悪いことをするわけではなく、法律で認められた権利を行使しようと、お互いが知恵を絞り合うのです。

決められた期間に向けての、時間との勝負が時効ということになるなのでしょう。



まさか、ここまで諦めずに厳しい追及をしてくるとは、債務者企業は思いもよらなかったことでしょう。

信用保証協会が、なんと、2回目になる時効の中断を仕掛けてきたのです。

前回は、銀行からの借入金が期限の利益の喪失をして、信用保証協会に代位弁済をされてから4年半後に、訴訟という請求行為によって時効の中断をされました。

それから9年半になりますが、またもや2回目の訴訟で時効の中断を図ってきたのです。

金融機関からの借入は、仕事上の商事債権として時効期間は5年ですが、訴訟による確定判決によって10年となります。

債権者が、時効を中断しようというのは、その間、支払いによる承認などの時効の中断行為がないということであり、債務者は何年も弁済ができていない状況にあったということになります。

実際、この債務者企業も、4年半と9年半の合計14年間、1円の弁済もできていない状況でした。

そんなに長期間に亘り、弁済出来ない債務者に対して、手間暇かけて時効を中断しても意味がないように思います。

ただ、期限の利益の喪失をして代位弁済後の最初の時効期間(5年間)の完成間近においては、信用保証協会は手続きとして時効の中断を図ってくるのが一般的です。

しかし、訴訟による時効の中断後、10年という長い年月において全く弁済できていない債務者に対して、高額の費用を掛けて時効の中断をしても『債権回収』という目的においては意味がないでしょう。

だから、債権者が2回目の時効の中断を仕掛けることは考えにくいのです。

ところが、信用保証協会は、前回の訴訟による時効の中断以降、1円の弁済もしていない債務者企業に対して、またもや訴訟により時効の中断を仕掛けてきたのですから驚きます。

長年、債権債務処理に関する業界に関わってきましたが、こんな事例は極めて珍しいと思います。



よく、債権回収専門の金融のプロが、時効など完成させるはずはないという方がおられますが、実際はそんなことはありません。

債権者が、債権回収を諦めて、自然な流れとして時効期間の完成する債権など、珍しくもありません。

債務者として、長年に亘り弁済が出来ておらず、現実的に弁済する資力も目途もなく、時効を中断しても意味がない債権に対して、新たに費用や労力をかけるのは意味がありません。

したがって、往々にして信用保証協会は、最終的に放置という形態で、時効期間の完成を容認することになるのです。

この債務者企業の場合も、本来であれば、最初の訴訟による時効の中断以降は、最終的に放置をされてしかるべき債権だったのかもしれません。

ところが、信用保証協会として、この債務者企業の案件に限っては放置しておけない理由がありました。

たとえ、高額な費用を掛けてでも、2度目の訴訟であろうとも、時効を中断しなければならないという特殊な事情があったのです。

よく見受けられるように、この債務者企業も、第2会社を作って事業を継続していました。

名称も資本関係も、役員についても債務者企業とは違いますから、第2会社の人格は完全に異なるということになります。

ところが、第2会社の業務内容や営業形態は、債務者企業と全く同じでした。

しかも、第2会社の事業所は、債務者企業と全く同じ場所であり、名称,資本,役員以外は、全て債務者企業と同じであり、事業をそのまま承継していたのです。


そして、その具体的な事実を、信用保証協会は完全に把握していました。

債務者企業は返済できないのではなく、作為的に返済しなかったという事実を知っていたのです。


弁済できないはずの債務者企業が、詐害行為として追及できないダミーの第2会社を作り、そこに得意先や仕入れ先,従業員などを引き継ぎ、事業を承継させて順調に経営を続けていることを、信用保証協会は具体的に把握をしていました。

この事実を、見逃すわけにはいかなかったのでしょう。

本来であれば、十分に弁済できる状況であるはずなのに、第2会社に事業を逃がして弁済しようとしない債務者企業を、信用保証協会は許せなかったのかもしれません。

その結果、普通であれば、時効期間が完成して不思議ではないのに、ありえない2回目の訴訟をしてまで、時効の中断を仕掛けてきたのです。



複数回に亘り、債権者が時効の中断を仕掛けてくるというのは、よくある事ではありません。

債務者企業が、第2会社を作って、ここに事業を承継させるのも珍しいことではありません。

ただ、その具体的な事実を、債権者である信用保証協会に知られてしまったというのは、第2会社としては大失敗だということになるのでしょう。



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