かっとばせ借金 打ち勝て倒産!!

資金繰りが悪化した中小零細企業の、経営危機打開や事業再生へ向けてのお手伝いをさせていただいています。 経営危機場面での知識や情報をご提供し、従業員や家族のために命がけで闘う経営者が、諦めずに闘う現場を善戦苦闘日記としてご報告いたします。

援用

時効についてのご相談・・・


時効についてのご相談が、確実に増えてきています。

時効を活用する機会が増えたわけではなく、ようやく、時効の認識が向上してきたのではないでしょうか。

時効など債権者が援用させてくれるはずがない・・・といわれる専門家も多いようですが、そんなことはありません。

金融事故を起こした中小事業者にとって、時効の援用は現実的な選択手段となっているのです。

世の中には、時効期間が完成しているのに、時効についての知識がないために放置されている不良債権が溢れていますから、この事実をしっかりと認識していただきたいと思います。



時効の援用に関する、基本的なご質問をいただきましたのでご紹介させていただきます。

Aさんは、30数年前に個人事業の資金繰りが厳しくなって、消費者金融から借入をされました。

しかし、高利のために資金繰りはさらに悪化し、返済できなくなって金融事故になってしまったのです。

Aさん自身は、その後に糖尿病に罹られ、今は生活保護を受けながら現在も闘病されています。

金融事故後は、1円の返済もできずに、督促などもなく現在に至っていました。

ところが、最近、突然に弁護士から督促状が届いたために、どの様に対応すればいいかというご質問をいただきました。

この様な場合、時効が中断されないまま30年が経過しているのですから、まず、借金の時効について検討をされるべきでしょう。

仕事上の債権の時効の期間である5年は勿論のこと、裁判などにより10年に延長されたとしても、時効の期間が完成している可能性は高いといえます。

したがって、対応は時効を中心に考えるべきだといえます。

この突然の弁護士からの督促状が、普通郵便での督促であるならば、そのまま放置すべきではないでしょうか。

意味のない対応をして、時効の中断につながっては面倒です。

もしも、次の段階の債権回収に移られれば、その時に時効の援用を考えられていいでしょう。

内容証明郵便での督促であれば、対応は変わります。

内容証明郵便で時効期間が猶予され、次のステージに移られる可能性がありますから、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、スムーズに時効の援用の手続きに着手されることをお勧めいたします。

時効期間が完成しているのですから、この事実を忘れず、喪失しないようにしてください。

援用により時効が完成すれば、借金は無くなるのです・・・。



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時効援用を成功させるために・・・


専門家は、時効など活用できないといいます。

債権回収のプロが、時効の援用などさせるはずがないというのです。

しかし、現実の債権債務処理の世界では、時効は有効に活用できるべき手続きだといえます。

現実的に、時効の期間が完成された借金は無尽蔵にあり、援用に成功した借金など珍しくもありません。

あれほど悩まされた借金も、時効でチャラにできる可能性があるということなのです。


時効とは、一定期間の経過により、権利の 取得・喪失という法律効果を認める制度のことになります。

権利の取得を認める取得時効と、権利が消滅する消滅時効があり、あの借入金も、消滅時効により返済義務が消滅する可能性があるということなのです。

仕事上の借入金は、最後の時効の中断(更新)から5年が経過し、時効の援用をすることで効力が発揮されると、返済義務が消滅することになります。

債権者は簡単に借入金をチャラになどしてくれませんが、それなりの知識を持って時効を上手く活用することで、夢の様な結果が手に入るかもしれないのです。

そこで、今回は、時効を上手く活用するポイントについてご説明したいと思います。


 ㋐ 時効を理解する

令和二年の民法改正により、時効も大きく見直しをされました。

中断や停止が更新や猶予と表現されるようになり、夫々に該当する事由なども見直しされたために、随分とややこしくなったように思いますが、中断という理屈については変わりませんので頭に入れておいてください。

時効を活用するには、最後の時効の中断をしっかりと把握することが最優先となりますから、専門書や信頼できるネット情報から理解を進めていただきたいと思います。(ここでご紹介するには、時間が掛かり過ぎますので・・・)


 ㋑ 時効を管理する

時効の管理とは、最後の時効の中断から、時効の完成期間となる5年間に亘って、新たに時効が中断されなかったかを確認することです。

具体的な管理方法としては、クリアーファイルで債権者毎に債務の関係資料を整理し、その最初のページには、最後の時効の中断についての理由と日時を書いた資料を入れておきます。

その内容を確認することで、いつでも時効の状況が把握できて、有効な援用が可能になるということです。


 ㋒ 主債務と保証債務の中断

主債務の存在により、連帯保証人などの保証債務は存在します。

これを付従性といい、主債務が無くなれば、保証債務もなくなるということになります。

したがって、時効の中断については、主債務のみに留意することで活用が可能となるのです。

表現を変えれば、保証債務は時効が中断したとしても、主債務の時効中断が五年間に亘りなければ、時効の援用は可能ということになります。


 ㋓ 裁判は回避する

当然、債務者が時効の援用をしないように、債権者も様々な対応とってきます。

時効期間完成の半年ほど前になると、少しでも支払うか債務承認書にサインするように債権者が強く求めてきますし、それが駄目ならば、裁判を起こし時効の中断を狙ってくるのが一般的です。

ご存じのように、裁判の判決が確定すると、時効の完成期間が5年間から10年間になってしまいます。

時効の活用をしようとするならば、当然に時効期間は短い方がいいわけですから、この様場合は裁判を避けて、素直に債務承認書にサインすべきなのかもしれません。


 ㋔ 確実に時効期間を完成させる

時効の活用は、時効期間を完成させることから始まります。

しかし、時効の活用は、専門家でも難しく、失敗することが珍しくありません。

時効期間が完成したと思っていても、実は、途中で中断して、完成していないことも珍しくないのです。

本当に時効期間を完成させるためには、しっかりと管理をして、意識して取り組むことは不可欠だといえるでしょう。


 ㋕ 時効は援用しない

時効は、期間を完成させて援用することで、初めて効力を発揮します。

しかし、我々は、相続が絡んだりして援用の必要に迫られない限り、能動的に時効の援用をすることはありません。

なぜならば、時効の期間が完成したと思っていても、実は完成していなかったということが少なくはなく、援用が失敗に終わることも珍しくないからです。

時効期間完成後に、裁判をされるとか、差押えされるなどの対応を取られた場合に限り、初めて時効の援用をするようにしています。

多くの場合、別に援用をしなくても、大きな影響などない状況でしょうから、あえて債権者を刺激することは避けるという考えになります。


以上が、実際の現場から得られた、時効活用のポイントとなります。

時効活用が難しいのは事実ですが、沢山の時効の援用が成功していることも事実なのです。

上記ポイントを活用し、ポジティブな姿勢で時効の活用に取り組んでいただきたいと思います。

時効は、何ら臆する必要のない、合法的な債権債務の最終処理手段なのですから、前向きにャレンジされることをお勧めいたします。



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時効を援用すべきか・・・


様々な対策を実施して、より良い結果を求めるのは当然のことだと思います。

しかし、専門家にすれば、その先の結果がどうなるかは、ほぼ想定できるといえます。

それは、過去の経験から導き出された範囲にしか、結果という答えが生まれないことが判っているからです。

ところが、金融環境が様変わりする環境において、その想定範囲も大きく狂いだしています。




コロナウイルスは、様々な常識を驚くほどに変化させてきました。

それは、金融や経営に関しても同じで、当たり前だったはずのことが、当たり前でなくなってきているのです。

特に、債権債務処理の最前線では、その傾向が顕著になってきている様に感じます。

通常では考えられない様なパターンの時効が、最近、立て続けに成功をしました。

『時効』は、ある事実状態が一定の期間継続した場合に,権利の 取得・喪失という法律効果を認める制度のことになります。

借金なども、消滅時効により返済義務が消滅する可能性があり、債権債務の最終処理として合法的な極めて有効な手段だといえるのです。

ただ、貸付をしている債権者の金融機関等は、時効の成立により債権回収できなくなれば大変ですから、金融のプロとして時効を簡単に成立などさせてくれません。

一般的にも、時効は制度として存在しているだけで、債権者が当たり前の様に時効を阻止し、実際に活用するのは不可能だと思われているところがあります。

ところが、債務者がご存じないだけで、一定の条件において、時効の期間が完成している債権は、驚くほど多く存在しています。

また、時効の援用が成功して、時効が成立してしまっている債権も、現実的には少なくないのです。

この様に、時効は実際に活用できる債権債務処理手段なのですが、当然に取り組みは簡単ではありません。

ところが、その簡単に成立しないはずの時効が、コロナ終息以降、驚くような状況で成功をしています。

Aさんは、経営する事業の経営が厳しくなり、日本政策金融公庫からの借入も金融事故となりました。

事業も継続ができず放置状況となり、実際に倒産状況の中で公庫に呼ばれました。

状況を確認した公庫の担当者は、返済できる状況にないことを理解し、しばらく様子を見ましょうということになりました。

これが5年以上前で、その後、コロナウイルス感染の異常環境となり、何の連絡もないまま現在に至っています。

Aさんは時効について勉強し、しっかりと管理もして、裁判などの請求も,債務承認書などの承認も,仮差押などについてもチェックをされています。

時効の中断がないまま5年が経過し、時効の期間は完成しました。

普通であれば、ここで時効の援用をされるのでしょうが、Aさん取り組もうとされません。

何故なら、日本政策金融公庫が何もしてこないのに、わざわざ事を荒立てる様な時効の援用に、現状において取組む必要が無いからです。

公庫が、何かしてきたら、時効の援用をしようと考えておられます。


Bさんは、親戚の経営する会社の、信用保証協会の保証付き融資の連帯保証人をされていました。

その親戚が経営する会社の経営が悪化して金融事故となり、信用保証協会に代位弁済をされました。

その後、知り合いから時効が使えるのではと教えられ、Bさんはいろいろと調べられました。

すると、親戚が個人名で少額を弁済していた時期はありますが、主債務者である会社は弁済をしたことがありません。

さらに調べ、請求や承認,仮差押なとがないことも確認し、時効の期間が完成している可能性が高いことが判りました。

このまま放置という選択もあるのですが、Bさんはご高齢で、子供たちヘの相続も視野に入れる必要があります。

何もしなければ、信用保証協会の保証債務を、子供たちに相続させてしまう可能性があるため、大きな決断をされました。

時効の期間は完成していると判断し、信用保証協会に時効の援用をされたのです。

随分と悩み、勇気を持って取り組んだ決断でした。

もしも、どこかで時効が中断されていれば、信用保証協会を刺激することになってしまうからです。

しかし、結果は大成功で、保証債務は無くなりました。

時効の援用が認められ、信用保証協会から『消滅時効完成のお知らせ』が送られてきたのです。

通常、時効の援用が成功しても、その後、請求が止まるだけで、この様な通知は送られてきません。

時効の援用に取組んだ債務者は、結果が判断できず、しばらく悩むことになってしまいます。

しかし、最近の信用保証協会は、この様に『消滅時効完成のお知らせ』をしてくれるようになり、債務者にとっては判りやすくなりました。



債務者として、時効期間が完成しているとすれば、時効の援用をして借金を無くしたいと考えるのは当然なのかもしれません。

しかし、時効期間が経過しただろうということで、簡単に時効の援用はされない方が良いと思います。

何故なら、時効の援用の失敗事例が少なくないからです。

その原因の多くは、時効の中断を把握していなかったことに尽きます。

弁護士に時効の援用を依頼された場合も、間違いなく中断がないのか何度も確認をされますが、債務者が把握をされていないのです。

覚えていないところで債務承認書にサインをしていたとか、担保不動産処分で返済をしていたとかにより、時効の中断されていた事例は少なくありません。

しっかり時効の管理をしていたと思っていても、どこかで抜けていたということですから、あえて時効の援用に取組む必要はないのかもしれません。

債権者が何もしてこなければ放置し、債権者が何かしてくれば時効の援用をする、この様に捉えるべきだと思います。



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不良債務の相続と時効・・・


父親が亡くなり、借金の存在に気付いて大慌てされる事例は少なくありません。

特に、事業の経営者が亡くなったりすると、事業資金の借入や、連帯保証人としての保証債務が存在していることも珍しくもありません。

株式を相続して・・・事業を承継して・・・と、簡単に考えていたことが大きく狂ってしまうかもしれないのです。

事業を経営されている場合、経営者は相続も視野に入れて対応する必要がありますが、特に、負債については内容が具体的に把握できるように資料を用意し、いざという時に慌てないように準備しておくことが必要だと思います。



元経営者の相続について、興味深いお問い合わせをいただきましたので、詳細をご紹介したいと思います。

そのご夫婦は、力を合わせて事業を展開されておられました。

当時はバブル経済下で、銀行や政府系金融機関等から1億円を超える資金を借入し、ご夫婦共に連帯保証人になり、事業の拡大も図っていました。

ところが、バブル崩壊と共に経営状況は一変してしまったのです。

そして、順調だった事業が厳しくなるのに時間はかからず、経営が破綻したのは30年ほど前の話です。

その後、経営者夫婦は離婚をされ、子供さん3人はご夫人が引き取られました。

ここ20年程は、ご夫婦間や父親と子供間の交流は途絶えていましたが、最近、お父様が亡くなられたとの連絡が入りました。

お父様は、亡くなるまでお一人で生活をされておられ、法定相続人は子供さん3人だけということになります。

音信が途絶えてから長く、お父様の状況を全く把握できていなかったので、遺品を調べてみます。

すると、相続対象として、2000万円程度の現預金と、1億円を超える負債の存在が判りました。

その負債は、30年ほど前に金融事故になった、政府系金融機関からの借入元本の残債であり、遅延損害金を含めるとはるかに膨大な金額になると思われます。

この相続をどうするかについて、母親と兄弟で相談をしました。

1人の兄弟は、2000万円程の現預金が有るので、それに見合う負債だけを相続する「限定承認」を検討するといいます。

もう1人の兄弟は、遅延損害金を含む負債が多すぎるので、相続放棄をする手続きに入ろうとしています。

残る兄弟は、相続についてまだ悩んでおられますが、相談相手のお母さんには、政府系金融機関と連帯保証人として対応した記憶が残っておられます。

それは、離婚後しばらくは、毎月3000円程をお母さんが連帯保証人として返済をしておられたのですが、ある日、政府系金融機関の担当者から、「もはや完済は不可能なのでこれ以上の返済は不要であり、今後、この件について連絡はしないでほしい・・・」と連絡が入ったのです。

それにより、返済を止めましたが、それ以降は一切連絡も入らなくなったため、お母さんはこの借金は決着したのだろうと思っていたそうで、これが15年ほど前の話になります。

お父様が、離婚後、政府系金融機関にどの様な対応をされていたか、具体的なことは一切判りません。

したがって、1億円を超えるであろう負債がどうなっているのか、正確に把握できないまま相続を検討しなければならないのです。

この様な状況で、相続に悩んでおられる方からご相談とともに、以下のような質問をいただきました。


(1) 時効期間について
Q,政府系金融機関の場合の時効は、5年なのか10年なのか解釈が微妙なようですが、10年が正しいのでしょうか?

A,・・・時効期間は、最後の更新(中断)から5年が基本になります。
  これは、営利目的ではない政府系金融機関でも信金信組でも、商人が借入をしていますので、時効期間は5年です。(昨年4月1日の民法改正で、商人でなくとも5年になりました。)
  ただし、裁判などで判決が確定した場合は10年となります。


(2) 債権譲渡と信用情報について
Q,債権がサービサーに譲渡された場合、信用情報から債務情報は削除されてしまうのでしょうか?

A,・・・政府系金融機関や信用保証協会などの公的な機関は、サービサーに債権譲渡をされることはありません。
  信用保証協会は、子会社の保証協会サービサーに債権回収の委託をしているだけです。
・・・信用情報機関の情報は、基本的に金融事故などが発生してから5年間(破産など法的手続きの場合は7年間)に亘り掲載され、その後は削除されます。
  したがって、ご両親の金融事故情報が残っているとは考えにくいです。


(3) 時効の援用について
Q,時効の中断が行われていなかった場合、時効の援用が可能だと解釈していますが、私と母は最終返済日の正確な日付の証拠は何も持っていません。
その状態でも時効の援用は可能なのでしょうか?

A,・・・時効の援用をした場合、当然に、債権者は自らが保持する情報の中で判断をします。
  政府系金融機関においても、必ず時効の管理はしているでしょうから、正確な最終の時効の更新(中断)の日付は理解していると思います。
  したがって、こちらが時効の援用をしたとすると、債権者が持っている情報の中で時効期間が完成していれば、それで時効は成立することになります。
  その後、請求されることはなくなることが時効成立の答えですが、最近は、信用保証協会などは時効が成立した通知をしてくれる場合もあります。


(4) 債務承認について
Q,私が国民金融公庫へ父の不良債権について問い合わせをすることは債務の承認にあたるのでしょうか?

A,・・・時効期間が完成していないとして、電話でその旨を確認をされたとしても、誰が電話したという明確な証拠がありませんから、債務承認を証明できないのではないでしょうか。
  また、相続前であれば、当事者ではありませんから、当然に承認には当たらないでしょう。
  ただ、この段階で、相続をされていない方に、公庫が情報を教えてくれるとは考えにくいです。


(5) 時効の援用失敗による再請求
Q,母への催促が再開してしまった場合、月々の返済額等どういった想定になるでしょうか?
母が返済を行っていた時は月数千円でしたが、今では状況が代わっているため、その程度ではすまないと思っています。

A,・・・遅延損害金が、14.6%ほどかかりますから、おおよそ7年間で債務は倍になります。したがって、30年前に期限の利益の喪失をしたとすると、債務額は元本残債の4倍以上になっているでしょう。
  元本が1億円と仮定すれば、総額5億円の債務ということになり、物理的に完済は不可能ではないでしょうか。
  また、政府系金融機関や保証協会は、残債額に関係なく、債務者の状況合わせて弁済額を検討してくれることがほとんどです。


⑹ 資産の差押について
Q,この状況の場合、マンションや給与の差し押さえまで想定する必要があるでしょうか?

A,・・・単純に相続をされ、債務が残っていた場合、不動産や給与,預金等に対して何らかの対応をしてくることは考えられます。
  ただ、訴訟などされて債務名義がないと差押えはできず、仮差押しか実施できません。



最後に、ご質問についての、私の捉え方をまとめさせていただきます。

まず、政府系金融機関は時効を完成させる事例が多いという現実があります。

特に、債務者が弁済できない様な、経済的に厳しい状況にある場合、その環境に合わせた対応をしてきます。

最近は、債務者が生活破綻状況にある場合などは、無茶な債権回収はせず、そのまま放置という事例も珍しくありません。

また、お問い合わせの案件においては、お母さまに対して15年以上前に政府系金融機関から連絡があり、今後の弁済が不要と通知をされています。

この様な場合、保証人だけではなく、主債務者に対しても同じような対応を取っていると考えるのが自然だと思います。

詳細を把握していませんので断言はできませんが、お父様の経済環境を考えると、上記により、たとえ訴訟などにより確定判決が出されて時効期間が10年になっていたとしても、30年が経過した現在においては、時効期間が完成している可能性は低くないと思います。


限定承認をされるということであれば、資産額と同額の負債を相続することになり、もしも、負債を請求されることがあれば相殺をするだけのことですから、手続き費用などは掛かるものの大きな損には繋がりません。

この場合のリスクは小さいといえます。

以上です。



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時効で借金が消えるのはいつ・・・


友人に頼まれて、4年前にお金を貸しましたが、返済してくれませんし、なかなか請求できるものでもありません。

友人の置かれた厳しい状況も判っていますし、必ず返すと言ってくれもいますし、何より友人としての情が優先してしまいます。

もしも、返済してくれなくても、時効は10年ですから、まだまだ請求する期間はあり、慌てる必要はありません。

ところが、この消滅時効の期間が、この4月1日から短縮をされるのです。



借金の返済や、未払い金の支払は債務者の義務であり、債権者にはその請求権があります。

その請求権を、一定期間行使しないと、時効によって権利が消滅をします。

これにより、支払いをしなくて良くなるのが、消滅時効の完成ということになります。

支払をしなくても良いといっても、借金が無くなるわけではなく、請求権が消滅するということですので留意してください。


そして、行使しないと請求権が無くなるという一定期間は、債権の種類によって異なるので注意が必要です。

まず、借金においても、民事債権と商事債権に分かれ、時効期間も民事債権は10年,商事債権は5年とされてきました。

民事債権は個人間の借金で、商事債権は商人が当事者となる借金になります。

たとえば、信用金庫は商人ではありませんから、信用金庫が個人に貸した場合の時効期間は10年ですが、信用金庫が事業者(商人)に貸した場合の時効は5年となります。

この民事債権としての10年の時効期間が、この4月1日から大幅に短縮をされ、商事債権と同じ5年間になります。

そして、民事と商事の区別が不要になったため、商事時効の5年という中断期間も廃止されることになりました。

冒頭の例でいえば、4年前に貸して、その後に時効の中断をしていなければ、時効完成の残り期間は1年程ということになり、のんびりする訳にはいなないということになるのでしょうか・・・。



また、職業別においても、今までは時効期間が異なりました。

給料や飲食費は1年,授業料や小売り代金は2年,診療費や工事代金は3年などといった様に、職業により細かく時効期間は決められており、極めて複雑でした。

これについても、この4月1日から、原則として5年に統一されることになったのです。

今までは、1年で消滅した飲食店の請求権が、今後は5年になるわけですから、簡単に時効を援用できなくなったということになります。


時効の期間について、一定期間行使しないという期間は、いつからいつまでの期間なのかについても理解しておく必要があります。

この民法の改正により・・・

債権者が権利を行使できることを知ったときから5年・・・

権利を行使することができる時から10年・・・となり、いずれか早い方によるということになりました。

この区別は判りにくいので、事例で考えてみます。

パソコンを購入する契約をして、買主はパソコンをその場で受け取りました。

この段階で、売主は請求という権利を行使できることになり、時効はここから開始して、10年ということになります。

しかし、現実的には、契約を結んでいますから、権利を行使できることを知っているということになり、時効期間は5年ということになるのです。

一般の売買において、売主は請求できることを(権利を行使できることを)知っていて当たり前でしょうから、この度の民法改正により時効期間は5年に短縮されたといえるのです。



今回の民法改正により、消滅時効の期間はシンプルで判り易くなったといえるでしょう。

そして、短期時効が5年に統一されたため、通常の社会生活においては、時効の援用は難しくなったともいえるのかもしれません。

次回は、時効の中断・停止の見直し等について、理解をしていきたいと思います。



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時効を有効活用する・・・



消滅時効とは、権利を行使できるのにも関わらず、一定の期間、行使されない権利を消滅させる制度のことです。

たとえば、金融機関が商店主にお金を貸したとしても、返済に関しての権利を一定の期間行使しなければ、その貸し付けたお金の返済を求める権利を失ってしまうということです。

商店主にすれば、借りたお金を返済する必要が無くなりますから、非常に有り難い話なのですが、金融のプロが、消滅時効など完成させるはずがないといわれています。

しかし、現実の世界では、消滅時効によって借入金を返済する必要のなくなった債務者は、数知れず存在しておられます。



最近、消滅時効に対する、金融関係機関の取り組み方は随分と変化してきたように感じます。

少し以前まで、信用保証協会は、絶対に消滅時効など完成させないという姿勢を堅持していました。

常に、時効の中断を図るという姿勢が明確であり、

  1. 僅かずつでも弁済を続けさせる。

  2. 一定期間ごとに、債務承認書を提出させる

  3. 裁判をしてでも、時効を中断させる

この様な方法で、何がなんでも、時効期間の完成は阻止しようとしていました。

ところが、信用保証協会も、微妙に消滅時効への考え方を変化させ、一定の状況であれば、容認するような姿勢を見せ始めているのです。



信用保証協会の求償債権についての消滅時効に関して、ご相談いただく件数は少なくありません。

東京信用保証協会だけでも、この1年間で4件のご相談をいただきました。

そして、その4件のうち、3件について消滅時効を完成させることができたのです。

しかも、失敗した1件は、代位弁済をされてから5年未満であり、商事債権としての5年という時効期間を経過していない債権ですから、完成できなくても仕方がないと考えられます。

残りの3件は、全て最初の5年目の時効は債務承認や裁判により中断をされ、2回目の時効期間となる10年から15年目を迎えるという債権でした。

この、2回目の時効期間というのが、消滅時効を完成させるポイントだと私は思っています。

最初の5年目は、私の持っている事例では、時効期間を完成させたものはありません。

しかし、2回目の時効期間では、驚くほど高い確率で、実際に時効期間を完成させているのです。

債権者である信用保証協会も、最初の5年目での時効期間の完成については、裁判をしてでも阻止しようとするのは、債権回収を専門とする立場を考えれば当然でしょう。

ところが、10年も15年も、まともに弁済しない債務者に対して、高い裁判費用を掛けてまで時効の中断をしても意味がありません。

意味がないというよりも、無駄に血税を使うことになってしまいますから、2回目の時効期間については、状況により諦めることが少なくないのだと思います。

我々は、信用保証協会が時効の中断を諦められるような状況を作りますから、2回目の消滅時効期間での完成の確率が極めて高くなるのです。



ここで、考えていただきたいことがあります。

1回目の時効期間の中断に際して、どう対応するかについてです。

信用保証協会は、スムーズに時効を中断しようと、少しでも弁済をさせるとか、債務承認書を提出させるとかの対応をしてきます。

しかし、多くの債務者は、対応などせずに放置をされるために、信用保証協会は最後の手段として手間暇をかけて裁判をしてくるでしょう。

確かに、1回目の時効期間の完成を目指して、債務者は自ら時効の中断などせずに、奇跡的な可能性にチャレンジしたくなって当然なのかもしれません。

しかし、1回目の時効期間の完成は、まず無理なのです。

しかも、その結果、信用保証協会は裁判をしてきますから、時効期間が5年から10年に延びてしまうのです。

本来は、代位弁済から10年目で2回目の時効期間を迎えるはずだったのに、なんと15年目になってしまいます。

そうすると、2回目での時効期間完成を目指す場合、期間が5年も伸びてしまうのですから、この選択について考えなければなりません。

1回目の時効の中断については、5年目間際に、少しでも払うか債務承認書にサインして中断をさせ、2回目の10年目での時効期間の完成を目指すというのが、最善の対応になると私は思います。



先日、東京信用保証協会の債権について、時効期間を完成させ『援用』までされたお客様から、貴重な文書をいただきました。

その文書は『消滅時効完成通知書』となっており、正式に時効が完成したことを、東京信用保証協会がわざわざ通知をしてくれた文書なのです。

本来、現実的に時効が成立していても、それを債権者が認めて通知してくることなどあり得ません。

私も、この『消滅時効完成通知書』を、初めて目にして驚きました。

しかし、信用保証協会は、時効に関してだけではなく、債権債務処理全般に関して、債務者に寄り添う方向に変化しているようなのです。



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時効は完成したのか・・・



もう、これで、本当に時効は援用できるのでしょうか。

しっかりと調べ、万全の準備を進めてきましたから間違いはないと思います。

債権者である金融機関と、ギリギリの攻防を続け、消滅時効の期間を完成させようと頑張り、5年という期間が経過をしました。

しかし、間違いないかと確認をすればするほど、何故か不安になってしまうのです。



借入金の消滅時効を活用しようというのは簡単ではありません。

専門家でさえ、時効の援用において失敗することが珍しくないのです。

そんな借入金の消滅時効で、一番難しい期間の完成について、すごく参考になる事例がありましたのでご紹介をしたいと思います。

埼玉で小売り事業を展開されていたKさんは、リーマンショック以降に業績が悪化し、リスケジュールで資金繰りを確保されてきました。

しかし、さらに資金繰りは厳しくなり、平成25年1月分を最後に利息さえも支払えなくなり、同年の4月に金融機関借入は期限の利益の喪失をして、同年5月に信用保証協会に代位弁済をされてしまいました。

その後、同年6月末に、信用保証協会から、今後の弁済について呼び出しがあり、債務承認書に署名押印するように言われたので、主債務者である会社名で署名押印をして提出をいたしました。

その時に、毎月5000円の弁済をする約束もしたのですが、弁済すべき原資がなかったので約束通りに支払えませんでした。

すると、信用保証協会から厳しい督促があったので、平成26年11月と12月の2度、連帯保証人であるKさん名で5000円を振り込まれました。

それ以降、弁済等の時効の中断事由に関わる行為はなく、現在に至っています。



この様な流れの場合、最後の時効の中断は何時になるのでしょうか。

ポイントとして考えられるのは、以下の4つのポイントになると思います。

  A) 最後に利息を支払った・・・平成25年1月。
  B) 信用保証協会に代位弁済をされた・・・平成25年5月。
  C) 信用保証協会の債務承認書に署名押印した・・・平成25年6月。
  D) Kさんが最後に5000円を弁済した・・・平成26年12月。

以上の4ポイントについて、最後となる借入金の時効中断がいつなのかを考えてみます。

まず、間違いなく時効が中断するのは、最後に利息を支払ったA)と債務承認書を書いたC)になるでしょうから、C)の方が後になりますからA)は消えることになります。

また、B)の代位弁済も時効の中断事由になりますが、C)よりも早いタイミングですので、B)消えてC)が残ることになります。

すると、Kさんが最後に5000円を弁済したD)が、時効の中断としてどの様に効力があるのかという問題になります。

Kさんは、連帯保証人として5000円を弁済されていますので、主債務と保証債務の関係を考慮しなければなりません。

連帯保証人としての保証債務は、借入をした会社の主債務に対して付従性があり、主債務が存在するから保証債務が存在し、主債務が無くなれば保証債務もなくなります。

この付従性は、今回のKさんの事例における時効期間完成の重要なポイントになります。

もう1つのポイントとして、消滅時効の面から保証債務と主債務の関係を考えると、主債務への時効中断行為は、全て保証債務に対しても影響し連動します。

しかし、保証債務への時効の中断行為は、請求(訴訟など)を除き、主債務には影響しないのです。

これらを前提に、今回のKさんの事例を考えてみると、平成26年12月にKさん個人名で5000円を弁済されておられます。

したがいまして、この平成26年12月の弁済においては、Kさんの保証債務については時効中断をしていますが、主債務については時効中断をしていないことになります。

そうなると、主債務の最後の時効の中断は、C)の、平成25年6月の信用保証協会の債務承認書に署名押印したタイミングということになるのです。

したがって、主債務については、平成30年6月で商事債権の時効期間である5年が経過し、時効期間を完成させたということになります。



Kさん個人の保証債務は、外形的に時効が完成していないと考えられます。

しかし、主債務が時効により消滅すれば、付従性により保証債務も消滅しますので、Kさんの保証債務についても時効期間が完成したという事になるのです。

ただし、主債務も保証債務も、時効期間が完成したという事であり、まだ、時効により債権債務が消滅したわけではなく、内容証明郵便で、債権者である信用保証協会に向けて時効の援用をしないと、債務は消滅しません。

ここで、多くの方は、直ぐに時効の援用をしてしまい、失敗される方が少なくありません。

知らないところや、記憶のないところで時効の中断をしていることがあり、まだ時効期間が完成していないのに時効の援用をしてしまい、結果として債権者を怒らせて、より厳しい債権回収をされることが珍しくないのです。

したがいまして、時効期間が完成したからといって、直ぐに時効の援用はしない方が良いと思います。

債権者が、強硬な債権回収を仕掛けてきたときに、時効の援用をするという考えでいいのではないでしょうか。

借入金についての時効の活用は、非常に微妙で難しい対応になりますので、しっかりと情報を集め、根気強くフレキシブルな対応求められます。



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時効を管理する・・・



借金は、時効により、請求されなくなる可能性があります。

銀行などのお金のプロが、時効など活用させるはずはないと主張される専門家も多いようですが、それは現場を知らない方の間違った情報だといえるでしょう。

時効は、法律で定められた制度ですから、活用することに抵抗感を持つ必要もありません。

現実的に、債権回収の場面で時効は有効に活用されていますし、最後の最後には、時効の出番が必ず訪れるのです。



ご相談者の最終的な債務処理において、私は時効の活用を積極的にお勧めしています。

何ら道義的に反するものでもありませんから、胸を張って積極的に取り組まれるようにアドバイスしているのです。

ただ、時効期間という長期の時間が必要であり、その間の具体的な対応が前提となるうえに、債権者という相手がいますから、時効の活用が簡単ではないというのは現実だと思います。

それでも、ご相談者の債務処理において、時効期間を完成できた事例は50件を超えていますから、時効は狙って活用できるものだといえるのではないでしょうか。

※ ここで、『時効の援用』と表現せずに、『時効期間を完成できた事例』と表現したのは、ご相談者の勘違いなどにより途中で時効が中断していたりすることもあるため、時効の期間が完成したと思っても、何か具体的な請求が等がない限り援用をしないことが多いからです。




十数年の間、時効の活用に取り組んできて、時効を有効に活用できる環境について、凡そ理解できたのではないかと思います。

そして、時効を有効に活用するためのポイントも、明確になりました。

ポイントとしては、『時効の理屈を知る』ことと、『時効の管理をする』という事になります。

時効の理屈を知るというのは、時効期間や中断事由などといった、借金に関する時効の基本を理解するという事であり、活用を目指すのであれば当然のことでしょう。

そして、もう一つの時効の管理をするというのは、時効の中断について対応するという事になります。

進行している借金の時効について、新たな中断をさせないようにしたり、最後の中断がいつかについて把握をするということになるのです。

時効の活用を目指すというのは、時効の中断を極力回避して、時効期間を完成させるべく取り組むという事になります。

したがって、時効の基本的な知識を前提に、中断をさせないように債権者と対応することが求められます。

そして、その最後の時効の中断についての情報を把握しておくことが、時効を活用する要諦となるのです。

時効についてのご相談において、この最後の時効の中断を把握されておられないご相談者は少なくはなく、この把握ができていなければ、時効の活用など難しいといえるでしょう。



時効を活用するために、最後の時効の中断がいつであったのか記録しおくことをお勧めいたします。

多くのご相談者が整理されておられるように、期限の利益の喪失後は、債権債務毎にファイルを作成してみてください。

最低でも債権者ごとに、できれば債務ごとに、資料や通知書類などを分類して、ファイルにまとめていただくと管理はしやすくなります。

そして、ファイルの一番目立つ場所に、最後の時効の中断について明記しておいてください。

最後の時効の中断について、その中断事由や、中断日、それに関わる要点などを明記しておくのです。

この最後の時効の中断について管理できてこそ、時効の活用の可能性は高くなるといえるでしょう。



時効に関して、詳しく理解されているご相談者は少なくありません。

しかし、ご自身の債務についての、最後の時効の中断が明確でないご相談者も少なくないのです。

返済していたことなどが記憶から飛んで、最後の時効の中断日を勘違いされているご相談者も多く、そんなあやふやな記憶で時効の援用をすれば、良い結果を得られるはずもありません。

時効を援用したのに、債権者から時効期間が完成していないことを指摘されることも珍しくはないようで、結果として、債権者の神経を逆なでして、今まで以上に厳しい債権回収に晒されることにもなりかねません。

時効を狙う場合は、早い段階から知識を身につけ、しっかりと準備と記録をしておくようにしなければならないでしょう。



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『不当回収』・・・



時効債権『不当回収』横行・・・!!!

今朝の産経新聞の、非常に興味深い見出しです。

消滅時効が、すでに完成しているのに、債権回収を図る業者による取り立てが横行しているという記事になります。

食事の手を止めて、記事を注視して読み進めますが、どうも時効を都合良く勘違いしている様な記事で驚きました。



産経新聞の記事は、消滅時効が期間的に完成している債権に対して、債権者が取立をしていることを取り上げて、『不当回収』と表現をしています。

期間的には完成していても、時効の援用もされていない、まだ請求権の残っている債権の取り立てを『不当回収』として追及しているのです。

たとえば、20年前に最後の時効の中断をした23万円について、債権者である業者から突然に利息分も含めて簡易裁判所に提訴をされたというものです。

訴状に驚き、業者に電話をすると、給料の差押の可能性を示唆されたのですが、裁判期日を都合で欠席したため、業者側の請求を認める判決が出されるという結果になりました。

他にも、時効期間が過ぎた80万円の債権について、債権者である業者が、突然に債務者の自宅に取立に来たという事例が紹介されています。

債務者は驚き、業者から言われるままに5000円を支払ったところ(承認による時効の中断)、業者は簡易裁判所に提訴したということです。

これらの債権は、時効の期間は完成していますが、この時点において時効の援用はされていません。

したがって、時効の期間は完成していても、請求できる権利は残っており、債権者はその権利を実行していたに過ぎないということになります。

ただ、業者が追及してきた段階で、債務者が時効の援用さえすれば、それ以上の追及はなされない債権でもあったということにもなります。

この様な、借主の無知に乗じたような悪質な債権回収の場合は、その悪質性を考慮して時効適用を認める司法判断もあるということですが、悪質という表現には違和感を持ってしまいます。



これらの事例は、法律に規定された『時効』を知らなかったために招いた悲劇になります。

時効の基本さえ理解していれば、この様な結果にはならなかったでしょう。

さらに、表現を変えると、今でも当たり前の様に世の中で発生していることで、別に珍しくもない事例だといえます。

産経新聞は、時効というテーマで記事にされていますから、さも、取り立てをしている業者が悪質であるという表現をされていますが、それは間違っていると思います。

たとえ、時効期間を完成している債権であろうとも、債権者は諦めずに取立をしてくるのが現実なのです。

公的な機関である信用保証協会などにおいても、時効期間が完成している債権について、時効の援用がなされていなければ、当たり前の様に債権回収を図ってきます。

それが債権者の権利であり、債権回収という当たり前の手続きだからです。

記事に紹介されている債権者の業者など、別に珍しくもありませんし、その行為も批判されるものではないでしょう。



我々の立場からいえば、債権回収は、債権者と債務者の命を掛けた戦いです。

債権者は、活用可能なあらゆる手段を講じて債権回収を仕掛けてきますし、債務者は、債権者の動きを予想して事業や資産や人生を守るために最善の対応をします。

そんな厳しい戦いの中でも、債務者は僅かな望みをもって、『時効』という可能性にチャレンジし、債務の消滅を目指すことになります。

しかし、債権者も、債権回収を保全するために、『時効』にも十分な配慮を持って対応してきますから、簡単に時効の援用などさせてはくれません。

したがって、時効期間が完成しているからといって、時効の援用もしていない債権の回収について、債権者が勝手に諦めてくれるはずもありません。

『不当回収』などと呼べるような、そんな甘いものではないのです。



債務の処理について、時効を活用する気があるのでしたら、まず時効について具体的な理解を図るべきだろうと思います。

そして、理解をしたうえで、債務を処理するために、時効の援用を目指すべきではないでしょうか。

借りた責任から、払うという意思をお持ちで、時効など考えないという債務者の場合においても、まずは時効の理屈を理解されては如何でしょうか。

理解しても、弁済を実行して債務者としての責任を果たすために、時効を活用しなければいいだけなのです。

そんな債務者であろうとも、遅延損害金や、債権者の回収姿勢といった現実が、時効の活用を検討させる可能性は低くありません。


時効の援用について、道義的に否定する方もおられる様です。

しかし、時効は、問題のある行為ではなく、批判されるべき行為でもありません。

何度も言いますが、時効は法律とで認められた、正当な権利なのです。



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2度目の時効中断・・・



時効は、債権者と債務者の、戦いの結果に存在するのかもしれません。

債権者は、時効を中断させようと手段を講じ、債務者は時効期間を完成させようと画策します。

悪いことをするわけではなく、法律で認められた権利を行使しようと、お互いが知恵を絞り合うのです。

決められた期間に向けての、時間との勝負が時効ということになるなのでしょう。



まさか、ここまで諦めずに厳しい追及をしてくるとは、債務者企業は思いもよらなかったことでしょう。

信用保証協会が、なんと、2回目になる時効の中断を仕掛けてきたのです。

前回は、銀行からの借入金が期限の利益の喪失をして、信用保証協会に代位弁済をされてから4年半後に、訴訟という請求行為によって時効の中断をされました。

それから9年半になりますが、またもや2回目の訴訟で時効の中断を図ってきたのです。

金融機関からの借入は、仕事上の商事債権として時効期間は5年ですが、訴訟による確定判決によって10年となります。

債権者が、時効を中断しようというのは、その間、支払いによる承認などの時効の中断行為がないということであり、債務者は何年も弁済ができていない状況にあったということになります。

実際、この債務者企業も、4年半と9年半の合計14年間、1円の弁済もできていない状況でした。

そんなに長期間に亘り、弁済出来ない債務者に対して、手間暇かけて時効を中断しても意味がないように思います。

ただ、期限の利益の喪失をして代位弁済後の最初の時効期間(5年間)の完成間近においては、信用保証協会は手続きとして時効の中断を図ってくるのが一般的です。

しかし、訴訟による時効の中断後、10年という長い年月において全く弁済できていない債務者に対して、高額の費用を掛けて時効の中断をしても『債権回収』という目的においては意味がないでしょう。

だから、債権者が2回目の時効の中断を仕掛けることは考えにくいのです。

ところが、信用保証協会は、前回の訴訟による時効の中断以降、1円の弁済もしていない債務者企業に対して、またもや訴訟により時効の中断を仕掛けてきたのですから驚きます。

長年、債権債務処理に関する業界に関わってきましたが、こんな事例は極めて珍しいと思います。



よく、債権回収専門の金融のプロが、時効など完成させるはずはないという方がおられますが、実際はそんなことはありません。

債権者が、債権回収を諦めて、自然な流れとして時効期間の完成する債権など、珍しくもありません。

債務者として、長年に亘り弁済が出来ておらず、現実的に弁済する資力も目途もなく、時効を中断しても意味がない債権に対して、新たに費用や労力をかけるのは意味がありません。

したがって、往々にして信用保証協会は、最終的に放置という形態で、時効期間の完成を容認することになるのです。

この債務者企業の場合も、本来であれば、最初の訴訟による時効の中断以降は、最終的に放置をされてしかるべき債権だったのかもしれません。

ところが、信用保証協会として、この債務者企業の案件に限っては放置しておけない理由がありました。

たとえ、高額な費用を掛けてでも、2度目の訴訟であろうとも、時効を中断しなければならないという特殊な事情があったのです。

よく見受けられるように、この債務者企業も、第2会社を作って事業を継続していました。

名称も資本関係も、役員についても債務者企業とは違いますから、第2会社の人格は完全に異なるということになります。

ところが、第2会社の業務内容や営業形態は、債務者企業と全く同じでした。

しかも、第2会社の事業所は、債務者企業と全く同じ場所であり、名称,資本,役員以外は、全て債務者企業と同じであり、事業をそのまま承継していたのです。


そして、その具体的な事実を、信用保証協会は完全に把握していました。

債務者企業は返済できないのではなく、作為的に返済しなかったという事実を知っていたのです。


弁済できないはずの債務者企業が、詐害行為として追及できないダミーの第2会社を作り、そこに得意先や仕入れ先,従業員などを引き継ぎ、事業を承継させて順調に経営を続けていることを、信用保証協会は具体的に把握をしていました。

この事実を、見逃すわけにはいかなかったのでしょう。

本来であれば、十分に弁済できる状況であるはずなのに、第2会社に事業を逃がして弁済しようとしない債務者企業を、信用保証協会は許せなかったのかもしれません。

その結果、普通であれば、時効期間が完成して不思議ではないのに、ありえない2回目の訴訟をしてまで、時効の中断を仕掛けてきたのです。



複数回に亘り、債権者が時効の中断を仕掛けてくるというのは、よくある事ではありません。

債務者企業が、第2会社を作って、ここに事業を承継させるのも珍しいことではありません。

ただ、その具体的な事実を、債権者である信用保証協会に知られてしまったというのは、第2会社としては大失敗だということになるのでしょう。



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