波乱に満ちた参議院選挙が終了しました。

これで、一気に政府の施策が激変していく可能性が高いと思います。

選挙応援の街頭演説で、安倍元総理が元自衛隊員の凶弾に倒れ、世界中が注視する悲しい事件が発生しました。

そして、暗殺を伝える海外ニュースで、安倍元総理やその施策であるアベノミクスが、世界的に高い評価を得ていたことを改めて思い知らされました。

しかし、国内的には、経済活性の足かせになっている現実があり、アベノミクスを根本的に見直す方向で動き出すのではないでしょうか・・・。



政府の施策は、国政選挙までは、国民(有権者)受けの良いものが中心となります。

しかし、国政選挙が終わると、施策の方向は大きく転換するというのが今までの常でした。

しばらくは、国民の顔色を窺って票を気にする必要が無くなり、実態に即した施策の実行が可能になるからです。

これから、施策は大転換するということになるのですが、国民にとって嬉しくない方向に振れるだろうことは、現在の経済環境と過去の事例を見れば明らかだといえます。

特に、中小事業者向けの施策が根本的に見直され、中小事業者にとってネガティブな方向に向かうだろうことも容易に予想されます。

そして、この9月には、その答えが明確になると思います。

それは、コロナ融資における実質無金利と雇用調整助成金の特例給付、この2点が9月末期限から更に延長されるかどうかで、政府の考え方が明らかになるからです。

本来、この2点の施策は、もっと早い段階で終了する予定でした。

しかし、コロナ禍が芳しくならない中で更新が3か月ごとになり、6月末で終了するはずだったものが、期限間際に9月まで延長をされたのです。

これが、政府・自民党の参議院選挙対策であることは間違いありません。

そして、この2点が、9月末で延長されるのか、それとも終了してしまうのかで、政府の中小事業者向け施策の方向性がはっきりするといえます。

ご存じのように、実質無金利のコロナ融資は、コロナ禍に苦しむ中小事業者の資金繰りを確保したという実績があります。

そして、2年を超える異常経済に疲弊した中小事業者にとって、今、本当に渇望する施策だという現実があります。

雇用調整助成金の特例給付は、中小事業者が雇用を維持させるために不可欠な施策になっています。

雇用だけではなく、経営自体を維持させている有効な施策であり、この特例給付を終了させれば、多くの中小事業者が経営破綻するといえるでしょう。

この2点の施策は、中小事業者の延命装置なのです。

しかし、政府が、その効果的な延命装置を外す可能性も否定はできません。



中小事業者の経営環境は、コロナウイルス発生以降で、今、もっとも悪化してきているといえます。

様々なコロナ施策は、延長されて当然であり、更にバージョンアップをされてしかるべき環境だともいえます。

しかし、中小事業者向けのコロナ施策はいつのまにか異なった性格となり、ターゲットとなる落し処も変化してしまっているのではないでしょうか。

コロナ施策における融資は、コロナウイルス発生直後、あれほどフレキシブルに対応し、中小事業者の資金繰り確保に寄与しました。

ところが、現在でもコロナ融資は存在ますが、制度して存在しているだけになってしまっているといえます。

本当に融資の必要な中小事業者に、『返済できないでしょ・・・』という担当者の一声で、融資が断られているのです。

最後の命綱であるべき日本政策金融公庫にして、この様な対応が常態化しているのですから、融資はほぼ不可能といえるでしょう。

そういえば、資金供給の伴う施策は、総体的に随分と厳しくなってしまいました。

持続化給付金の失敗から、事業復活支援金など補助金の審査は、なかなか通過しないほど難しくなってしまいました。

コロナ融資もそうですが、新たに資金供給する場合、安直な対応をするのではなく、政府は随分とハードルを上げたということになります。

半面、事業再構築補助金の様に、驚くほど高額の補助金も現実になっています。

公的な機関を通じて、具体性と根拠のある前向きな計画に対しては積極的な支援姿勢を見せているのです。

この違いや、変化は何を意味しているのでしょうか。

そういえば、3月に発表された『中小企業の事業再生等に関するガイドライン』には、《債務の減免》や《経営者責任》と単語が、何度も重要な場面で使われていました。

事業再生についてのガイドラインであるはずなのに、自ら再生できない中小事業者は債務の減免もするので、経営者は全責任を取りなさいという内容になっています。

本来の事業再生とは、現在の経営形態や経営者のままで、事業の再生を実現するということであるはずなのです。

この3月に、このガイドラインが発表された意味は大きいと思います。

さらに、最近の政府の動きや、中小事業者向けのコロナ施策の変化を加味して考えると、1つの方向性が浮かび上がってきます。

それは、『自助努力』で、コロナ過を切り抜けなさいということです。

政府は、自らの力で、コロナ過を切り抜けて再生を果たそうとする中小事業者には、積極的に支援をしようとしています。

逆に、自らの力で対応できず、再生を果たせない経営者には、退場を求めようとしているのではないでしょうか。

延命のためだけの施策は、切り上げようとしているということになります。



既に、中小事業者向けのコロナ施策は、資金供給から猶予を中心とした施策に変化をしています。

参議院選挙を終えて、選挙対策に気を使う必要のなくなった政府・自民党は、さらにメリハリのある施策を実施してくる可能性が高いでしょう。

その方向性が、自助努力による再生ということになるのではないでしょうか。

もはや、政府の施策に期待するのではなく、知恵を振り絞って、自らの力で切り抜けることを考えるべき環境だということです。



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