かっとばせ借金 打ち勝て倒産!!

資金繰りが悪化した中小零細企業の、経営危機打開や事業再生へ向けてのお手伝いをさせていただいています。 経営危機場面での知識や情報をご提供し、従業員や家族のために命がけで闘う経営者が、諦めずに闘う現場を善戦苦闘日記としてご報告いたします。

仮差押

仮差押の現実・・・


金融機関からの借入金が返済できなくなり、金融事故になると直ぐに差押をされるように思われています。

たしかに、差押は債権回収の有効な手段になりますが、実施するには様々なルールがあり、簡単に実施できるものではありません。

しかし、差押とよく似た仮差押えという債権回収の手段は、一定の手続きに拠って取組みが可能となるのです。

金融事故後、仮差押えは、債権回収のもっとも初期に結果を求めることのできる手続だといえるのですが、現実的には、それほど活用されない手続だともいえます。



借入金の利息さえ支払えなくなり、期限の利益の喪失をすると、正式に金融事故となって債権者の債権回収が始まります。

債権回収手段は様々に存在しますが、初期の段階で用いられる手段に仮差押があります。

仮差押とは、金融機関などの債権者が、債務者の資産を仮に差押して、財産を保全する手続きになります。

差押とは違い、資産を換金して回収することはできませんが、対象となるべき資産を隠匿されたりすることを防ぐ効果があるのです。

そして、債権者が本気で債権回収しようとするなら、仮差押えは極めて効果的な手段だといえるでしょう。

しかし、現実的には頻繁に活用される手段ではなく、債務者の対応に悪意を感じる場合などに事例が見られるようです。

金融事故になるような厳しい環境下で、僅かな資産を仮差押えされると債務者にとっては致命的となりますから、債権者に悪意と勘違いをされて仮差押されないように、債務者は誠意ある対応をとることが不可欠になります。

金融事故後、多くの債務者は対象となる資産など持っておられないことが多いですし、資産があっても事前に準備して対応をされ、油断などされることはないと思います。

しかし、緩く温情的な債権者金融機関等の対応に慣れて、気が緩まないように注意してください。

債権者はそのタイミングを狙っているのです。



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仮差押えの取下書・・・


電話口のご相談者は、嬉しそうな口調でご説明をしてくださいます。

『事務所テナントの敷金の仮差押えが、取り下げられました・・・』と・・・。

テナントを借りている大家さんから、事情の説明を要求されるなど、厳しい立場に立たされていたので、これでホッとしたと喜んでおられます。

しかし、この仮差押の取下げは、債権者が実施する次の攻撃の前触れだと考えるべきなのです。



金融機関からの借入れなどといった債務が、約束通りに返済できなくなると、債権者は様々な手段で債権を回収しようとしてきます。

その債権回収の1つの方法が、仮差押えになります。

仮差押とは、債務者の対応により金銭債権の回収が将来的に難しくなる恐れがあるときに、債務者の財産を暫定的に差押さえることを目的とする裁判上の手続きの事です。

貸付をしたのに、返済が滞った上に、悪意ある姿勢を感じたときなどに、債務者が所有する資産に対して、勝手に処分などされないように仮に差押えをすることなります。

そして仮差押をするためには、仮差押を必要とする理由を根拠となる書類などと共に裁判所に表示し、許可を得る必要があります。

同時に、裁判所が命じる保証金(担保)を法務局に供託しなければなりません。

差押えは、裁判所がその債権債務の存在を認めた債務名義を前提に実施されます。

しかし、仮差押は、差押とは違い、その債権債務の存在が裁判などで認められたものではなく、証拠となる資料などで疎明することにより仮に認められるもので、正確な根拠を前提としていません。

したがって、その正確な根拠を補う手段として、保証金を法務局に供託する必要があるのです。

また、差押は、対象物を債権回収の手段として処理することが可能ですが、仮差押えは、単に債務者に勝手に処分されないために保全するという目的しかありません。

仮差押と差押は、よく似ており間違われやすいものですが、その手続きや効果は決定的に違うといえます。



そこで、冒頭の話に戻ります。

仮差押を、ある程度理解すれば、取り下げた意味も理解できるのではないでしょうか。

仮差押をした債権者は、裁判所の指定した額を、保証金(担保)として供託をしています。

この保証金の額は、債権の種類や差押え対象物によって異なりますが、仮差押金額の10%〜30%ということで、15%前後というのが実際は多いのでしょうか。

割と大きな金額を供託することになりますが、仮差押をした資産が、債権回収を完結させるようなものならば、十分に価値があります。

しかし、仮差押をしたのに、資産が小さかったり、空振り状況であれば、いつまでも仮差押をしたまま、保証金を供託して眠らせておくわけにはいきません。

そんな時に、仮差押を取り下げることになります。

取り下げることにより、供託していた保証金も手元に戻すことができて、これで仮差押が終了です。

いや、終了する場合もあると、表現をした方がいいのでしょうか。


ここで、もう一つ考慮すべきことがあります。

たとえば、100万円の債権額があり、その金額で仮差押をしたとします。

債権額の総額100万円の仮差押をしたのですから、他の資産に対して、新たな仮差押をすることはできません。

ところが、その仮差押は空振り状況で効果がなく、他に仮差押をすべき債務者の新たな資産が見つかったとしましょう。

そんな時、いつまでも効果のない仮差押を放置するわけにはいきません。

直ちに、仮差押を取下げ、他の債務者資産に対して仮差押を実施すべきなのではないでしょうか。

そうなると、仮差押の取下げは、他の資産に対して仮差押えを実施するための前触れだと、債務者は捉えるべきなのだと思います。



債権債務処理の世界で、差押や仮差押などは、当たり前に活用される債権回収手段だと思われています。

たしかに、不動産競売のための差押えは、頻繁に見受けます。

しかし、それ以外の差押えは、それほど多く見受けるものではありません。

仮差押などは、さらに実例は少なくなるのが現実だと思います。

それだけに、仮差押をしてくるときの債権者は、本気で債権回収しようとしていることになるのです。



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任意売却、同時履行・・・



世の中には、凄いプロがいるものです。

私の仕事である、経営危機での債権債務処理に関する手続きにおいて、最近は好敵手に巡り合う機会がなかったといえます。

いずれも帯に短し襷に長しの様な債権回収屋ばかりで、頭の中でしか処理できない中途半端なプロばかりでした。

ところが、金融事故における任意売却の場面で、さすがは債権回収のプロと思わせる事例が続いたのです。



仕事を甘く見ているわけではありませんが、債権回収のプロを、少し舐め過ぎていたようです。

金融機関崩れの、いいかげんな債権回収のプロが多い現実に、感覚がマヒし気持ちが緩んでいたのかもしれません。

私がこの仕事を始めようとした頃は、債務整理の参考書やプロなど存在しませんでしたから、元々は債権回収の勉強をしました。

5年間ほど、債権者の立場で真剣に勉強をしましたから、債権回収の知識については、今でも絶対の自信があります。

弁護士さんが取り組まれる法的な債権回収だけではなく、結果を求める実学の債権回収のスキルは、私の最も得意な分野だともいえます。

債権者が何を考え、どの様な方法で債権回収に取り組んでくるかや、どこまでのレベルまで追及してくるのかなどを理解しなければ、今の私の仕事は成り立ちません。

この債権回収に関する知識が有ってこそ、債権回収のプロから、債務者を守る方法をアドバイスできるのです。


現場の経験が増えるにつれ、当然にこちらのスキルは増加し、債権者の取組みなど、ほぼ完全にシミュレーションできる様にもなっていました。

同時に、債権者として相対する債権回収のプロの取組が、単純化していたために展開を読み易くしていたともいえます。

最近の債権回収は、法的手続きだけを振り回し、本気で債権回収をしようとする姿勢が薄れていたと思います。

債権者の担当者が、手続き的に責任追及されないために、債権回収が形骸的に実施されていたといえるのかもしれません。

だから、我々、債務者保全のプロは、対抗するのが簡単だったのです。



ところが、まだ、こんな債権回収のプロがいるのだと驚かされました。

しかも、金融事故に絡む、不動産の任意売却において、続けさまに同じような事例において遭遇をしたのです。

ご存じのように、金融事故時の任意売却は簡単ではありません。

様々に配慮すべきことがあり、間違えば大きな損失や負担を背負う可能性が高いからです。

そんな任意売却をしようとした不動産において、サービサーが債権回収を仕掛けてきたのです。

初めてお電話をいただいたご相談者は、経営していた事業が破綻し、銀行借入などの金融債権は全て期限の利益の喪失をして事故になりました。

ご相談者は、事業の代表者であり、連帯保証人でもありましたから、当然に債権者金融機関から個人としても債権回収をされることになります。

所有している不動産についても、担保権を持っている民間銀行から強く依頼され、任意売却をすることになりました。

民間銀行の同意のうえで、知人に任意売却をすることになり契約をしました。

手付金も受領して、後は月末の決済を待つだけとなっていたのですが、そんな時に、その不動産に対してサービサーが差押えをしてきたのです。

ご相談者は、何とかしようと弁護士さんにも相談しましたが、効果的な方法などありません。

しかも、契約書では、予定通りに決済できない場合には、売買価格の30%の違約金を支払うとなっていたのです。

通常は、支払っても100万円程度の判押し料なのですが、なぜか、サービサーは全額支払えと強気です。

このタイミングで差押えをして、これだけ強気に債権回収をしてきたのですから、サービサーは何らの情報を持っているのだろうと思います。

結果として、ご相談者は、サービサーに従うしかなかったのです。



同じ様な事例は、複数存在します。

担保権者が同意したうえで、身内に買戻しさせようと契約した不動産を、日本政策金融公庫が仮差押えしてきました。

絶妙のタイミングでの仮差押えであり、対抗すべき手段は存在しません。

日本政策金融公庫の要望通りに対応するしかありませんでした。

また、不動産業者が、所有する不動産について売却の契約をした途端に、サービサーから差押えをされた事例もあります。

これも、サービサーの要求通りに対応するしか、方法はありませんでした。

これだけ、同じような事例が続くと、任意売却の契約をした不動産への差押えについて、債権者間でマニュアルができたのかとさえ思えてしまいます。

任意売却の契約をして、決済までの期間に差押えや仮差押えをされてしまえば、債務者に、有効な対抗手段など残されていないのです。



しかし、任意売却において、差押えや仮差押えの効力を無くす方法は存在をします。

それは、契約イコール決済とすることです。

決済に向けて、事前にしっかりと準備することにより、契約と決済を同時に実施することにより、差押えや仮差押えのリスクは無くなります。

任意売却における、契約後の差押え効力は、債権回収のプロならば、誰でも知っている知識だといえます。

しかし、契約や決済のタイミングをつかむのは難しいですから、現実には、それほど活用されている手段ではありません。

また、不動産に関する前提となる知識も必要になりますから、誰でもが簡単に取り組める債権回収手段ではないといえるのかもしれません。

今回の事例の、債権者の担当者は、最近は見かけることの少なくなった、債権回収のプロといえるのかもしれません。




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債権者に、資産は知られない・・・



金融機関などの債権者は、債務者の資産について、どの程度まで把握できるのでしょうか。

債務者の資産など、すぐに知られて、金融事故でも引き起こそうものなら、すぐに差し押さえされてしまうというような話を聞くことがあります。

しかし、そんなに簡単に把握できるものではありません。

不動産や預金口座,生命保険,会員権,有価証券などの貴重な資産も、金融機関などの債権者に知られずに守り通すというのは不可能ではないのです。



金融機関などの債権者が本気になれば、債務者の資産など調べて簡単に知られてしまうと思っておられる方は多いようです。

ご相談においても、全ての資産が差押えになることを前提にお話をされる経営者は少なくありません。

そんな経営者には、『どうやって、そんな資産があることを、金融機関は知ることが出来るのですか?』と、お伺いします。

それに対して、根拠をもって返答できる方などおられず、ただ、不安による思い込みだけで、その様に思い込んでしまわれるのです。

たしかに、金融機関からの借入が期限の利益の喪失をして不良債権になると、資産を差押えをされるのではという不安を抱かずはおれません。

不安になる気持ちは分かりますが、それは心配し過ぎでしょう。

現実には、そんなことなどありません。


期限の利益の喪失をしたからといって、債権者である金融機関が直ぐに仮差押えや差押えをしてくるというのは、債務者によほどの不信感を持っている場合ぐらいで、簡単に仕掛けてくるものではありません。

逆に、債権者が金融機関の場合には、仮差押えや差押え(不動産競売を除く)などの手続きを用いて処理することの方が珍しいといえます。

また、差押えをしようとしても、資産を特定できずに空振りしてしまうことも多いのが現実です。

空振り覚悟で差押えをしてくるといった方が適切なのかもしれませんが、債務者が所有し隠しているのではと疑わしいものに対して、根拠が明確でもなくても差押えしてくるのです。

逆に表現すれば、疑わしい資産に対して差押えするというのは、債権者が、債務者の資産を把握できていないからだということになります。

現実論として、金融機関などの専門家の債権者といえども、債務者の資産を簡単に知ることはできないのです。



まず、調べれば、何でも判るというシステムが存在しません。

昨年、2016年1月から、マイナンバー制度が導入され、全ての資産が把握されてしまうのではと心配された方も多いでしょう。

利用目的を、社会保障,税,災害対策に限定し、多くの個人情報・・・特に資産関係・・・が、行政に把握をされるということになりました。

今まで把握されにくかった有価証券や生命保険など資産について、細かな動きまでマイナンバーでの報告を義務付けられ、手続きとして把握されるということになったのです。

その結果、税務署などは、飛躍的に納税者の資産状況を確認できるようになり、細かな資産まで把握され知られることになりました。

しかし、マイナンバーの活用は、当初の方針通り限定されており、民間の債務者が活用することは、今のところ不可能だと言えます。



民間の金融機関などの債権者が、債務者の資産を調べるには限界があります。

債務者から情報を渡さない限り、把握していない資産を、調べることによって把握するというのは極めて難しく、限定的だとさえいえます。

したがって、全ての資産を、債権者に知られてしまうというのは妄想でしかなということなのです。


ただ、把握される可能性のあるものを知っておく必要もあるでしょう。

既に、金融機関が把握している資産は、差押えの対象となります。

担保に出している不動産や、決算書で具体的に表示されている資産などは、間違いなく把握されている資産でしょう。

それ以外にも、簡単に知られる可能性は残っています。

たとえば、債権者金融機関を経由して、資産について入出金された履歴があると、簡単に知られてしまうでしょう。

有価証券や生命保険の支払いを、対象となる預金口座からしていれば、支払先に資産が存在するかもしれないと疑うでしょう。

得意先から入金があれば、その得意先に売掛金が残っているかもしれません。

この様に、資金の動きの足跡のついている資産は、すぐに把握をされると捉えた方がよいと思います。

不動産については、名寄帳について留意しなければなりません。

市町村などの行政単位で、固定資産税を徴収するための資料として、行政区内の所有者が同一の不動産についてまとめ、名寄帳を作成しています。

この名寄帳を調べれば、行政区内にどのような不動産を所有しているかすぐに把握されてしまいます。

また、過去に、債権者と会話した内容から把握されることも少なくありません。

金融機関の担当者などは、会話から得た情報も資料に残していますので、把握をされている可能性があるのです。

金融機関などの債権者に、根拠をもって把握されてしまう可能性があるのはこれぐらいです。

素人が調べても、多分、大差のない結果になるでしょうし、何でも知られるという妄想とはかけ離れていますから、過剰に心配することはありません。



自宅などの不動産を代表とする資産は、経営者として、人として、そして一家の大黒柱として、かけがえのない貴重なものです。

失いたくない資産が、金融事故になるとどの様に扱われるのか、健全経営の会社経営者も知っておいていただきたいと思います。

いざという時にでも、何も心配する必要がないという環境作りができていれば、経営者として無駄な時間を消費する必要がなくなるのです。



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信用保証協会に訴えられた・・・



借金が返済できなくなると、債権者の金融機関は、手のひらを返したような対応をしてきます。

今まで見せていた笑顔などかなぐり捨てて、突然に厳しい姿勢を見せるようになるのです。

そして、不良化した貸付金を回収するために、債務者の都合などはお構いなしに、あらゆる手段を用いてきます。

その手段として、裁判に訴えたり、仮差押えや差押えをしたりという法的手続きも、当たり前のように活用してくると思われていますが、現実はどうなのでしょうか。



前回のブログでもご紹介しましたように、仮差押えや差押えなどは、金融故関係機関がそれほど多用する債権回収手段ではありません。

債務者に恐怖を与えるために、脅しとしては頻繁に使ってきますが、現実的に仕掛けてくることは多くはないでしょう。

それは、仮差押えや差押えをすると、債務者を破たんに追い込むことに直結するからなのです。

売掛金を差押えしたならば、債務者の資金繰りは止まってしまうでしょうし、得意先にその事実を知られて取引停止になるかもしれません。

借入のある他行の預金口座を差押えしたとすると、その借入も期限の利益の喪失をして事故になって、取引が停止されてしまうかもしれません。

金融機関からの借入に関する契約において、多くの場合は、仮差押えや差押えは期限の利益の喪失する事由となっているからです。

この様に、仮差押えや差押えは、された事業者にとっては死活問題となりますので、社会的信用を重視する金融機関にとって、最後のとどめをさすような立場にはなりたくないというのが、多用されない理由になるのでしょう。


この傾向は、信用保証協会においても同じです。

例外的に、不動産については簡単に仕掛けてきますが、不動産以外の資産については、よほどの事情がない限り、仮差押えや差押えなどはしてきません。

債権回収マニュアルから、不動産以外の資産に対しての仮差押え・差押えの条文が抜け落ちているのではないかと思えるほどです。

しかし、信用保証協会のポジションを考慮すれば、その理由がおのずと見つかるのではないでしょうか。

仮差押えや差押えを効果的に成功させるポイントは、隠密裏にタイミング良くということになります。

差押などをされることが分かっていれば、多くの債務者は事前に差押をされないように資産を逃がしたりするでしょうから、隠密裏に突然に執行するというのが当然なのです。

そして、タイミング良くというのは、資産のあるうちに出来るだけ早くという意味になります。

時間が経過すれば、資産は目減りしている可能性がありますし、消失さえしてしまっているかもしれません。

したがって、不良債権となって債権回収の必要が発生すれば、速やかに執行することが大事なのです。

ところが、信用保証協会は、保証をしているだけの機関であって、当初は債権者ではありません。

返済が滞ったりして、期限の利益の喪失した債務を代位返済することにより求償権を得て、やっと債権者となって債権回収をする権利を持てるようになるのです。

他の債権者金融機関が債権回収に取り掛かってから、信用保証協会が債権回収に取り組めるようになるまで、遅れること2ヶ月ぐらいということになるのでしょうか。

その頃になると、他の債権者金融機関は既に債権回収手段を実施し終えている状況であり、差押えが有効な目ぼしい資産など残っていないと思われます。

したがって、信用保証協会にとって、仮差え押や差押えは、それほど有効な債権回収手段ではないということになるのです。

ただ、不動産については、その資産としての性格上、処理に手間暇がかかりますので、信用保証協会のポジションでも差押え等を有効に活用できるということになります。



裁判に訴えてでも、債権回収をしようという姿勢は、民間の金融機関でも最近は減ってきたと思います。

信用保証協会においても、そのような傾向はみられますが、2つの根拠においては、平然と裁判に訴えてきます。

1つは、不動産に絡む裁判です。

債務超過状況で所有権を身内に変更したり、意味不明な担保権が設定されていたりして、詐害行為が疑われるような場合には取消請求の裁判をしてきます。

また、債務者や保証人が所有する不動産を、担保として提供するように要請したのに拒否された場合に、まずは仮差押えをしておいて、それを本差押にするために支払いを督促する訴訟を起こしたりもします。

要は、債権回収の手段として、不動産を活用するための裁判は少なくないということになります。

もう1つは、時効の中断の裁判です。

信用保証協会の、消滅時効期間は、債務者が商人の場合は5年、商人でない場合は10年となります。

代位弁済後に、債務者が弁済をしなかったり、債務承認書にサインをしなかったりして、時効が中断できないまま進行し、もうすぐ時効期間が完成しそうな場合に、時効を中断させるために裁判をしてくることが多いのです。

裁判は、請求という時効の中断事由になり、債務者に協力する姿勢が見られない状況でも効果的な時効の中断手続きになります。

そして、裁判手続の結果により、商人であるかに関わらず、時効は10年となるのです。

この、『不動産絡み』,『時効の中断』という2つのパターンの事例は、今でも頻繁に見受けられます。

しかし、それ以外の根拠や目的のための裁判というのは、あまり見かけないというのが現実でしょう。



債権回収においては、信用保証協会も、他の金融機関と同じ様な傾向を見せるのが基本です。

ただし、不動産においてはこだわりがあり、仮差押えや差押え、そして裁判なども前向きに仕掛けてくるという特徴があります。

その特徴を理解することが、信用保証協会と上手くお付き合いをするポイントであることは間違いありません。



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メガバンクが仮差押・・・

5年振りにお会いしたご相談者から見せられた通知書には驚きました。

裁判所からの、自宅を仮差押したという通知書なのです。

それだけなら、別に珍しくもないのですが、仮差押を申し立てた債権者金融機関名が尋常ではありません。

なんと、メガバンクが自宅を仮差押したという通知なのです。


仮差押とは、金銭債権を執行(債権回収)を保全するために、債務者の資産・財産に一定の制約を加えることです。

債権債務に関する存在を証明できる書類等により、仮差押手続きの申し立てが出来ますが、民間の債権者金融機関と民間の債務者間の契約に基づいて執行されるため、その根拠を補うために執行される債権額の一定額を担保として納めることが基本となります。

債務者が、債権回収の対象となる資産や財産を勝手に処分しないよう、期限の利益の喪失の金融事故後、早い段階で実施されることが多いものです。

方法としては効果的であり、債権回収の普通の手段だと言えます。

その様なことから、期限の利益の喪失をして不良債権化すると、債権者金融機関は、当たり前のように仮差押をすぐに実行してくるイメージがあるようで。

しかし、現実的には、必ず実行される手続きではないようです。

信金信組や下位の地方銀行などは、仮差押にたいして積極的なところもありますが、規模の大きな上位の金融機関は、決して仮差押について積極的ではありません。

その理由は、簡単です。

仮差押をすると、その対象資産によっては、債務者事業者を破綻に追い込む可能性があるからです。

売掛金などを仮差押されれば得意先と取引停止になり、預金口座を仮差押されれば金融機関との取引が停止され、倒産してしまうかもしれません。

そうなると、取引先企業を倒産させた金融機関として、社会的信用は低下し得策ではないからです。

したがって、現実的には、債権者金融機関は、何でもかんでも仮差押をしてくるものではないといえます。


私が関わった、過去の期限の利益の喪失後の仮差押に関する事例を確認すると、その傾向は明らかなのです。

信金信組では、仮差押は珍しくもなく、第3者の連帯保証人の資産に対しても、平気で実行をしています。

対象は、不動産から預金口座,生命保険,保証金,売掛金など多岐に亘ります。

しかも、何度も繰り返して実行してくることも少なくありません。

地方銀行になると、事例数は激減し、大手では少なく、下位行で多くなります。

対象は、不動産や預金口座が多くなるようです。

そしてメガバンクでは、仮差押の事例は珍しくなります。

あえて、仮差押を回避しているような姿勢を見せるメガバンクさえあるほどなのです。

それは、社会的信用を重視するメガバンクとしては、債権回収のためとはいえ、大きなリスクも背負うことになるからだろうと思います。


そのメガバンクの一角が、今回、自宅を仮差押してきたのです。

最初は、我が目を疑いましたが、ご相談者のお話を伺うと、たしかに仮差押をされても不思議ではない要素がありました。

何度目かの返済猶予の更新に伴い、メガバンクの担当者は、現在は担保の付いていない自宅を、担保として提供するように要請をしてきました。

経営者は、担保にしたら競売にされると、単純に思い込み、断固拒否をしました。

そして、『担保には出さない。どうしてもというなら差押でもすればいい・・・』と、金融機関の担当者に言い放ったのです。

その後、すぐに、期限の利益の喪失をされて、この仮差押をされました。


このやり取りを考えると、仮差押をされるのが自然な流れだといえるのかもしれません。

さすがのメガバンクの担当者も、堪忍袋の緒が切れて、社会的信用よりも、人間としての感情を優先させたのでしょう。

このことは、メガバンクも、所詮は金貸しだということを、私に思い出させてくれました。



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『無い袖は振れない』の誤解・・・


年末、いただいたメールの中で、ちょっと勘違いされているものがありました。

『無い袖は振れない』と『任意の第2会社』についてです。

基本的な捉え方は間違っていないのですが、良い結果を得るための前提が考慮されていない様なのです。

倒産回避や経営危機打開のためには、しっかりと理解しておく必要がありますので、ブログで触れさせていただきたいと思います。



『無い袖は振れない状況だから、何の心配もない・・・』

債権債務を処理する場面において、この言葉は正しいようで、何かが足りない勘違いした表現になると思います。


借入の返済などが出来なくなったりすると、返済を求める債権者は様々な手段で債権を回収しようとしますが、最終的には強制執行しか方法はありません。

したがって、返済の義務のある債務者に、強制執行の対象となる資産がなければ、債権者は債権回収をすることが出来ないということになり、債務者は債権回収を恐れることがなくなりますから、この状況を『無い袖は振れない』といいます。

債権債務処理における、最終的な究極の判断基準になるといえるのです。 


私も、『無い袖は振れない』論者です。

倒産回避や経営危機打開が必要な状況で、事業や関係者の生活を守るために考慮すべき選択肢であり、緊急避難的な効果は絶大だともいえます。

ご相談者へのアドバイスにおいても、資産が無ければ債権者の最後の債権回収手段である強制執行も意味が無いという『無い袖は振れない』について、具体的にご説明をしてご理解をいただくようにしているのです。

ただし、条件と前提があることを忘れるわけにはいきません。

それは、本当に無い袖は振れない状況なのかということと、人の気持ちを考えて対応をしているかということです。

この2点を満足してこそ、『無い袖は振れない』の意味があることになります。


最近、声高に無い袖は振れない状況だから、無視すればいいという様な表現を目にし耳にすることが少なくありません。

債権者から連絡があっても、無視して対応などしなくていいという論法です。

これは、あまりにも乱暴な取組み方で、根本的な勘違いをしており、この様に対応をすれば大きなリスクを背負うことになってしまいます。


社会を生きていく以上、本当に無い袖を振れないという状況を作るのは、実は難しいのです。

たしかに、不動産などの高額の資産や車,生命保険,有価証券などの目立つ資産は無いかもしれませんが、強制執行の対象となる資産は様々に存在します。

生活をするための収入である給与や報酬も資産です。

公共料金の引き落とし用の預金口座も資産であり、強制執行の対象となるのです。

年金生活でもしない限り、生きていくうえで本当に無い袖を振れない状況というのは難しいのです。

強制執行の対象となる資産が、現実的には様々に存在するのに、債権者を無視しろというのだから驚きます。

債権者側の担当者も、感情のある人間なのです。

誠意ある対応をすれば、それなりのフレキシブルな対応も期待できますが、侮辱する様な対応や無視するなどすれば、厳しい対応をしようとするのが人間なのです。

現実的に、『無い袖は振れない』を勘違いしてしまい、誠意のない対応をしたことによって、悲惨な結果になった債務者は少なくありません。

非現実的な債権回収手段である家財道具の差押や、勤務先を徹底的に調べられたうえでの給与の差押,得意先の売掛金の差押えによる取引停止などです。

債権者担当者の人としての感情を悪化させてしまい、その結果、徹底的に調べられて債権回収の手段として強制執行を実行された事例は珍しく無いのです。

こんなことになれば、せっかく第2の人生をスタートさせたのに、元の黙阿弥で、またマイナスからの出発になってしまいます。


『無い袖は振れない』を有効に活用したいならば、絶対に、債権者をなめては駄目です。

誠意ある対応を基本にして、資産が無い、払える状況にないという現状を理解してもらうことが前提になります。

それにより、『無い袖は振れない』が効果的な選択肢となってくるのです。



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したたかな信金の戦略・・・


その信用金庫は、昔から個性の強い金融機関として有名でした。

下位の地方銀行など、はるかに凌駕する程の業績を上げています。

工夫を凝らした積極的な営業展開は、消費者の注目を集めるほどです。

そして、何よりも、債権回収の姿勢は、他の金融機関では見られないほど特徴があり強烈でした。



信用金庫にしては、何事に対しても前向きで、個性的な対応をする金融機関です。

アイディア満載で、独自の広報戦略などニュースになるぐらいで、その戦略的な営業展開が業績につながって当然だといえるでしょう。

融資姿勢も、債務者に対してフレキシブルな対応で、他の金融機関が融資を断っても、この信用金庫が融資を実行することは珍しくありません。

担保等での判断ではなく、債務者本位の与信による貸付姿勢と言えば、あまりにも聞こえが良すぎるのかもしれませんが、それほど、資金繰りに窮した中小零細企業にとっては有難い存在だといえます。

しかし、・・・・

融資姿勢が緩い分、債権回収の姿勢は厳しいのです。

融資が緩く、債権回収も緩ければ、金融機関の経営が破綻してしまうでしょうから、融資姿勢と回収姿勢が反比例するのは当然なのです。

しかし、その信用金庫の債権回収は特に厳しいものがあり、他の金融機関では見られない様な対応も少なくありません。

債務者企業の経営状況が悪化し、融資の期限の利益の喪失をすると、直ぐに、第3者の連帯保証人さんの資産に仮差押をしてきたことがあります。

普通は、連帯保証人さんとの間で、何らかの事前対応があるのですが、突然の仮差押でした。

また、事業継続する方向で頑張っていた中小零細企業なのに、その売掛金を、期限の利益の喪失後すぐに仮差押してきたこともあります。

売掛金の仮差押や差押は、事業を継続しようとする中小零細企業の息の根を止めることになるので、普通の金融機関はなかなかしないのです。

この信用金庫は、債権を回収するという目的のためであれば、マキャベリズムを発揮して何でも有りだということなのでしょう。


この信用金庫が、またビックリするような債権回収をしてきました。

対象となる中小零細企業は、資金繰りが悪化し経営破綻して、10年ほど前に廃業をされています。

その信用金庫から、事業資金の借入もされていましたが、支払える資金も無く、6年ほど前に裁判になって時効は10年に延びましたが、ずっと弁済は止まったままでした。

連帯保証人でもある経営者は、自宅を持っておられ、同じ信用金庫から住宅ローンを借りておられましたが、正常弁済をする事を前提に事故にならず、その後も所有し住み続けることが出来ていたのです。

その時の実勢取引評価は1500万円ほどで、住宅ローンの残債は1700万円ほどで、毎月9万円の弁済という状況でした。

それから、10年程が過ぎて、信用金庫から突然に連絡が入りました。

住宅ローンの弁済として毎月支払っている9万円を、連帯保証人としての破綻した事業用融資の弁済に充当するというのです。

長年、滞ったままの廃業した会社の弁済に充当すると一方的に通知されたのですが、たしかに、連帯保証人であることは間違いありませんから、抵抗する根拠はありません。

しかし、これでは、住宅ローンの弁済が止まったことになり、近々に事故になってしまいます。

この時の実勢取引評価は、最近の地価高騰で1700万円ほどで、住宅ローンの残債は1000万円程
になっていました。

競売においても、完全に無剰余の状況で、信用金庫にすれば住宅ローンの残債をまず100%回収出来るという状態になっていたのです。

このタイミングまで、信用金庫は10年もの間、ずっと黙って待っていたのかもしれません。

信用金庫は、最も多く債権回収できるこのタイミングを見計らって、債務者である経営者が最も困る方法の対応をしてきたといえるのです。

債務者としては、抵抗するすべはありません。

この自宅を買い戻すかセール&リースバックの方法をとるか、諦めるか、信用金庫の言う通りに従うしか方法はないのです。


幸い、信用金庫は、9万円に3万円程をプラスすることにより、自宅は事故にしないと言ってくれました。

当座は、この言葉を信用して、誠意ある対応をするしかありません。

この信用金庫の、知恵を振り絞った対応は、極めて効果的であったといえるでしょう。

しかし、債務者の立場からすれば、こんなしつこい金融機関とは取引したくないと思うのは私だけでしょうか・・・。



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売掛金を差押された・・・


『無い袖は振れない』という言葉は、債権債務処理の場面においては、極めて重要なキーワードになります。

支払や返済をしなければならない債務があっても、そのための原資が無ければどうしようもないという意味です。

貸付のある金融機関等の債権者が、その債権を回収するために、督促をすることは当然の事、仮差押や裁判、さらには差押などのあらゆる対策を講じても、債務者に弁済すべき資産が無い『無い袖は振れない』状況であれば、債権の回収は出来ないのです。



資金繰りが悪化して経営危機的状況に陥っても、多くの経営者は、どんなことをしても経営を維持しようとされます。

その基本な対策が、経営を維持するために必要な資産を予防的に保全することになりますが、それが『無い袖は振れない』状況を作り出すということなのです。

いわゆる、無い袖は振れない状況にして、経営維持に必要な資産を、債権者の債権回収の対象から除外してしまうということになります。

以下の、資産の予防保全の3原則を活用し

    1. 資産が知られない
    2. 資産に価値が無い
    3. 資産の所有が違う

現預金や不動産,有価証券や会員権,生命保険,高価な動産などの資産を予防的に保全してしまうのです。

そうすれば、債権者は債権を回収することが出来ず、債務者は事業継続に必要な資産を確保した状況で、経営の維持が可能という事になります。



しかし、経営の維持に必要な資産が、全て予防的な保全が可能という訳ではありません。

保証金や売掛金,給与などという資産は、第3債務者という相手方が絡みますから、その予防的な保全は難しくなります。

(第3債務者とは、債権者から見て、債務者に対して更に債務のある第三者。例えば、金融機関等の債権者が貸付をしている企業が、商品を納品している得意先企業は、金融機関等の債権者にとって第3債務者となります。)

相手方のある事ですから、経営者が自らの判断だけで、資産の予防的保全を実施出来ません。

しかも、相手方との間で、取引の契約をしている場合は、保証金や売掛金についての禁止事項が設定されていることが多いのです。

具体的は、担保の設定や債権譲渡について、契約の中で明確に禁止をしているため、資産としての価値を無くしたり、所有を変えたりという作業が困難になるのです。



これらの資産の予防的保全が、全く不可能というわけではありません。

ある程度の時間的猶予があれば、それなりの対応は可能ですし、相手方である第3債務者の協力が得られれば、具体的な予防保全策も可能になります。

第3者の管理会社を活用したり、第2会社を取引の間に挟んだりすることにより、資産としての所有権を無くすみとができます。

また、『相殺』を活用すること等で、資産としての価値をする事も可能になります。

この様に、第3債務者の協力が得られれば、ある程度の予防保全は可能になりますが、現実としては難しい作業になってしまいます。



この事を、債権者は良く知っており、売掛金等は債権回収の格好の手段とされることがあります。

その代表的なのが税金の滞納関係で、特に国税は売掛金の差押については躊躇しないようです。

決算書等から、どこに売掛金があるか十分に把握をしていますし、裁判所経由の手続きが不要ですから、極めて迅速に作業として進んでいきます。


金融機関では、この売掛金や保証金についての債権回収の姿勢には特徴があります。

大きな金融機関は、あまり積極的には取組まず、小さな金融機関ほど、債権回収の手段として活用しようという色分けが出来るようです。

売掛金や保証金を、債権回収の手段にしようというのは、その債務者企業に対して死刑宣告をする事になるからです。

第3債務者だからといって、得意先企業に差押をすれば、その取引企業である債務者企業は、ほぼ取引停止になるでしょうし信用は喪失してしまい、経営を維持することが難しくなってしまいます。

だから、メガバンクなどは、様々な社会的影響を配慮して、簡単には売掛金や保証金には手をださないのです。


しかし、小さな金融機関は違います。

全てがそうだとは言いませんが、貸付先の債務者企業がどうなろうが関係なしに、売掛金等に手を出してくることが珍しくありません。

先日も、大阪の信用金庫が、期限の利益の喪失通知とほぼ同時に、得意先の売掛金を仮差押しました。

債務者は、まだまだ頑張って経営を維持して、再生を目指そうとされていたのですが、この仮差押で得意先から取引を停止されてしまったのです。

この大阪の信用金庫は、その後、この債務者企業の経営者を呼びつけて、今後の弁済について詰問したというのですから驚きます。

収入の道を絶ったくせに、どうやって弁済しろというのでしょうか・・・。

未だに、金融機関の横柄な理屈で、人生を失う経営者は減っていないようです。


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差押と無剰余・・・


資産が、実質的には価値の無い状態のことを無剰余といいます。

単純に価値が無いわけではなく、不動産等の資産において、その価格を担保権の残債務額が上回っている等の理由により、価値として剰余が無い状況のことを無剰余というのです。

融資を受けるときに担保として不動産を提供しようとしても、その不動産に他の借入れの担保が先に設定されており、剰余が無いから担保として価値が無いと断られることなどが、無剰余の判りやすい例だろうと思います。

この様に、債権者である金融機関にとっては、債権を回収するうえにおいて無剰余は重要なキーワードとなります。


この無剰余というものは、もともとは不動産競売において使われた言葉なのですが、金融界等でも使われるようになってから、その使われる場面によって比較対象の基準となる価格の捉え方が異なりました。


民間で無剰余を判断する基準となる不動産価格は、実際に売買するときに想定される実勢価格になります。

したがって、金融機関が貸付をする場合の担保設定においても、価値を判断する基準は実勢価格です。

不動産の市況の動きにより価値が変動するリスクを回避するため、実勢価格より何割が控えた価格が担保設定の対象になり、その剰余の範囲内で貸付をするというのが一般的でしょう。


貸付している債権が期限の利益の喪失をすると、債権者である金融機関は債権を回収する手段として、債務者や連帯保証人の所有不動産に対して仮差押や担保権実行以外の差押を考えます。

この場合も、一般的には実勢価格が剰余を判断する基準になります。

これは、期限の利益を喪失した債務者や連帯保証人の所有している不動産が、競売ではなく任意売却で処理される可能性があり、その場合は実勢価格での取引となりますので、実勢価格の中で剰余があれば仮差押や差押は有効であるという判断なのです。


しかし、仮差押や差押は、実勢価格では完全に無剰余である資産に対しても実行されることがあります。

このような事例は、ノンバンクや租税関係で見られることが多く、コンプライアンス面の処理も理由ですが、将来の任意売却を見越したハンコ代(判押し料)狙いの一面があります。

ハンコ代とは、対象不動産を処分しても、売却価格から返済できない無剰余の債権者に支払われる権利抹消費用のことです。

任意売却をする場合、購入者には担保や仮差押・差押等が登記簿に残ったまま引き渡せませんから、売買決済において解除してもらう必要があります。

そのため、無剰余状況にある担保権者や仮差押・差押債権者に、登記簿謄本から担保権・差押等を解除し抹消してもらう費用としてのハンコ代を支払う必要があるのです。


このように、返済が厳しい経営状況だけでなく、健全時の経営においても、無剰余を理解することは重要でしょう。

理解することにより、資金繰り面や経営維持において様々な対策がとれるようになるのです。

次回は、さらに理解を深めるために、競売における無剰余についてご説明したいと思います。


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