かっとばせ借金 打ち勝て倒産!!

資金繰りが悪化した中小零細企業の、経営危機打開や事業再生へ向けてのお手伝いをさせていただいています。 経営危機場面での知識や情報をご提供し、従業員や家族のために命がけで闘う経営者が、諦めずに闘う現場を善戦苦闘日記としてご報告いたします。

保証

和解で、相続放棄不要・・・


いったい、何人、相続放棄をすればいいのでしょうか・・・。

高齢の父親が亡くなったのですが、相続の対象となる資産はなく、サービサーに多額の債務を抱えているだけです。

相続放棄を選択するしかないと考えましたが、急死した父親は7人兄弟、既に他界されたご兄弟も複数おられます。

この様な場合、相続放棄に手間を掛けるよりも、和解に取り組んだ方が話が早いのかもしれません。



亡くなった父親は、中学を卒業すると都会に出て、建設の職人として働き始めました。

積極的な性格で行動力があり、人懐っこいお人柄で周りの人間から好かれ、メキメキと頭角を現していかれます。

若くして自ら事業を興し、不動産事業なども展開し、着実に成功を収められて行きました。

そんな時に、あのバブル経済が勃興します。

様々な金融に絡む資産が、明確な根拠なく高騰しだした時代です。

事業欲の旺盛な父親は、既に不動産事業でも成功していましたから、金融機関の持ち込む収益物不動産を中心に次々に購入をしていきます。

既存の不動産を担保提供することで、購入資金は全て金融機関の融資で賄い、不動産の収益からの弁済ですから、資金繰りに詰まることなどないスキームが成立しています。

ところが・・・。

多くの不動産を購入して資産が膨大に膨らんだ平成2年、突然にバブルが崩壊しました。

それからは、資産価値の低下を前提に、入居率の悪化と賃料の値下げのイタチごっこで、収益性は極端に悪化していきます。

金融機関曰く、何ら負担のない安全な資産構築・・・であったはずなのですが、日々、収入は減少し続け、元本を契約通りに返済することが困難になるまで時間はかかりませんでした。

金融機関から頼まれ、転売目的で購入した収益性のない不動産が、全体の資金繰りの足を引っ張ります。

転売して資金を確保しようとしましたが、購入金額を大きく下回る金額でも買い手の見つからない状況に至り、元本どころか利子さえ支払えない状況に陥った現実に、もはや驚くことさえもありませんでした。

リスケジュールさえ対応できなくなり、正式に期限の利益の喪失をして、つい先日まで笑顔で対応していた金融機関が、当たり前の様に債権回収を仕掛けてきます。

あれほどの不動産も、担保が設定されていたので、任意売却で処分し金融機関の弁済に充当しました。

無担保となった債務は、本業の建設職人で稼いだ賃金から僅かずつ弁済したり、一括和解をしたりしてしのぎました。

バブル崩壊後の、父親の後半人生は、借金を弁済するための30年間だったのかもしれません。

それでも、元本が1億3000万円,遅延損害金が3億ほどの、合計4億3000万円の無担保の借金がサービサー(債権回収専門会社)に残っていました。



父親が亡くなり、息子さんは随分と悩みました。

父親には、相続の対象となるような資産と呼べるものはなく、4億3000万円の無担保債務があるだけですから、当然に相続放棄を選択すべきです。

対象となるお母さんは既に亡くなっておられ、息子さんの3人兄弟が相続放棄をすれば、父親の両親が相続人になってしまい相続放棄をしなければなりません。

しかし、ご両親も無くなっておられますから、父親の兄弟が相続することになるのですが、冒頭でご紹介したように、父親は7人兄弟で、既に亡くなっておられるご兄弟もおられます。

この場合、父親が亡くなる以前に、兄弟が亡くなっていればその子供(父親からすれば甥・姪)が相続の対象となってしまいます。

そうすると、息子たち3人に始まり、父親のご兄弟、さらには甥や姪までも相続放棄が必要になり、大変な手間暇のかかる作業になってしまいます。

それでも、相続放棄をするしかないと悩んでいたのですが、良い方法が頭に浮かびました。

金融機関からサービサーに債権譲渡をされたのは、もう20年程の前になり、債権債務としては劣化しているといえます。

さらに、債権回収の対象となる主債務者は父親であり、保証人は存在しません。

すると、父親が亡くなり、その相続権者全員が相続放棄をすれば、サービサーは債権回収の手段を完全に喪失するということになります。

ということは、サービサーとしては、相続放棄をされるぐらいならば、僅かな金額でも回収できた方が得だという事になりますから、これを根拠として和解交渉をしてみることにされました。

こちらには、何ら臆することなどありませんから、息子さんは堂々と交渉に臨まれます。

交渉といっても、電話での対応で、それも3回ほどという僅かな期間で和解は成立しました。

和解額は60,000円です。

合計4億3000万円の債務が、0.014%の6万円を支払うことで和解ですから、4億2994万円の債権放棄をしてもらったことになるのです。



十数名の債権放棄を考えると、随分と手間暇が省けたことになります。

60,000円の和解額が必要だといっても、相続放棄よりも随分と費用的にも得をしたということになるでしょう。

亡くなった父親などの債務が、相続人にとって大きな問題になる事例は少なくありません。

その様な場合、ほとんどは相続放棄で処理されるようです。

しかし、債権者との状況や、債務者の環境により、この様に処理できる可能性があることも頭に入れておいてください。



 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ



破産は選択肢にない・・・



コロナウイルスは、健全経営を維持してきた中小事業者を、強烈に蝕んでいる様です。

一気に売上が激減し、何ら対策もとれずに資金不足に陥り、当たり前の様に資金繰り破綻を引き起こしています。

その結果、倒産に至ってしまうという流れなのですが、本当に倒産しか選択肢は無かったのでしょうか。

環境は、徹底して中小事業者の資金繰りを支援しようとしているのですから、僅かな情報取集と少しの実践で、破産はおろか倒産さえも回避できるはずなのです。



コロナ関連の倒産が、急激に増加しているそうです。

1月末に、コロナ騒動が本格化しだしてから、まだ3ヶ月ほどの僅かな期間で、これほど倒産が増加するというのは、不況時においても珍しいといえるでしょう。

普通の不況は、徐々に状況が悪化していきますから、当初の倒産件数はそれほど多くなく、徐々に増加をしていくものなのです。

今回の様に、当初から倒産が増加するというパターンとよく似た傾向の不況にリーマンショックがあります。

リーマンブラザースの経営破綻により、世界中が未曽有といわれる不況に突き落とされたときも、
一気に不況になり、一気に倒産が多発しました。

今回も、このリーマンショック級の厳しい不況になるということなのかもしれませんが、現実はそうではありません。

リーマンショックよりも、遥かに厳しい経営環境に陥るといって間違いないでしょう。

リーマンショックの時は、落ち込みこそ大きなものでしたが、直ぐに不況の底に到達しました。

今回は、未だ不況が始まったばかりで、どこまで落ち込んでいくか想像さえつきません。

リーマンショックの時は、経済だけが悪化したのですが、今回は社会や生活全てが機能麻痺しようという状況なのです。

今回の景気の落ち込みが、リーマンショック時を遥かに凌駕するというのは、容易に断言できることなのです。



まさしく、第2次世界大戦の終戦以降、世界が初めて経験する異常事態なのでしょう。

中小事業者など、いつ倒産しても何ら不思議ではない状況に陥っているのです。

しかし、簡単に。倒産などしない環境だともいえます。

何故なら、資金繰りを確保して、生き残って、事業を維持させる方法が、確実に存在するからなのです。



つい先日まで、政府の中小事業者政策は、選択淘汰であり、改善の望めない事業者は、市場から退場させようというものでした。

ところが、コロナ対策における施策は、180度転換し昔の護送船団方式で、全ての事業者を救おうというものになっています。

いや、制度の利用の可否を抜きに、用意されている制度だけを検討すれば、そんな生易しいものではありません。

長年、経営危機という厳しい環境に身を置いていた立場から見れば、健全な環境では想像もつかない様な至れり尽くせりの手厚い制度ばかりで驚かされます。

これほどの制度が用意された環境なのですから、資金繰り確保の方法は、様々に存在するといえるのです。

こんな環境で、倒産…というのは、余りにも勿体ないといえるでしょう。

どうしようと悩むより、ポジティブに制度を勉強し、環境を見つめてください。

その様な姿勢で取組むことが出来れば、今は、チャンスになるのかもしれません。



 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ


リスケ中のセーフティーネット・・・


日本の中小事業者数は、現在、約360万社だといわれています。

そのうち、リスケジュール(返済条件の変更)に取り組んでいる企業数は、正確な数字は判りませんが、40万社ほどだろうといわれています。

リスケジュールに取り組んでいる中小事業者は、全体の10%を超えるほどになりますが、実際に稼働している中小事業者数は遥かに少なくなるでしょうから、15%を超える割合の事業者が、リスケジュールをすることにより資金繰りを確保していることになります。

既に経営が厳しくなっている、それほど多くの中小事業者は、このコロナウイルスによる経営環境悪化の中で、コロナウイルスに関するセーフティーネットなどの融資を受けられるのでしょうか・・・。



リスケジュールは、リーマンショック以降、中小企業金融円滑化法により、健全な経済行為として社会的地位を取得し、十分に認知をされるようにもなりました。

今や、リスケジュールに取り組んでいる企業など珍しくもありません。

しかし、リスケジュールに取組むというのは、収益性を低下させ、財務体質を悪化させているということになりますから、このコロナウイルスによる経営環境の悪化に対応するというのは並大抵のことではないでしょう。

たしかに、政府が様々な制度を矢継ぎ早に用意し、中小事業者対策も充実しているのは間違いないようです。

ただ、これらの制度が、リスケジュール中の中小事業でも、活用可能かどうかが問題になります。

通常時であれば、当初の約束通りに返済できずにリスケジュールをしている中小事業者が、新規の融資を受けるのは極めて困難だといえます。

しかし、今は有事です。

近代において経験したことのない環境悪化なのですから、通常時の常識で判断する訳にはいきません。

現実に、今回のコロナウイルス対策で政府が用意した各種セーフティーネットについては、リスケジュール中の中小事業者でも対応が可能だということです。

これは、取組むしかないでしょう・・・。

いや、思い起こせば、リーマンショックの時も、同じ様なことを言ってました・・・。

リスケジュールをしても、正常債権として扱うから、新たな借入は可能だと、当時の亀井金融担当大臣が断言をしていたものです。

この言葉を真に受けて、リスケジュールをしているのに新規融資を申し込んだ経営者も少なくありませんでしたが、債権者は建前と本音を見事に使い分けて、私の知る限り結果は全滅でした。

約束通りに返済できない事業者に、たとえ金融庁の指導であろうとも、新たに貸付など出来るはずはないと、当然のごとく金融機関が主張していたことを思い出します。

ということは、このコロナウイルス対策についても、建前と本音が使い分けられて、リスケジュール中であれば難しいのでしょうか。

私は、コロナウイルスよる経営悪化について、ご相談者様に次の提案をしてきました。

   リスケジュールの徹底活用
   セーフティーネット貸付・緊急対応融資(日本政策金融公庫)の徹底活用
  セーフティーネット保証(信用保証協会)の徹底活用 (できれば4号)
   雇用調整助成金の徹底活用

以上の4点をセットにして、とにかく取組み、資金繰りを安定的に確保するようにお願いをしてきたのです。

政策が、日々、バージョンアップしていますから、危機関連保証や危機対応融資などが新たに用意をされましたが、基本となる△鉢については、外すことなく最優先で取組むことが不可欠なテーマになります。

この様にお願いをした私の顧問先で、その結果を色々と調べると、今回はリーマンショック時とはどうやら違うようです。

リスケジュール中であっても、新規の融資の申し込みをすると受け付けられてまな板の上に乗って検討されていますし、現実に融資が実行された事例が少なくありません。

ただ、当然に全てが対応可能な訳ではなく、申し込み段階で断られた事例も存在します。

また、信用保証協会と日本政策金融公庫の対応も、根本的に違う傾向が見られます。

次回のブログでは、この具体的な事例について、詳しく確認をしていきたいと思います。



このコロナウイルスによる環境悪化は、常識の通じない有事だと考える必要があるでしょう。

通常時なら、検討の余地さえもないことが、この環境では『中小事業者の資金繰り確保』というテーマにより可能となっているのです。

見方を変えて、この稀有な機会を、有効に活用すべきではないでしょうか。



 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ



時効と民法改正・・・



借金を処理する場面において、時効の活用は、債権債務両面において重要なキーワードとなります。

時効が完成すれば、借金は請求されなくなるのですから、貸した側の債権者は万全の態勢で阻止しようとしてきます。

正しく、債権者である金融関係機関と、借金をした債務者間における、生死を掛けた攻防といっても過言ではないでしょう。

時効など、債権者が完成させるわけはないといいますが、知力と体力と経験さえあれば、時効は十分に活用できる現実なのです。



ここまで、時効に関する大きな改正点について理解してきましたが、未だ、外すことのできないキーワードが幾つか残っていますので、最後に理解していきたいと思います。

前回、完成猶予と更新についてご説明をしましたが、その対象に『承認』が抜けていました。

今までの民法であれば、承認も立派な時効の中断事由となりますから、当然に、今回も対象となります。

ただ、完成猶予から更新という流れになった強制執行や請求とは違い、承認は、着手から決定までのタイムラグがなく一瞬で決まります。

したがって、弁済をしたり、債務承認書にサインをしたりなどといった『承認』は、その瞬間に更新をして、時効は新たに始まるということになります。



今回の改正で設けられた大きなキーワードに『協議』があります。

今までの民法では、『協議』に関した規定はありませんでした。

したがって、当事者が弁済について協議している途中で時効の完成期間が迫ってくると、何らかの中断手続きを執る必要があったのです。

この点について、協議を行う合意が書面でなされた時は、一定期間は時効が完成しないとされました。

一定期間についても、細かく規定をされており、当事者の片方が協議続行を拒否したとしても、その通知時から6か月間は時効が完成しないことになったのです。



前々回のブログで、借金などの消滅時効の期間は、実質5年に短縮されたとご紹介しました。

権利を行使できる時から10年という規定はありますが、借金などの性格上、行使できることを知ったときから5年という規定が、ほぼ当てはまるからです。

そして、裁判などの判決で確定した権利については、時効期間は10年になるという規定が、今回は新たに設けられました。

これは、今までの商事債権と同じ理屈になりますので、理解はし易いと思います。



最後に、時効に関する重要なキーワードについて触れたいと思います。

今までの民法では、439条で、複数の連帯債務者の中で、1人の連帯債務者の時効が完成すれば、その対象部分について他の連帯債務者も負担を免れるとなっていました。

これは、債権者側からすれば、納得のいかない話になるでしょう。

債権者にすれば、債権の回収を保全するために複数の連帯債務者と契約をしているのです。

それなのに、そのうちの1人の連帯債務者の時効が完成すると、その効力は他の連帯債務者にも及ぶとすれば、債権額自体が減少して不利益を受けることになってしまいます。

この点について、今回の民法改正で見直され、439条が削除されることになりました。

その結果、連帯債務者のうちの1人の時効が完成しても、その効力は、他の連帯保証人には及ばないということになったのです。

この規定は、時効を活用した債務処理においては、1つのスキームとなる選択肢でしたので、今後は注意が必要ということになります。



この3回で、時効に関する民法改正について理解をしてきました。

法律の条文は、妙に理解しにくい表現になっており、私自身も、ブログにすることで、理解を深める作業になっています。

口語で、もう少し判り易い表現にすれば、もっと法律に興味を持てるのではないでしょうか。

次回は、詐害行為について、理解をしていきたいと思います。




 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ


事業承継者の人生・・・



社長は頭を抱え、『こんなはずではなかった・・・』と、呟かれます。

新卒で入社して以降、先代の社長(現会長)から可愛がられ、従業員から専務に引き立てられ、先代社長を補佐されてきました。

そして、先代がご高齢を理由に社長を退任されるとともに、新社長として事業を承継されたのです。

望外の栄達といえるのかもしれませんが、現実の社長業は、中小企業の悲哀の詰まったものでしかありませんでした。



子供でもないのに、会社事業の承継者として指名されるのは、身に余る名誉だと感激をされました。

営業の責任者として、会社の発展に寄与してきたという自負もあり、社長としての自信もありました。

これから、まだまだ会社を発展させるために、取り組みたい企画も沢山持っていました。

ところが、現実の社長業は、そんな未来に向けて心躍るようなものではなく、過去の清算業務に追われる日常だったのです。

取引銀行は、社長交代とともに、当然のように連帯保証人になることを要求してきました。

この段階で、夢の新社長から、現実の厳しい世界を思い知らされます。

先代社長時代の、返済できるはずもないほどの、膨大な債務処理に追われる毎日が続きます。

最善の努力は尽くしましたが、結局、代表を務める会社を任意整理するしかなくなり、代表取締役社長として、全ての責任を負わされるしかありませんでした。

次の人生や生活の糧を得る準備はできましたが、保証債務者として、これから責任を背負っていかなければなりません。



中小企業の事業承継は、簡単ではありません。

多くの場合、膨大な負債が存在します。

事業を承継するということは、その負債も背負うということになるのです。

連帯保証人制度が見直されつつある現在においても、事業承継に伴い保証債務を承継することも、当然のように要求をされています。

中小企業経営者の息子は、生まれた時から社長の椅子が約束されているようで、世の中では羨ましく思われていますが、現代ではとんでもない話で、物凄い責任と、人生を消滅させるかもしれない負債を背負わされた人生といえるのかもしれません。

今、中小企業の事業承継が、大きな社会問題となっていますが、その問題点を具体的に把握しておく必要があるでしょう。

仕事に魅力を感じない・・・
責任を負うのは嫌だ・・・
のんびり過ごしたい・・・

など、現在の若者の気質が、事業承継問題の原因とされているようですが、本質の原因は違うように思います。

別に、息子さんだけを対象に、事業承継を考えているわけではなく、番頭さんなどの従業員も対象に事業承継を検討していることも多く、既に、承継すべき仕事や業務にどっぷりと浸っている従業員を対象にしても、承継問題は解決できていないのです。

それは、承継を躊躇させるような、大きな問題点がほかにあるということになります。

そして、多くの中小企業が抱える債務にあると、答えを導くのに時間はかからないでしょう。

債務が、財務的に許容できる範囲ならば、事業承継も処理できていることが多いようです。

事業承継が問題となっている企業には、大きすぎる債務が存在するという傾向があります。

返済が難しいと思われる、重すぎる負債が存在するから、事業承継を躊躇させ、社会問題となっているのが現実なのでしょう



それでも、経営者は、息子に事業承継をさせようとされます。

ご自身が苦労して作り上げ、全てを賭けて背負ってきた事業ですから、経営者の責任として、父親として、息子に事業を継いでほしいと思うのは、自然な流れなのかもしれません。

日本流のビジネスモデルでも、今までは何ら疑問も持たれず、容認されてきた承継システムだともいえます。

しかし、時代が変わりすぎました。

その時代は、今日よりも明日は間違いなく良いという右肩上がり経済でしたが、今は、明日の見えない時代なのです。

そんな時代に、債務を抱えたまま、事業を承継させようというのが、根本的な勘違いだといえるのかもしれません。



中小企業の事業承継問題を解決しようとすれば、債務の処理のについて考える必要があります。

事業を承継させるときに、承継すべき債務を圧縮させる・・・。
 
債務を承継させずに、事業だけを承継させる・・・。

この様に、債務の負担が軽減できれば、事業承継がスムーズになるのは間違いありません。

ところが、この様な取り組みが、現在では、不可能ではなくなってきています。

そして、債務の圧縮は、様々な場面において、実現可能な手段となろうとしているのです。


 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ



兄弟からの借入・・・



喧嘩はしても、仲の良い兄弟だったはずなのです。

言葉は厳しくても、いつも優しい目で見守ってくれる兄でした。

苦しい局面になるほど、頼りになる存在だったのですが、今回は少し違います。

結婚という環境の変化が考え方を変化させ、夫婦という関係が、兄弟の絆を劣化させた様なのです。



『兄弟仲良く・・・』というのは、万国共通の願いの様です。

多くの親は子供たちにこの点を厳しく躾けて、しょっちゅう喧嘩をしても、何事も無かったように直ぐに仲良くする、兄弟というのはそんな不思議な関係なのでしょう。

青年以降になると、兄は、常に一歩前を進み、自分が経験した新しい世界を弟に教えてくれます。

良いことも、悪いことも・・・。

先輩であり、友達であり、そして先生でありという、そんな存在なのかもしれません。

お互い、結婚をするまでは、一緒に育った頃のままの関係で、兄弟の関係を狂わすことなど、考えられもしなかったといえます。

ところが、結婚して家庭を持つと、兄弟の関係は変わり始めます。

子供でも生まれると、その関係には大きな変化が見られるようになるのです。

まず、家庭のことを優先し、生活や子供の教育が大事であり、そのための収入やお金に執着するようになるのは、ある意味において当たり前のことなのでしょう。

兄弟の関係よりも、夫婦や子供との関係を優先するのは、人間社会を生きるためには当然なのです。



兄弟が、相続において凄惨な争いをするというのも、悲しいけれども、仕方がないといえるのかもしれません。

子供の頃、あれほど仲の良かった兄弟が、相続内容について大揉めして、縁が切れてしまう事例なとは珍しくもありません。

綺麗な表現をすれば、お互いに家庭があり、兄弟の関係以上に護るべきものがあるために、それなりの主張をして揉めてしまうのでしょう。

具体的な表現をすれば、配偶者である奥さん等が、欲を膨らませて、口を挟むからややこしくなり、収拾が付かなくなるということなのかもしれません。

こうなると、兄弟の関係は崩壊です。



経営危機の場面では、兄弟の関係は、さらに難しくなります。

兄弟で会社を経営している場合も、兄弟の片方が事業をしている場合も、兄弟関係に大きな影響を与える可能性があります。

最も顕著な事例として、資金不足に陥った場合における、資金提供や融資の保証が挙げられるでしょう。

金融機関が、融資を渋り始めると、経営者は新たな形で不足する資金を確保しなければなりません。

その1つが、兄弟など身内に、融資の第三者保証をお願いするということになります。

これだけ、連帯保証人制度が社会問題となり、建前的に第3者保証は否定されるようになりましたが、現実的には第三者保証は未だ生きています。

本来は、融資は無理だが、ご兄弟が連帯保証をしてくださったら・・・などとの条件を、金融機関が出してくるのです。

背に腹は代えられないということで、兄弟にお願いをして、資金繰り地獄に巻き込んでしまう事例は、未だに少なくありません。

もう1つが、直接に資金の提供を、兄弟にお願いするパターンです。

資金繰りが悪化して、当座の資金不足を兄弟や親戚からの借金に頼ろうとする経営者は少なくありません。

兄弟なども、そんな余力はありませんが、頼まれて仕方なく精一杯の資金を融通されます。

そして、この様な現実を、兄弟の奥さんが知ればどうなるでしょうか。

多くの奥さんは、たとえ兄弟であろうとも、資金を融通することを止めるようにとご主人にお願いされるでしょう。

兄弟夫婦には、絶対に守らなければならない家庭があるからです。



兄弟などに、資金提供や融資の保証をお願いするというのは、経営においての末期症状だといえます。

この様な状況において、保証した債務を正常に完済したり、融通した資金を約束通りに返済してもらえる可能性は低いでしょう。

そして、現実的に約束が守られなくなると、当然に兄弟という関係は崩壊してしまいます。

そうならないために、会社を整理したり、借金を整理する場面において、兄弟などに迷惑を掛けないように、この借金だけはどんなことをしても返済したいと主張される方は少なくありません。

今後、生きていくために、どうしても綺麗にしておかなければならない借金のことで、親しい友人や知人,そして兄弟などからの借金が対象になるでしょう。

しかし、事業を失い、収入も喪失しようという状況で、成果を出すのは極めて難しいといえます。

結論を言えば、兄弟からの借入れや、第3者の連帯保証は、最初から、考えるべきではなかったことなのです。

兄弟からの借入れや、第3者の連帯保証をお願いしなければならない状況は、事業の継続自体を考え直すタイミングだったいえるのでしょう。


 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ


相続放棄と連帯保証人・・・



突然、信用保証協会から、保証債務の請求が届きました。

自営で事業はしていますが、金融機関からの借入れなどはなく、信用保証協会との付き合いなどもありません。

調べてみると、3年前に亡くなった父親が会社を経営していたのですが、その会社の銀行借入れが信用保証協会に代位弁済をされ、今頃になって相続人に請求してきたようなのです。

亡くなった父親に、相続する資産など残っていませんでしたから、私にとっては青天の霹靂です。



この様な事例は、少なくないと思います。

事業をする父親が亡くなっても、相続人が、経営状況を把握しているとは限りません。

息子が、後継者として会社に入っており、ある程度のポジションについておれば、正しい経営状況や債務の存在などについても把握できるのかもしれません。

しかし、会社債務の保証状況まで把握できているとは限りません。

もし、後継者もおらず、亡くなった父親が1人で切り盛りしているような状況であれば、相続人が正しい状況を知るのは難しいでしょう。

ましてや、父親が、友人などの会社の保証人になっていた場合などは、相続人がその保証債務の存在を知ることは不可能だといえるでしょう。

したがって、被相続人が亡くなって、暫く経ってから、突然に知らない保証債務の請求をされる、この様な事例は少なくはないのです。



資産という権利だけではなく、負債や債務といった義務も、相続の対象となります。

中小企業経営者のご家族であれば、この様な知識をお持ちの方は少なくないと思いますが、深くはご存じないことが多いようです。

相続人であるご家族が、父親の会社が厳しい経営状況であることを知っていたならば、相続において注意をなさるかもしれません。

しかし、健全な経営だと認識されていた様な場合は、保証債務までは気が回りにくいように思います。

まだ、相続すべき資産が存在している場合は、税理士などと相談もされてチェックのしようもありますが、目ぼしい相続資産がないような場合は、相続について多くは放置されることになるでしょう。

そうなると、保証人の地位を承継し、知らないうちに保証債務を背負うことになるのです。



保証債務などといった負債や債務を相続しないためには、相続放棄をしなければなりません。

限定承認という資産に見合う負債・債務だけを相続する方法や、特定遺贈などを活用する方法もありますが、相続放棄を活用されることがほとんどではないでしょうか。

相続放棄とは、相続人が被相続人の遺産の相続を放棄することで、相続の開始を知った日から3か月以内に、家庭裁判所にて手続きすることで成立します。

相続の開始時点で、保証債務などの負債・債務の存在が判れば、この相続放棄により保証債務の相続を回避することができます。

しかし、問題は、相続の発生を知った日から3か月を経過して以降に、保証債務の存在を知った場合です。

3か月を過ぎてますから、相続放棄もできないと、大慌てすることになるでしょう。

しかし、まだ、相続放棄できる可能性はあるのです。

最高裁の判例による考え方で

  1. 被相続人との関りが無く、相続放棄できなかったことに相当の理由がある場合
  2. 債務・負債の存在を知らなかった場合

この2つの要件を満たす場合は、相続が開始して暫く経過していても、相続放棄できる可能性があるのです。

それでも、債務・負債の存在を知ってから3か月以内の手続きになりますので、スムーズな取り組みが必要になります。

ただ、相続放棄ができたとしても、その事実を債権者が認めるかは別の話になるようです。

特に、要件の1つである被相続人と関りが無いという点や、債務・負債の認知において注意しなければならないでしょう。



冒頭でご紹介した事例の場合は、代位弁済後5年目の、時効中断のための請求だと思われます。

請求と共に、相続放棄をした書類があれば送付するようになっていましたから、まだ善意のある対応だと思います。

この好意に、少し感謝しつつ、相続放棄したことはやぶさかではありません。

しかし、世の中には、悪意を持って対応する輩も多く、相続開始後3か月が経過してから請求してくることも少なくはありません。

相続が発生すれば、資産が気になるのは仕方ないでしょうが、中小企業経営者の相続人であれば、負債・債務にも注意してください。

同時に、被相続人になるかもしれない経営者にとって大事なことは、負債・債務の存在、特に保証債務の存在を、日頃から相続人に知らせておくことだと思います。

中小企業の経営者は、保証人として保証債務を背負っていることが多く、経営破綻のリスクと背中合わせの状況です。

したがって、常に保証債務の存在を頭に入れ、万が一の準備と対応も視野に入れておく必要があるのでしょう。




 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ


保証人は必要か・・・



実際に事例があれば、教えていただきたいと思います。

融資における、連帯保証人の必要性が、ここ数年で画期的に変化をしたといいます。

しかし、私の関係において、そんな事例、民間金融機関では皆無なのです。

ここ2年ほどの間で、民間の金融機関のプロパー融資において、連帯保証人が不要だったという事例があれば、是非、教えてください。



平成26年2月に、『経営者保証に関するガイドライン』が運用開始をされてから、丸4年が経過をしました。

このガイドラインにおいて、融資における連帯保証人の必要性が根本的に見直されたのです。

連帯保証人に関する注目点を簡単にまとめると、以下の3点になります。

  1. 融資において、一定の条件の下で、連帯保証人は不要。

  2. 事業承継者に対して、一定の条件の下で、保証債務の承継を求めない。

  3. 事業が破綻しても、一定の条件の下で、保証人の自宅資産などが維持できる。

今までの、人身御供の様な保証人制度から考えると、画期的に改善を実現する制度であり、我々の期待は半端なものではありませんでした。

ただ、その後の運用を見ると、なかなか納得できるような事例が見当たらないのです。



たしかに、事業承継において、保証人の地位の承継を求められない事例は、結構多くの事例が見受けられます。

しかし、その対象となる事業者は、健全な経営を維持して、経営者が保証人になってもリスクを背負わないようなところばかりです。

経営状況に不安のあるような事業者の場合は、今まで同じように、保証債務の承継を求められるのが現実だと思います。

私のお客様は、皆さん経営が厳しい方ばかりなので、事業承継において保証債務を免除された方はほとんどおられません。

当然、民間金融機関の融資において保証人が必要でなかったり、経営破綻したのに保証人の所有する自宅が守れた事例なども皆無なのです。

というより、保証債務承継に関しては、珍しくないほどの事例が見受けられるようになっていますが、融資時に保証人が不要であったり、経営破綻して自宅が守れたという事例については、私共以外においての事例も見受けられません。

私が知らないだけなのかもしれません。

しかし、ある大手地方銀行の幹部と話す機会があり、『経営者保証に関するガイドライン』に関する実例について聞いてみました。

すると、その幹部は、中小企業に対して、保証人なしでの融資など考えられないというのです。

実例としても皆無であり、金融機関としては、与信を補うために保証人は必要不可欠だと言い切りました。

日本政策金融公庫や信用保証協会などの公的な機関においては、保証人を取らないというのが基本姿勢になっています。

しかし、民間の金融機関に言わせれば、公庫や保証協会の保証人不要の姿勢は、民業圧迫だとまでいうのです。

これが、民間金融機関の実体でしょう。

民間の金融機関は、公庫などの公的な機関とは違い、利潤を追求するというのが大命題ですから、債権回収の保全について妥協は出来ないということになります。

経営者や保証人の人権より、損をしないことが大事なのです。



結果として、金融機関お得意の面従腹背により、根本的な保証人制度の見直しなど、全くされていないということになります。

『経営者保証に関するガイドライン』が運用されたり、金融庁の要請があっても、結局のところ、債権者である金融機関に寄り添った金融制度は維持されたままなのです。

平成20年に、民法の債権法が全面的に見直され、連帯保証人制度についても大きな見直しが図られます。

ここ数年の保証人制度見直しの、最後の機会となるかもしれません。

どこまで経営者の人権を守ることができるのか、これに期待するしかないのかもしれません。



  詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ



信用保証協会の保証は取り戻せない・・・



信用保証協会とのお付き合いは、当事者だけではなく、その家族にまで大きな影響を与えます。

奥さんや子供を連帯保証人にとられたり、自宅を担保に取られたりという単純な構図の話ではありません。

信用保証協会の保証付き融資が事故になり、代位弁済をされると、その事実は、債務者としての当事者だけではなく、その家族にまでも影響します。

金融事故を起こして、代位弁済をした債務者の家族として、同じように信用を喪失させ、将来に亘り融資の時の保証はまず出来なくなるのです。



15年ほど前に、税理士さんの指導で、会社を任整理された方からお問い合わせをいただきました。

金融機関からの借入は当然のこと、租税公課や商取引債務までも棚上げをして、旧の会社は放置をされたそうです。

事業は第2会社に移し、子供さんがオーナー兼代表者となって、今も頑張って経営を続けておられます。

任意整理としては、その時点における債権者への取り組みや、タイミングについても選択は間違っていなかった様に思われますが、少し急ぎすぎて細かな部分への対応が抜けていたのかもしれません。

そのせいか、第2会社の資金繰りは、今でも楽にはなっていない様です。

以前に、金融機関が勧めるので、第2会社で信用保証協会の保証付き融資を申し込んだところ、なぜか保証を受けることが出来ずに融資は実行されなかったそうです。

ご相談者は、どうやら子供さんが前の会社で取締役をしていたことが信用保証協会に知られてしまい、保証を受けることが出来なかったと考えておられます。

資金繰りは今でも厳しい状況で、金融機関や信用保証協会と健全な関係を構築したいとは考えていますが、現状では難しいようで、このまま、信用保証協会の保証は、永遠に受けるのは難しいのかと悩んでおられます。

子供が、このままの形態での第2会社の経営を、実質的に承継してもいいものなのかと不安も抱いておられます。

また、将来の相続を考えた時、信用保証協会などの債務を考えると不安でたまらず、何か良い方法はないかというお問い合わせでした。



このお問い合わせは、テーマごとに区別して考える必要があるでしょう。

まず、信用保証協会の保証については、永遠に難しいと考えられます。

信用情報機関の信用情報は、5年程度で記録は消され、過去の金融事故についての確認は出来なくなりますが、債権者である当事者としての記録は永遠に残ります。

信用保証協会が過去に代位弁済をしたという詳細な記録は、信用保証協会には永遠に事故情報として保存をされ、活用をされることになります。

しかも、信用保証協会は、債務者(債務者企業の代表者なども含む)の家族についても、同様に事故関係者としてみなす傾向があります。

たとえば、関係のない子供が、自ら事業を立ち上げて、信用保証協会の保証付き融資を受けようとしても、住所や連絡先が事故を起こした親と重複していれば、保証は難しいというのが現実です。

そして、その理由は教えてくれません。

しかも、以前に、子供さんが代表をされている第2会社は、金融事故を起こした旧会社の関係会社であると烙印を押されているわけですから、この形態のままでは永遠に難しいと考えるべきでしょう。



また、子供さんが実質的に事業を承継されるについても、現状のままではいろいろと問題があると思います。

信用保証協会の保証は受けることが出来ませんから、運転資金を確保するには、日本政策金融公庫に頼るか、プロパー融資を受けられるようになるしかありません。

資金繰り環境が構築しにくい状況ですから、このまま事業を承継させるというのは考えものではないでしょうか。

できれば、信用保証協会の保証を受けられる様な環境に構築し直してから、事業承継をさせたいものです。



相続については、難しく考える必要はないでしょう。

生前贈与や遺言書,債権放棄などを組みいれて、事前の準備さえしっかりとしておけば、債務が残っていても対策は可能だと思います。

よほどの資産をお持ちでない限り、債務処理における相続対策は難しくはないと考えて大丈夫です。


  詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ




民法改正・・・保証人



以前の保証人制度は、日本文化の恥部とも呼べるものでした。

先進国では、第3者の個人保証などあり得ない制度であり、散々批判をされてきました。

その結果、経営者保証に関するガイドラインなどの運用開始によって、ようやく見直しが始まったのが数年前でした。

そして、今回の民法改正で、保証人制度は根本的に改善されようとしている様です。



この民法改正は、我々の仕事と密接に関係している債権法が対象です。

その中でも、消滅時効の見直しと保証人制度の見直しは、会社再生や債権債務処理において、特に関係の深い重要なポイントになります。

改正される内容を、具体的に活用することができれば、良い結果を確保出来るでしょうから、しっかりと理解していきたいと思います。


まずは、保証人制度の見直しについて、事業者の立場から理解してみます。

今回の民法改正において、保証人の保護については、様々な面から徹底的に強化をされました。

1.根保証契約に限度額を設定することを義務付ける

2.事業主以外が、事業用資金の借入の保証人になる場合は、公正証書の作成を義務付ける

上記の2点が、今回の改正のポインになりますので、具体的に改正内容を確認してみます。

まず、根保証契約に限度額の設定を義務付けるについてです。

根保証とは、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、中小零細事業者が金融機関から借入をする場合に、最初の段階で、当たり前のように締結する契約になります。

金融機関と、今後継続的にお付き合いをして借入をすることについて、借りたり返済したりを繰り返すことが多いので、いちいちその度に契約を結ぶのではなく、包括的に保証するという契約になります。

この根保証契約は、今後の借入がどうなるか判らないので、限度額を設定しないのが一般的でした。

現在の民法においては、保証する最大限となる限度額について、決めておくことを必要とされていなかったからです。

したがって、保証人は、際限なく青天井で保証しなければならないということになりました。

実際、保証人の知らないうちに、膨大な借入になっていることも、珍しくありませんでした。

その結果、主債務者の破綻により、何の関係もない根保証者が厳しい追及に晒されることになったのです。

この非人道的な根保証契約において、限度額が義務付けられることになりました。

根保証契約の締結には、限度額の設定が前提となったことにより、保証人は債務額に関わらず、限度額までの保証に限定されることになったのです。



もう1点のポイントが、事業主以外が、事業用資金の借入の保証人になる場合は、公正証書の作成を義務付けることになります。

事業主以外の第3者は、公正証書の作成に依らなければ、事業用資金の借入の保証人になれないということになったのですから、大きな意味のある改正ではないでしょうか。

以前は、経営への関与など全く無関係に、金融機関はできるだけ多くの保証人を確保しようとしました。

貸す側の立場から、債権回収を保全しようとすれば、支払い能力のある保証人を確実に確保しようとするのは当たり前だったからです。

その結果、何の関係もない第三者の保証人が、主債務者の金融破たんにより、悲惨な状況に追い込まれることになったのです。

バブル崩壊の環境において、多くの第3者の保証人が、保証債務の追及をされて人生や命までも失うことになり、事業に全く関係のない第三者を保証人に取ることについて、大きな社会的批判を浴びることになりました。

その結果、極力、第三者を保証人にしないという方向になり、事業資金の借入においては、第三者を保証人に取ることは随分と減ってきました。

そして、今回の民法改正で、事業用資金の借入において、事業主以外の個人が保証人になる場合、公正証書の作成が義務付けられたのです。

ご存知のように、公正証書とは、公証人役場において、公証人に依頼して作成してもらう書面のことです。

公証人は、保証人である依頼人の意思や理解を確認しながら、公正証書を作成しますので、自分の意志で保証人になり、保証内容を理解しているということが確認できるようになります。

事業と関係のない第三者が、知らなうちに保証人になっていたということは、これで無くなるのだろうと思います。



保証人に関する民法改正のポイントに、債務者からの情報提供義務というのもあります。

債務者は、保証人に対して、必要な正しい保証内容の情報を提供しなければならないというものです。

もしも、必要な情報を提供しなかったり、間違った情報を提供した場合には、保証契約を取り消される可能性があります。

この様に、保証人についての民法改正は、徹底的に保証人保護の方向になったようです。

世論が求めていた方向で、極めて良い改正になったようですが、実は、様々な問題点が潜んでいるように思われます。

民法改正による保証人に関する問題点については、次回のブログで考えていきたいと思います。




 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ


株式会社 トップ経営研究所
Archives
Whether

-天気予報コム-
  膺肢鐚