30年前のバブル崩壊は、日本経済を根底から覆してしまいました。
当たり前だった右肩上がりの経済を、過去の栄光にしてしまったのです。
リーマンショックは、多くの中小事業者をゾンビ企業化して、実質的に経済の成長を止めたといえるでしょう。
体力を喪失した日本経済に、コロナウイルスは未曽有の打撃を与えました。
多くの中小事業者は土俵際まで追い込まれ、過去に例を見ない様な施策が断行をされます。
協力金や支援金,雇用調整助成金の特例,無担保無利子のゼロゼロ融資など、金融秩序を無視し、モラルハザードなどお構いなしの施策が続々と実施されます。
それほど、経営環境が酷かったといえるのですが、中小事業者の経営維持対策としては絶大な効果のある劇薬だったといえます。
しかし、劇薬ともいえる無茶な施策が、いつまでも継続できるわけではありません。
そして、劇薬には副作用がつきものだといえ、効果が薄れると困難が発生するのは当たり前で、中小事業者は難しい状況に追いやられることになります。
このままでは、中小事業者は対策を喪失してしまい、破綻するしかない状況になろうとするタイミングで、政府は取組みの方向性を大きく転換したのです。
コロナ感染初期、無秩序なまでに金融支援を展開した政府も、財政的根拠から施策を転換するしかなくなったのでしょうが、経営維持というキーワードを削除して方針を180度転換します。
新たに用意されたキーワードは、『事業譲渡』,『債権放棄』,『経営者責任』の3つになります。
このままでは、多くの中小事業者が破綻してしまうので、破綻する前に、債権放棄を前提に事業を譲渡させで社会的影響を最小に抑え、経営者の責任を追及するというものです。
既に、この方向で、具体的に動き出していますが、このスキームは完全に既存の金融モラルの崩壊であり、同時に、仕組みを転換させて新たな金融システムに転換させるということになります。
今、この環境は、それほどの施策が必要な状況であり、起承転結に転換する渦中だということになるのでしょう。
起としては、コロナウイルスの影響による、未曽有の環境変化のタイミングになります。
承としては、政府などが実施した、秩序と常識を無視した様々な施策になるのでしょうか。
転としては、既存秩序を否定し、新たな常識を構築しようする、『今』だといえます。
そして、結は、新たな金融システムを完成させるはずの、『新年』ということになるのでしょう。
この様に、今、我々、中小事業者は、新たな産業革命の渦中で翻弄されているのかもしれません。
この金融の激動が、どの様な結果に結びつくのか、この機会に直面する我々は、心して見つめる必要があると思います。
将来、振り返ってみると、令和4年は、金融転換の始まる歴史的な1年だった可能性があるのです。
令和4年も、残りわずかとなりましたが、今年も1年間、お世話になりありがとうございました。
コロナウイルス禍も3年目になりましたが、現実経営としては、最も厳しい環境だったのではないでしょうか。
そして、生き残りをかけた、難しい新年を迎えることになるでしょう。
事業者として、色々と悩みは尽きないとは思いますが、年末年始のお休みぐらいは、仕事のこと忘れて、のんびりと時間を過ごされてはいかがでしょうか。
十分に心身のリフレッシュをされ、事業者としての逞しさを取り戻して、新年を納得できる年にしてください。
どうか来年も宜しくお願いいたします。
良い年を、お迎えください。
株式会社 トップ経営研究所
主任研究員 菊岡 正博
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