かっとばせ借金 打ち勝て倒産!!

資金繰りが悪化した中小零細企業の、経営危機打開や事業再生へ向けてのお手伝いをさせていただいています。 経営危機場面での知識や情報をご提供し、従業員や家族のために命がけで闘う経営者が、諦めずに闘う現場を善戦苦闘日記としてご報告いたします。

譲渡

政府は、倒産を容認・・・


コロナ終息後の中小事業者の経営環境が、大変な状況に陥っています。

コロナが終われば、業績は回復するという目論見と、現実の業績とに乖離があり過ぎて、中小事業者の混乱は止まりません。

その原因として、ウクライナ危機,中国危機,円安等の外因が挙げられますが、もっとも大きな影響は、原材料高と人材不足によるものではないでしょうか。

この2つの原因が、利益と売上に強烈なダメージを与え、資金繰り確保を困難にしてしまっているのです。

その結果、事業者は有事での資金繰り対策を実施することになりますが、それでも倒産に至る事業者が増加をしています。

こんな厳しい環境になっているのに、何故か政府もマスコミも、この現実について注意喚起しようとしないのが不思議でしかありません。

そして、追い打ちをかけるように、ゼロゼロ融資の返済が開始されています。

既に、資金繰りが厳しくなっている状況なのに、さらに過剰債務の返済が始まるのですから、事業者にとっては成す術がありません。

もはや、中小事業者の自助努力では、どうにもならなくなっているのではないでしょうか。

しかし、政府は、この様な状況に陥ることを、織り込み済みだったのかもしれません。

コロナ禍における政府の指示で、行動制限により事業者は営業を停止し、その間の資金繰りを確保するためには、政府が用意したゼロゼロ融資を借りるしかありませんでした。

無担保無利子元本棚上げなど、異常な条件で容易に借入できたゼロゼロ融資は、借入時には本当に有り難いと感謝されたことだと思います。

しかし、本来は不要な借入であり、結果として過剰な債務を背負うしかなかったことは、当初より判っていたことなのです。

政府も、その先では返済できなくなるだろうことを、当初より想定し把握していたのではないでしょうか。

コロナ後の施策を見ていると、間違いなく判っていたと思います。

コロナ終息後までの、政府の考え方をまとめると

多くの中小事業者は、行動制限によりゼロゼロ融資を借入するしかない

ゼロゼロ融資を借入した事業者は、過剰債務を抱えることになる

コロナ終息後、中小事業者の経営環境は中途半端にしか回復しない

財務状況により、資金繰り支援政策の継続は不可能

多くの中小事業者が、回復できずに資金繰りを悪化させる

現状の形態での再生は困難になり、倒産が増加する

事業破綻を回避するため、債権放棄が不可欠になる

債権放棄を制度化するには、事業譲渡をセットにするしかない

今後の事業再生の主体を、債権放棄を前提とした事業再生にする

現事業体は整理をすることになり、経営者・株主責任も追及する

この様な流れで、中小事業者の事業再生を捉えているのだと思います。

そして、その結果、『中小事業者の事業再生等に関するガイドライン』などの政策・制度化になってくるのでしょう。

政府は、コロナ後の中小事業の資金繰り支援において、効果の期待できる具体的な施策を実施しようともしませんでした。

コロナ禍対応とは全く異なり、経営の維持や資金繰り対策については、完全に無策を貫いたと表現できるのではないでしょうか。

たしかに、ここ最近の政府の方針を見ていると、現経営形態での再生に関しては、中小事業者は自らで対応しなさいと突き放している様に感じるのです。

その結果、経営の維持が困難になってしまった場合は、その方向での出口を制度として用意をしていたのですから驚きます。


政府は、この環境において、中小事業者が経営を維持するための支援を、積極的に用意する気はありません。

まるで、資金繰りが破綻して当たり前と考えているかの如くにです。

その結果、経営継続が駄目になった場合には、譲渡により事業を維持できる方向で、全て準備済ということになります。

この事実を、我々はしっかり頭に入れておく必要あるのではないでしょうか。



 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ




劇的に変化した事業再生


『事業再生』の内容が、今、大きく変化しようとしています。

コロナウイルスの影響が絶大で、この3年弱の短期間で、世の中が様々に変化と進化を遂げたのはご存じの通りだと思います。

我々が、長年に亘り蓄積してきた常識というものが、概念諸共、根本から覆されたといっても過言ではないでしょう。

この変化、認めたくはなくても、現実としてしっかり認識しなければ、世の中についていけなくなるのではないでしょうか。




『事業再生』という表現が、社会的認知を得られたのは30年ほど前になるのでしょうか。

バブル崩壊という、いつまでも終焉を迎えようとしない未曽有の不況から、何とか逃れようと事業者がもがき続けていた頃だったと思います。

そんな状況で事業再生の意味を知り、経営に苦しむ事業者達は、一塁の望みをもって邁進することができました。

経験したことのない不況下において、事業再生が浮上し活用をされるようになったのです。

しかし、そもそも事業再生は法的な用語ではなく、明確な定義すらもなく、経済界において都合よく使われている言葉だといえます。


事業再生の一般的な捉え方は・・・

事業や会社の経営が厳しくなって、倒産の可能性が発生したような状況において、経営改善などの実施において事業の採算性を回復し、会社の健全な資金繰りを取り戻す・・・ということになるでしょうか。

以前は、個別の事業を対象とした事業再生と会社全体の再生を対象とする企業再生に区別されていましたが、今は事業再生に統一をされているようです。

したがって、事業と会社の再生が事業再生であり、現状の経営形態《会社・事業体》を維持することが前提ということになるのです。

そして、結果として事業再生を達成できたということは、現経営形態のまま、借入金の返済や商取引の支払いが正常化できるように復活したということに集約されるのでしょう。

要は、契約通りの支出が安定的に可能になるように、資金繰りを健全に確保できたかどうかということになります。

そのために、事業再生の手段としては・・・

   資金繰りを確保する

   経営改善を実施する

最低限の資金繰りを確保し、時間を確保したうえで経営改善に取り組み、資金繰りを健全化させるというのが、事業再生を目指した流れになります。

最低限の資金繰りを確保するというのは、既に経営の厳しい状況での取組ですから簡単ではありません。

リスケジュールをはじめ、支払条件の変更などにより、支出の抑制をしなければなりません。

入金の迅速化や不要資産の処分,不動産の活用などによっての資金確保をして、入出金の流れの整理が不可欠となります。

そして、資金繰りが確保できて、経営改善に取組む時間ができれば、そこからが本番です。

売上を増加させ、粗利益も拡大させながら、経費を抑制するというのが経営改善の基本ですから、あらゆる手段を講じて達成させなければなりません。

その結果が、『事業再生』であり、事業を健全化させて維持するという前提で、会社を守り、経営を維持することができるということなのです。



ところが、その事業再生の意味が、コロナウイルス禍により、大きく変化しようとしています。

その原因はコロナウイルス禍におけるゼロゼロ融資であり、そのゼロゼロ融資など返済できないという現実が変化の根本原因になるでしょう。

そして、この事実について、政府などの関係機関や債権者金融機関なども認めざるを得なくなっているのが現実なのです。

では、返済できないゼロゼロ融資という債務をどうすればいいのでしょうか・・・。

この様な状況で返済を強要すれば、高い確率で資金繰りは破綻し、膨大な中小事業者は倒産するしかなくなるでしょう。

その結果、事業は消失し、経済は収拾がつかない大混乱に陥ることになってしまいます。

そんな悲惨な結果にならないための取組みについて、最近の施策は明確な方向性を伝えてくれています。

まず、ゼロゼロ融資における過剰な債務については、債権放棄などにより、返済を緩和しようとしてくれています。

しかし、安易に債権放棄を容認すれば、金融面のコンプライアンスが崩壊してしまいますので、経営責任や株主責任の追及が不可欠だとしています。

ここで、経営責任を追及するということは、現在の経営形態での事業継続は難しくなるため、事業譲渡などによる変更が前提となり、それにより債権放棄も可能になるということになるのでしょう。

したがって、『事業再生』は現在の経営形態にこだわったものではなくなります。

というよりも、現経営形態にこだわっていては、事業の維持などできないということになり、事業を守るためには、現経営形態での継続を諦めて、別形態で事業の維持を図るべきだということなのです。


コロナ後の『事業再生』への取組みは、この様な流れになろうとしています。

そして、事業再生の定義は大きく変化し、この流れが、これからの事業再生ということになるのです。

もはや、現経営形態に拘って事業再生に取組むべきではなく、事業譲渡による債権放棄も視野入れるべきでしょう。

今、事業再生は、劇的に変化しているのです。

この事実を、ゼロゼロ融資の返済に悩む事業者は、しっかりと視野に入れて事業再生に取組んでいただきたいと思います。



 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ



ファクタリングの勘違い・・・


高金利の借入は駄目だと判っていても、今、この場を凌ぐことだけを優先して、経営者は借りてしまうのでしょう。

何とかなる筈もないのに、『何とかなるだろう・・・』と都合よく考えて、高利に手を出してしまうのです。

その結果、一時的に資金繰りは楽になるでしょうが、その後はさらに厳しくなってしまい、高利の支払いに追い回される日常になってしまいます。

一度、高利に手を出してしまうと、何とかなるものではなく、正常化は極めて難しくなるしかありません。



新規のご相談者は、恥ずかしそうに『ファクタリングを活用して、資金繰りをしています・・・』と、説明をしてくださいます。

しかし、本来なら、ファクタリングは先進的で有効な手続きであるはずですから、恥じることなどありません。

そんなファクタリングのことなど、既に中小事業者はご存じでしょうし、活用されておられる方も少なくないと思います。

今さらになりますが、ファクタリングとは、事業者が保有する売掛債権をファクタリング会社に譲渡して、その対価を受けるというサービスのことです。

ファクタリングを活用することで、売掛債権の回収を確実にし、早めることができますので、資金繰りの確保を図ることができることになります。

中小事業者にとっては、非常に有難い制度になりますが、日本でのファクタリングの歴史は古くありません。

ファクタリングは、『支払い保証』という意味を持って、中世イギリスで誕生したシステムになります。

その後、アメリカなどでも活用されるようになり、1900年頃から、請求書の支払期日よりも早くに資金化できる手段となったそうです。

商取引間だけではなく、銀行などの金融機関においてもファクタリングの活用が始まり、現在の形態が出来上がったといいます。


日本でのファクタリングの歴史は、随分と最近になります。

なぜなら、日本には、請求書支払期日よりも早くに資金化できる手段として『手形』が存在をしていたからです。

手形が、主要な商取引の決済手段であったことはご存じの通りで、商売人は当たり前の様に活用していました。

『支払保証』と『請求書支払期日よりも早くに資金化』のための手段として、手形の活用が効果的であったからであり、ファクタリングと同じ効果を有していたといえます。

したがって、同じ意味や効果を持つファクタリングが、容易に普及をしなかったといえるのでしょう。

ところが、バブル経済崩壊を経て以降、中小事業者の金融環境は一変し、リーマンショック不況が中小事業者の金融システムの見直しを不可欠とした頃から、ファクタリングが日本でも台頭を始めました。

大不況期において、手形の不渡りが容易に中小事業者を倒産に至らせた現実が、手形の発行を自然と減少させ、ファクタリングの土壌を生成したといえるのかもしれません。

さらにファクタリングを拡大させたのが、高利金融業者の問題とインターネットの普及になるのだと思います。

利息制限法と出資法という重複する法律のもとで発生した、グレーゾーン金利問題が消費者の不安に火をつけました。

さらに、高金利のノンバンクや消費者金融,商工ローンなどが、社会問題となって貸金業法などが見直しをされ、高金利の借入は回避するという流れに変わりました。

それまで、中小事業者を食い物にしてきた高利金融業者は、何か他の金融関係の商品を探すしか生き残る方法はなくなったといえるでしょう。

この様なタイミングと同じくして、爆発的に普及拡大したのがインターネットということになります。

インターネットの普及で、様々な商取引や契約ができる様になり、ファクタリングもインターネット上で契約までが可能となったのです。

ここから、中小事業者のファクタリングが爆発的に増加したといえるのですが、新たな商品を模索していた高利金融業者も、当たり前の様にファクタリングに注目し参入をしました。

そして、問題になるのが、手数料になります。

この手数料は、売掛債権を売買するための手続き費用であり、金銭消費貸借の金利ではありません。

したがって、利息制限法の制約を受けないということになってしまうのです。

さらに、ファクタリング業者は貸金業者でもありませんから、貸金業登録は不要で、貸金業法の適用も受けないということになります。

その結果、金融面においては、適用すべき法律がないというのがファクタリングであり、手数料についても野放しということになってしまっているのです。

手数料が制限なく野放しだといっても、健全な金融関係業者だけであれば問題もないのかもしれません。

しかし、消費者金融業者などが形を変えただけでファクタリング業者となっており、驚くほど高額の手数料を手にしているのが現実なのです。

一般的に
 3者間ファクタリングの場合、手数料は1%〜10%
   (利用者,取引先,ファクタリング業者)
 2者間ファクタリングの場合、手数料は10%〜20%が標準だといわれています。
   (利用者,ファクタリング業者)

この数字が、適正な手数料だとは思いませんが、利息制限法の上限である20%を超える手数料なども珍しくはなく、出資法上限の29.2%を超える手数料も存在しています。

こんな高額(高金利)な手数料、資金繰りを考えれば、簡単な理屈として支払えるはずなどありません。

しかし、手数料として手元資金から支払うのではなく、売掛債権の譲渡代金から手数料として引かれるために、利用者は目をつぶってしまうのでしょう。


この問題は、20%を超える様な高金利(手数料)が問題なのではありません。

手数料が、法的規制のない環境で、何の制約も受けずに、高すぎるのが問題なのです。

正直言って、資金繰りの厳しい事業者が、恒常的に10%の高利を支払って、資金繰りが確保できるはずありません。

たしかに、ファクタリング業者には、債権回収の面において、貸金業者にはないリスクはありますが、それでも10%を越えれば高すぎます。

政府は、ファクタリングの活用を推奨していますが、高利金融業者の参入が続く環境において、法的制約を設けずに放置しているのはあまりにも無責任ではないでしょうか。

利用者となる中小事業者も、ファクタリングの現実をしっかりと認識する必要があります。

資金繰りの確保は大事ですが、高金利の借入は、事業だけではなく経営者の身を亡ぼすことになりかねないのです。



 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ



任意整理から20年・・・


もう、20年が経過したのです・・・。

不安で、眠れないまま迎えた債権者集会は、責任と恐怖で逃げ出したいほどでした。

100人弱の債権者の前で、説明と謝罪を繰り返した1時間ほどは、今でも鮮明に脳裏に残っています。

罵倒を浴びて当然の環境で、『長い間、お疲れやったね・・・。』と、声をかけてくれた取引先の社長をはじめ、多くの債権者は労わりの眼差しは、私を救ってくれました。



Xデーから20年を経過しました。

ちょうど20年前に、Xデーとなる債権者集会を開催して任意整理を始めたのですが、今日までアッという間でした。

  平穏な人生をおくることが出来ています。

  安穏とした生活を過ごすこともできています。

今、この様な日々を迎えられると、当時は想像もできなかった様にも思います。

20年前まで、経営者としては、地獄のような日々だったのです。

先代が三和銀行(今の三菱UFJ銀行)に騙され、9億円弱の負債を背負わされたのが平成2年、バブル経済も終焉を迎える直前でした。

それ以降、三和銀行は約束を何ら守ることもなく、意味不明の返済を続けることとなりました。

先代の本業は税理士であり、約束通りに返済を続けることに疑念の余地はなく、毎月膨大な弁済が続きます。

当然、返済のための借入が発生し、金融債務は雪だるま式に増加します。

グループとして、15億円ほどの売上しかないのに、1000万円を超える様な弁済が続くのですから、近々、返済できなくなるのは判っていました。

資金繰りの苦労と、将来に向けての不安は語れるものではなく、その苦痛から解放されようと勉強をしました。

この膨大な金融債務について、どの様に処理する方法があり、最終的にどうなるのかといった勉強になります。

当時は、我々の様な専門家はおらず、債務処理に関する書籍などもなく、貸付した銀行などの債権回収に関することを勉強するしかありませんでした。

本当に、寸暇を惜しんで勉強しました。

勉強の大嫌いな私が、人生で最も勉強した時期だといえます。

その結果、債権回収については、絶対的に自信を持つことかできるほどになりました。

しかし、だから債務者として、どうすればいいのかが判らなかったのです。

そんなときに、小口正夫先生と出会うことが出来て、債務者としては『無い袖は振れない』を基本に対応することを教えられたのです。



私の中では、これで経営する会社を任意整理する下準備を完了したといえます。

従業員などの社会的弱者のことを考えれば、決断をするタイミングに差し掛かっています。

これしかないベストと思われる選択があり、継続は最悪に至るという状況ですから、決断をするしかありません。

しかし、代表取締役である父が『未だ続けられる・・・』と、任意整理には断固反対の姿勢を崩そうとしません。

悲しいかな、私はしがない2代目であり、わが父は元陸軍中尉の絶対君主なのです。

信じられないかもしれませんが、父親と向かい合う時は、代表取締役専務の私は直立不動で敬語を使うのが当然という関係で、父親が首を縦に振らない限り重要な決済は何も動かないのが現実だといえます。

そんな時、父が、突然の病気で入院をしました。

このタイミングしかありません。

これしかないベストと思われる状況ですから、臨時株主総会を開催し、父親の代表取締役を解任し、私1人が代表取締役として、任意整理を一気に進めることになりました。

増改築などを扱うリフォーム部門を、別法人として設立し、一部事業の保全を実施します。

これ以外については、全て任意整理対象として取り掛かります。

従業員と取引先の債務は、優先して処理することが目的であり、金融関係機関の債務は全て棚上げをした債務整理を開始したのです。

債務総額は18億円を超えており、万全を尽くした準備で、任意整理の着手となる債権者集会をXデーとして開催したのが、ちょうど20年前になります。



任意整理後、直ぐに、この事業再生・経営危機打開コンサルタントの事業を開始しました。

自分としては、2年程を継続できればという気持ちもあったのですが、20年間、よく続いたと思います。

当時としては、最高の勉強をして、最強の知識を身に付け、最善の選択の手法で、自らの会社を整理したつもりでした。

これしかないと、渾身の力を出し切り、自ら経営する会社を任意整理しました。

しかし、今、振り返ってみると、まだまだ方法はあった様にも思います。

会社を、そのまま残せる可能性も十分にあったかもしれません。

当時は、まだまだ未熟だったということなのでしょうか。

それとも、債務処理の環境が、大きく変化してきたといえるのかもしれません。



20年、本当にアッという間でした。

今、こうして、日常に逆らわずに流される人生に感謝しなければなりません。

あの時、諦めずに頑張り尽くしたご褒美なのでしょうか。

後ろを振り返らず、ひたすら前向きに歩み続け、ようやく辿り着いたあるべき生活なのかもしれません。

何気なく生きられることが、本当の幸せだと気付かされる20年だったといえるのでしょう。



 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ



事業譲渡後に破産・・・


我々は、先入観を持ち過ぎなのかもしれません。

少し考え方を変えれば、小さな飲食業や、衣料などの小売業も、このコロナウイルス禍において生き残る道は存在します。

貴重な将来性のある事業は譲渡により守って、疲弊した会社は破産をして整理をするのです。

これで、収益性は健全化し、過剰な有利子負債の負担からも解放されることになります。



経営者は、随分と悩まれました。

何とかしようと頑張り続けていますが、このコロナウイルスの環境は、積み上げた努力を一瞬で崩壊させてしまいます。

何とかなると信じ、諦めずに最初から頑張り直しますが、外因の影響が大き過ぎて、改善には手が届きません。

頑張ればなんとかなる・・・というのは、中小事業者に共通する願望なのかもしれません。

そして、努力を積み上げて頑張っても、なかなか改善できないというのも、中小事業者に共通する現実だといえるでしょう。


今までは、ただ闇雲に、何とかしようと頑張ってきました。

何とかなると信じて頑張ってきたのですが、資金繰りが悪化してきています。

あれほど前向きに実施してくれたコロナ融資も、突然に厳しくなり、今は『返済できないでしょう・・・?』という担当者の一言で断られてしまいます。

日々、手元資金は減少しており、このままでは大変なことになると判っていますが、対応方法が判らないのです。

外因による経営悪化なのに、経営環境が改善しませんから、もはや、中小事業者だけの力ではどうにもならないのかもしれません。

こままでは、もう数か月で資金が尽きる状況であり、仕入業者などの取引先に迷惑をかけないためには、そろそろタイムリミットだといえます。


経営者は、大きな決断をして、勇気を出して専門家に相談に行きました。

当然、『破産しか方法はありません・・・』そう言われると覚悟して行ったのです。

ところが、専門家は意外なことを口にします。

『いくつか事業をされていますが、この事業は収益性も悪くなく将来性もあり、もったいないですね・・・。』

『有利子負債が多すぎますから、破産という最終的な選択は仕方がないのかもしれませんが、その前に、この事業は譲渡して継続できるようにしましょうか・・・。』

えっ・・・、破産をするのに、事業を守るというのは・・・意味が判りません。

専門家は、まず有望な事業を譲渡してから、最終的に破産をするという流れを説明してくれます。

そんなことが本当にできるのかと確認すると、当然に色々な条件はあり、特に留意しなければならないのが以下の点になります。

  事業の譲渡に関しては、債権者などの金融機関を最初から巻き込み、流れをオープンにする。

  事業譲渡に係る資金については、会社の預金口座を活用し、常にクリアーにする。

  破産による配当率よりも、事業譲渡の費用などで高い配当を実現する。
    《清算価値保障の原則》
 
これらを実行することが出来れば、

 ・手続きを事前にオープンにすることで、債権者も前向きに取り組めるようになる。

 ・お金の流れを具体化して明確にすることで、債権者は安心する。

 ・金融機関等の債権者も、破産より多くの債権回収が可能となる。

ということになり、この手続きがスムーズに進むことになるのです。

更に、経営者保証に関するガイドラインの活用などにより、保証債務の免除が受けられれば、理想の手続きといえるのではないでしょうか。



コロナウイルスの終息は、まだまだ見えてきません。

コロナウイルスが終息したとしても、経営環境が改善するとも限りません。

一昨年10月の消費税10%アップからの流れを考えれば、景気はまだまだ不明朗というのが実態だろうと思います。

こんな、先の見えない環境下において、経営自体が外因に翻弄され続けることに、そろそろ明確に答えを求める必要もあるのかもしれません。

今回、ご紹介した、事業譲渡後の破産は、コロナウイルス環境下において改善の目途のたたない事業に、適合した選択肢の一つだといえるのではないでしょうか。



 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ



債権放棄の事例・・・

債権放棄という言葉を、耳にされたことがあるでしょうか・・・。

債権放棄とは、金融機関が貸付している資金の返済を減免することであり、債権者である金融機関にすれば大きな損失を発生させることになり、絶対に避けたいところです。

しかし、我々債務者からすれば、借りているお金を免除してもらう(債務免除)、夢のような話になります。

この債権放棄・債務免除という、立場により相反する手続きも、現実の世界では、それほど珍しいことではなくなってきています。




最近、債権放棄(債務免除)といった手法は、様々な場面で活用できるようになってきたといえます。

事業再生や経営危機の打開といった、債権債務処理の現場では、債権放棄を活用した事例が随分と多くなってきました。

代表的な活用方法としては、平成11年2月に施行されたサービサー法により、金融機関が持つ不良債権を債権回収会社(サービサー)に譲渡することで、当たり前の様にサービサーと債務者の間で、多額の債権放棄・債務免除が実施されています。

ただ、サービサーが絡んでくる事例というのは、期限の利益の喪失をして金融事故となった債権が対象となりますので、債権放棄がし易いという事実があります。

したがって、金融事故債権は債権放棄が容易で、金融事故になっていない正常債権においては、債権放棄・債務免除などほぼ不可能だというのが定説でした。

ところが、平成26年に『経営者保証に関するガイドライン』が活用されるようになった頃から、未だ正常な扱いをされている債権においても、債権放棄を受けられる事例が見受けられるようになってきたのです。

当然、事業再生や清算価値保証などといった様々な根拠が求められますが、理屈を理解したうえで取組めば、決して不可能なものではありません。

弊社においても、弁護士などとチームを組んで、株式譲渡などといったM&Aの手法を活用して債権放棄に成功した事例が複数存在しますので、代表的な事例をご紹介したいと思います。





地方の中核都市で、食品小売業を展開されているAさんは、複数の店舗で、地元の老舗として経営をされ、消費者から信頼を得られ喜ばれてきました。

しかし、長年に亘る経済構造の変化により業績が悪化傾向にあるのと、Aさんご本人の体調が思わしくなく、後継者が不在のために事業を整理したいというのがご希望です。

財務内容をチェックすると、それなりの大きな金融負債が存在し、その返済負担が大きく圧し掛かり、ここ数年は税引き後の赤字が続いています。

このまま継続しても良い結果につながらず、場合によれば経営破綻の可能性さえ否定できない状況だといえます。

典型的な、金融債務超過によって事業承継が進まないパターンですが、Aさんのご要望は、負債を全て処理したうえで、綺麗に事業を整理できないかというものです。

簡単なことではありませんが、Aさんには、老舗としての信頼と多くのお得意様という、無形の武器あります。

これは、同業者にとっては、お金を出しても手に入れたい魅力だといえますので、事業を譲渡するスキームを選択することになり、譲渡先を探すことになりました。

ただ、過剰といえる、金融機関からの借入金を何とかしなければ、譲渡など成立するはずがありません。

そこで選択したのが、債権放棄を前提とした、事業の譲渡ということになります。

考え方としては、このままでは事業は維持できず、破産をするしかなくなる。

その場合の配当は、債権額の僅か5%ほどにしかならない。

しかし、事業の譲渡をすることが出来れば、5%を大きく超える配当ができる可能性は高く、債権者に少しでも多く還元することが可能であるというものです。

債権者である金融機関にとっては、損失を減少させることのできる内容ですから、交渉の余地は十分にあります。

この段階で大事なのは、金融機関との交渉において、コンプライアンスの確保と信用ということになりますので、債権放棄の交渉に長けた弁護士さんと組んで、誠意をもって進めなければなりません。

この方向で手続きを進めることになり、まず債権放棄を前提とした購入希望者が見つかりました。

この購入希望者さんとの交渉により、事業の譲渡価格を設定し、弁護士さんが債権者金融機関3行と交渉に入られました。

交渉の中で、バンクミーティングの開催や中小企業支援協議会の関与,債務者企業の処理,保証債務者への対応など様々な要望が出され、それぞれを誠実にクリアーすることで、事業を譲渡するということで合意が得られました。

続いて、購入希望者の具体的なデューデリジェンスの実施により、譲渡額の精査が行われ、ほぼ当初想定の価格で同意が得られました。

その後、事業譲渡を実行することで、Aさんの事業は正式に購入者に譲渡されたのです。

この事業譲渡により、債権者金融機関は、破産であれば5%も配当を受けられないところを、18%もの配当を受けられることになりました。

購入者も、これだけの老舗企業の事業と看板を、安く手に入れ事ができました。

さらに、Aさんは、長年の懸案であった事業を上手く整理することかできて、借入金などの債務も残らないことになりました。





Bさんは、中核都市で、食品の製造販売を、多店舗で展開をされており、色々なボランティア活動により地元の名士でもあります。

堅実な経営を続けてこられましたが、リーマンショックにより大きなダメージを負い、最近の少子化により財務内容は悪化を続けています。

何とか打開しようと、事業展開を広げたり改善にも取り組みましたが、経営を立て直すことは出来ず、資金繰りは徐々に悪化を続け、Bさんも腹をくくるしかなくなりました。

専門のコンサルタントに相談をすると、破産を想定していたのにM&Aを勧められたのです。

以前から、BさんもM&Aに興味を持っていましたが、金融機関からの借入金が多く、債務超過に陥っている状況では不可能だと思い込んでいました。

ところが、そのコンサルタントは、債権放棄を組み入れて金融債務を圧縮し、M&Aの商品として魅力あるものにすれば、譲渡先は見つかるといいます。

現実的に、M&A仲介会社に依頼すると譲渡先は直ぐに見つかり、簡易デューデリで譲渡額まで提示されることになりました。

そして、コンサルタントのアドバイスで、M&Aと債権放棄の経験豊富な弁護士に依頼し、具体的にM&Aに取り組むことにしました。

弁護士が、メインバンクに打診をすると、専門公的機関の関与を条件にされたので、中小企業支援協議会を舞台にM&Aの交渉が始まります。

全ての債権者金融機関が揃ったバンクミーティングで、M&Aの概要が説明され、譲渡価格の提示や、債権放棄の可否について打ち合わせされます。

当初、債権者である金融機関は、債権放棄には否定的でしたが、何度かのバンクミーティングによる誠意ある説明により、既に実質破綻状況に陥っており、このままでは配当はほとんどないことが判りました。

さらに、M&Aが実施されれば、譲渡価格から20%程度の配当も可能であるということが判り、金融機関の対応は前向きに変化します。

その後、数回のバンクミーティングを経て、譲渡先候補が見つかってから約7ヶ月で、M&A(株式譲渡)の合意が得られることになりました。

20%の配当を前提とした譲渡価格で、残債務は全て免除という好条件です。

しかも、Bさん自身の保証債務が、『経営者保証に関するガイドライン』により、全額免除になったことは何よりも大きいのではないでしょうか。




 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ



コロナが邪魔して、キリキリセーフ・・・



今年は、事業再生や経営危機打開への取組みが、随分と難しくなっていました。

資金繰りついては、逆に楽になった顧問先が多かったのですが、不動産処分やM&Aが難航をするようになっていました。

しかし、今年も残りわずかとなったタイミングで、難航していたM&A案件が成立しホッとしています。

途中、ハードルが厳しすぎて、諦めようかと思ったこともありましたが、最後まで頑張って取り組んだことで、お客様に素敵な年末年始をプレゼントすることが出来ました。

今後、事業再生や経営危機の打開において、M&Aは、債権放棄と共に欠くことのできない取り組み手法となってくるでしょうから、今回の経験は本当に良い勉強になりました。



コロナウイルスは、経済に大変な影響を与えています。

しかし、実体は、とてもそんな生易しい表現で済むものではありません。

中小零細事業者にとっては、継続的に壊滅的な攻撃を与えられている状況だといった方が適切ではないでしょうか。

しかも、資金繰りが厳しいだけでなく、将来の展開が全く見通せず、経営者は不安を蓄積させていくしかありません。

大変な影響程度であれば、経営努力により凌げるかもしれませんが、このコロナウイルス環境では、個々の経営努力など意味を成さない程でしかありません。

それは、状況を悪化させているのは、全てが外因だからです。



消費意欲は個人も法人も減退を続け、全てがデフレに触れ続けています・・・これだけお札を刷っているというのに・・・。

実体の貨幣価値も、想像以上に下落していることは間違いありません。

えっ、株式市場は活況を呈しており、住宅地や東京などの不動産市況も元気だと、メディアなどでは伝えているのに・・・と思われる方もおられるでしょう。

これらは、大きな勘違いなのです。

株式市場は、日本やアメリカといった政府が作り出した、官製市場であり、株式市場が良くないと、国の財政がひっ迫してしまうからなのです。

不動産市場も、世界の大手ファンドなどが、安値感のある日本に注目しているのは間違いありませんが、タイミングを見計らっているという状況だと思います。

まだまだ、これから不動産市場は下落をしていくので、底打ちの直前のタイミングで購入しようと準備をして待っている状況なのです。

M&A市場においても、同じ様なことがいえます。

M&Aが好調だというニュースが流れていましたが、これは大手企業に限定したことです。

具体的には、この厳しい環境で、無駄をなくすために関連会社を整理すべく、大手企業が子会社などを譲渡しているということで、実体は 大手企業のリストラということになります。

中小企業のM&Aなどは、コロナウイルス禍により大きな被害を受けているジャンルだといえます。

本来の買い手側企業が、業績を悪化させて余力を喪失してしまっておりますし、余力のある企業はまだまだ先のタイミング待っている状況であり、簡単にM&Aが成立することなどありません。



こんな厳しい環境下で、M&A案件が成功しました。

地方の中核都市で、食品小売業を展開されているAさんから、今年の2月頭に、初めてご相談をいただきました。

複数の店舗で、地元の老舗として小売業を経営をされていますが、業績が悪化傾向にあるのと、Aさんご本人の体調が思わしくなく、後継者が不在のために事業を整理したいというのがご希望でした。

財務内容をチェックしましたが、金融負債も大きく、それなりに経営改善も実施されていたために、このまま継続しても良い結果につながらないと判断できるような状況だといえます。

当然に、負債を全て処理したうえで、綺麗に事業を整理できないかというのがご要望でした。

できれば、今後の生活も考えて、手元資金も少し残せれば嬉しいと言われましたが、過去にも複数の専門家にご相談をされておられる様で、綺麗な整理だけでも簡単ではないと理解されています。

しかし、内容を精査すると、不動産処分と株式譲渡を組み合わせると、事業を整理したうえで手元に資金が残せる可能性が十分にありますので、その方向で取組むことになりました。

これが2月末頃のことで、まだコロナウイルスは騒動に発展しておらず、私は必ず成功すると楽観視していたのです。

ところが、3月も中旬を過ぎると、コロナウイルスが蔓延し状況が変わってきます。

経済の停滞が始まり、不動産市場も低迷をしだして、経営環境の悪化が著しくなってきました。

それまで、不動産売買やM&Aについての問い合わせが頻繁にありましたが、4月も中旬を過ぎると減少をしだします。

それだけではなく、価格などの条件が目に見えて低下していくのです。

5月下旬、緊急事態宣言の最中、どうにも不安を覚えて精査し直すと、経済的合理性の確保が難しい状況にまで陥っておりました。

環境は、ますます悪化していきますから、不動産売買やM&Aを棚上げすべきだったのかもしれませんが、方向は変えずに条件を全面的に見直すことにします。

株式譲渡の取組み方を大きく変更させ、不動産を株式譲渡に組み込ませたり、増資の実施や求償権の免除なども取り入れることで、購入者の条件を良くしました。

その結果、7月に、今回の購入希望者との話し合いが始まり、11月頭にデューデリが実施され、契約から決済に至ることが出来たのです。

譲渡は、金融負債を全て処理し、当然に保証債務も消滅し、僅かですが手元資金も残せるという内容になります。

この様にまとめると、7月以降は、随分と順調に進んだように思われますが、そんな単純なものではありません。

紆余曲折しながら、様々なハードルを乗り越え、決済に至ったのです。

私も、今まで、様々なM&A関連に携わってまいりましたが、今回ほどコロナウイルスに翻弄されて、危機感を覚えた譲渡案件はことはありませんでした。

しかし、これほど達成感を味わったこともありません。

ご購入希望者様にも恵まれ、そして関係者様のご理解とご協力をいただき、なんとか所期の目標を大きく逸脱しない結果を得ることが出来ました。



経営危機の打開は、一人で出来るものではありません。

当然、経営者が主人公となって取り組むべきものですが、共演者や裏方さんの協力を得て、総力で取組まなければ、望むべき方向に進むことなどできません。

今回のM&Aにおいて、そのことを改めて思い知らされました。

コロナウイルスに翻弄された1年の、最後のディールで得た貴重な収穫だといえます。



 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ



第二会社への追及・・・



どうもおかしい・・・

債権者の対応が、普通ではないのです。

銀行からの借入れが返済できずに、金融事故になってから12年も経つのに、未だに諦めずにダラダラと追及してくるというのは、何か理由があるからだと思います。

ひょっとすると、第二会社に事業を譲渡して、今も頑張っていることが、債権者金融機関に知られてしまったのかもしれません・・・。



期限の利益の喪失をして金融事故になると、その後の債権回収の動きは、ほぼ予想できます。

他の事例から、この頃には、こういう対応をしてくるだろうと、時期も含めて予想が可能であり、事前の準備をすることもできます。

第2会社に事業を譲渡して逃がした場合も、債権者の対応において同じことがいえます。

第2会社とは、現在の会社とは完全に別の人格で、現在の会社の事業を譲渡することにより、継続して事業を展開する会社のことになります。

バブル崩壊以降の大量の不良債権処理とともに急に使われだした方法であり、債務者が債務を支払いきれない状況において、別に新会社を作り旧会社から事業を継承し、その後に旧会社を整理するというのが、一般的になります。

第2会社を活用する場合、旧会社の債務を第2会社が引き受けないということが重要であり、債権者から異議がでないように十分な対応を採らなければなりません。

したがって、第二会社の設立から活用に至るまで、繊細な注意と最善の配慮が必要となります。

しかし、一定のルールさえ守れば、債権者などから詐害行為で追及されないのが、第2会社だともいえます。

旧会社の債権者が、第2会社の存在を知らなければ、追及など出来るはずもありません。

その存在を知ったとしても、人格が全く別で、因果関係も窺えなければ、詐害行為として追及したくても追及できないといえます。

ところが、第二会社の存在を債権者が知ると、第2会社に対して詐害行為として追及できなくても、債務者である旧会社への追及が長引く可能性があるのです。



いつまでも、債権者が回収を諦めてくれないので、不思議に思ってよくよく考えてみると、第二会社がバレていたように思われます。

旧会社と、人格が完全に違うように、名称,所在地,役員,株主が重複しないように第二会社を設立しようとしました。

しかし、所在地を変えるのが難しいのです。

商業登記簿謄本の本店所在地は変えましたが、実際に業務をする場所が、工場や店舗の場合に、設備や備品の関係で旧会社と同じ場所で継続するしかありませんでした。

事業を承継するうえで、看板だけ変えて、そのまま同じ場所で事業を継続したことが、債権者に知られてしまったようなのです。



Kさんは、関東の地方都市で、車の修理工場を経営されていました。

経営環境が悪化する中で、経営は厳しくなり、借り入れの返済も厳しくなるころ、事業を守るために第2会社を設立されたのです。

完全に人格の違う会社にしたかったのですが、修理のための機械などを移すことができなかったので、旧会社の工場をそのまま引き継いで使用するしかありませんでした。

第2会社で事業を展開して暫く経ったころ、突然に旧会社の債権者が第二会社を訪れてきて、Kさんが応対をしてしまいました。

債権者は、旧会社の名前を出して、色々と尋ねてきましたが、関係のない会社だと主張するしかありません。

債権者は、Kさんの作業着の胸に刺しゅうされた名前に目をやりながら、口元に冷笑を浮かべて帰っていきました。

それから10年以上経ち、その債権者からサービサーに債権譲渡をされましたが、この間、債権回収が止まることはありません。

元の債権者には、支払の督促についての訴訟をおこされましたし、その流れから差押は定期的に続いています。

サービサーに債権譲渡されてからも、預金口座や生命保険などへの差押えが、当然のごとく継続をされているのです。

あの債権者の冷笑は、第二会社のことは全てお見通しだということだったのでしょう。



Bさんは、大阪の船場で、繊維問屋を経営されていました。

順調だった事業は、バブルの崩壊とともに狂いだし、バブル期の不動産投資の弁済が重く圧し掛かってきます。

資金繰りが厳しくなったころ、事業を維持するには、第二会社を設立して番頭に事業を譲るしかないと考え、第二会社に事業譲渡をしました。

番頭さんにのれん分けという形態をとったのですが、Bさんに第二会社の知識は乏しく、同じ場所の同じ店舗で、第二会社の事業を始めてしまいました。

旧会社は、借入の返済などもできずに、実態は廃業という形態になったのですが、Bさんは以前と変わらず、同じ場所にある第二会社の真ん中で采配を振るっています。

そんな姿を、債権者の金融機関の担当者に見られましたし、訪ねてきた信用保証協会にも知られてしまいました。

第二会社に対して、詐害行為の取消請求などはされませんでしたが、債権者は普通とは違う対応をとり、特に信用保証協会は時効の中断に関しては厳しい姿勢を見せます。

最初の5年目の時効は債務承認をさせられましたが、次の5年目の時効は訴訟にて時効を中断されました。

これで時効期間は10年になり、次の時効期間の完成は、代位弁済されてからでは20年目となります。

この間、Bさんは一度も弁済をされていないので、次の時効の中断において、信用保証協会が高い費用を掛けてまで、裁判手続きの訴訟をしてくるとは考えにくいといえます。

ところが、信用保証協会は、20年目の時効期間の前にBさんを呼びつけて、債務承認をしないことを確認すると、当たり前の様に訴訟をしてきたのです。

1円も回収できていない債務者に対して、費用を掛けて2度目の訴訟ですから驚きます。

何とか債権回収をしようという姿勢は評価できるのかもしれませんが、結果として税金の無駄遣いにしかなりません。

それでも、2度目の訴訟までして時効を中断しようとするのは、第二会社の存在に対する債権者の意地なのでしょう。



第二会社は、詐害行為を追及され易いといいますが、現実はそうでもないようです。

名称,所在地,資本,役員の4点について、旧会社と重複しないなど、最低限の配慮さえしておけば、なかなか追及できるものではないと思います。

しかし、債権者が、第二会社の存在を知り、その意味も理解すれば、上記事例の様にややこしい話になってしまうかもしれません。

人間の感情として、気持ちの部分で債権回収を諦めなくなるのは、ある意味において当然なのでしょう。

人格を完全に違うようにすることも大事ですが、まずは存在を債権者に知られないようにすることを優先すべきなのかもしれません。


 ◆ 会社再生・経営危機打開・事業承継のためのオンラインセミナー
          ↓
   YouTubeチャンネル


 ◆ 詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ


債権放棄のチャンス・・・



何故、債権者である金融機関は、債権放棄をしてくれないのでしょうか。

このままでは、倒産してしまって、債権者への配当は限りなくゼロに近い数字になるかもしれません。

一部でも債権放棄をしてくれれば、再生が可能になり、残っている債権は満額回収できる可能性が高いのに、金融機関は債権放棄の依頼には耳を貸してくれません。

金融機関は、こんなチャンスを逃すのか・・・とも思いたくなりますが、最近は債権放棄の機会が、随分と増えてきているのです。



建前と本音の使い分けは、悲しいかな、大人の社会には付きものなのでしょう。

銀行などの金融機関は、建前と本音の使い分けを、都合よく自在に扱うプロのようなもので、様々な場面で上手に活用をされています。

それは、債務者に融資をしたのに、弁済をされない債権の回収の場面では、頻繁に見受けられます。

返済のできない債務者に対して、『このままでは、大変なことになりますよ・・・』などといった脅し文句を使い、何が大変なのか判りませんが債務者にプレッシャーをかけようとします。

この言葉に不安を感じた債務者に、『法的手続き』や『強制執行』などといった、さらに恐怖心を煽るような言葉を浴びせかけ、強引に債権回収をしようとしてきます。

つい先日まで、いつも笑顔で対応していた紳士のはずの担当者が、債権回収のできない債務者に対して、今までの『建前』の姿を脱ぎ捨て、債権回収を生業とする本音の姿を晒してきたということになるのです。

貸し剥がしの場面でも、巧妙に建前と本音の使い分けをしてきます。

未だ、貸付金の残っている債務者が追加融資をお願いしてくると、金融機関の担当者は『お貸ししている残金を、一時的に全額弁済してくだされば、すぐに新規融資分を上乗せしてお貸しします・・・。』と提案してくるでしょう。

担当者の言葉を信じた債務者は、全てのお金をかき集め無理して弁済し、これで資金繰りが確保できたと安堵されるのだと思います。

ところが、いつまでたっても融資が実行されないので確認すると、担当者は『本部の決済がおりませんでした・・・。』と、これで終わりであり、これが、今でも見られる貸し剥がしなのです。

これなどは、巧妙に建前と本音の使い分けをしており、本音として新規融資などするはずもないのに、融資残金を回収するために、建前として弁済があれば貸付すると説明をしています。

まさに、知的な詐欺師の面目躍如のようなパターンではないでしょうか。



表題の、債権放棄についても、建前と本音の使い分けが見られます。

実は、債権放棄の場面は、金融機関や関係諸機関・専門家の、建前と本音が交錯する世界だともいえるのかもしれません。

民間の金融機関などは、信用の問題で、債権放棄はしないと強調します。

日本公庫や信用保証協会などの公的機関は、ルールで債権放棄は出来ないと断言をします。

しかし、こんなものは大ウソなのです。

金融機関や信用保証協内などの債権者が、建前として、債権放棄を完全否定しているだけになります。

本音としては、ここで債権放棄をした方が得だというのが判っています。

しかし、金融機関の立場として、損得で選択する訳にいかず、コンプライアンスの問題もあり、建前を主張するしかないということになるのです。

ところが、最近は、本音が表面に出てくることが珍しくはなくなりました。

債権放棄をした方が多く債権回収できて、得だという判り易い根拠で、本音を選択する債権者が増えてきたのです。

当然、金融機関ですから、建前を振りかざしますが、本音として得をする債権放棄を
する場面が珍しくはなくなりました。

そして、債権放棄を助長する、政策や制度も増えてきました。

サービサー法によるサービサーへの債権譲渡は、譲渡段階で大幅な債権放棄が実行され、債務者との和解段階においても、驚く様な債権放棄が実施されます。

日本公庫などは、債務者の状況次第で、早い段階で債権回収を諦めて、実質的な債権放棄を実施することが珍しくなくなりました。

信用保証協会も、債務者の健康や年齢に配慮して早い段階で債権回収を止めたり、代位弁済後の長い年月の経過により、具体的な和解を実行して債権放棄をする場面が増えてきました。

以上は、不良債権化した債務者の場合でしたが、事業再生を目指した場面でも債権放棄が見られるようになっています。

会社分割や事業譲渡・M&Aの場面において、債権放棄が組み込まれることが珍しくなくなってきました。

日本公庫や信用保証協会といった公的機関さえも、前向きに検討してくれるようになっているのです。

中小企業にとって、債権放棄は、もはや手の届かない手段ではなくなっているのかもしれません。



中小企業にとっての債権放棄が、環境として構築されていこうとしています。

特に、事業再生には、債権放棄が珍しくなくなりつつあります。

債権放棄は、資金繰りをはじめ様々な場面で驚く様な効果を発揮し、想定以上の結果を得ることのできる手段です。

気後れすることなく、債権者に債権放棄を依頼する、そんな時代がもうすぐ来るかもしれません。

ちょっと、債権放棄に興味を持たれては如何でしょうか。



  詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ


会社分割での事業再生・・・



十数年前、中小企業の会社分割がブームになりました。

会社分割を効果的に活用して、債務超過の中小企業を事業再生させようという手法で、驚くような結果が得られた手法だといえます。

ところが、詐害行為の取り消し請求に絡み、会社分割の活用が一気に下火になってしまいました。

今も、僅かに活用はされているようですが、あれだけ効果的な手法が、何の対策や対応もせずに活用を諦めようとするのは極めてもったいないと思います。

債権者への対応を少し変えるだけで、まだまだ有効活用の道は残されていると思いますので、少し掘り下げて会社分割を考えてみたいと思います。



平成12年に商法が改正され、中小企業の会社分割が導入をされました。

そして、平成17年の会社法改正により、一定の条件の下で債権者保護手続きを取らずに会社分割が可能になり、一気に中小企業において活用をされるようになったのです。

法律家を中心に、会社分割を専門とする事業者が増加し、強制的債務免除の意味合いを持った事業再生手続きとして、会社分割が多用されるようになりました。

しかし、債権者の保護手続きを棚上げし、事実上は債権者への弁済を放棄する濫用的な活用に、会社分割が問題なることが少なくありませんでした。

その結果、平成24年に最高裁により、『新設分割設立株式会社にその債権にかかる債務が承認されず、新設分割について異議を述べることもできない新設分割会社の債権者は、民法第242条の規定により詐害行為取消権を行使して新設分割を取り消すことができる。』との判断が示されました。

この会社分割手続きにおいて、作為的に棚上げされた債権者は、詐害行為取り消し請求の行使により、会社分割手続き自身を取り消せるという意味で、会社分割による事業再生自体を否定するような最高裁の判断になります。

この最高裁の判断により、それまで多用されていた会社分割の目的・手法は詐害行為取消請求のリスクを背負うことになり、一気に下火となってしまったのです。

現在において、中小企業の会社分割は、債権者の同意を前提とした中小企業庁推薦の第2会社方式の活用において、事業再生士などが取り組む事例が見られる程度になっており、本来の会社分割の効果は全く発揮されていない状況になっています。



平成17年の会社法改正により、積極的に活用されるようになった会社分割は、倒産も視野に入るほどの厳しい財務状況であろうとも、黒字化が確保できる分野や事業があれば、会社分割を活用することにより、財務内容の健全な事業体としての再生が容易であるという手続きでした。

この会社法の改正は、金融機関等債権者の異議手続きを経ることなく、会社分割の手続きを進めることを可能にしたのです。

それにより、新設会社に分割移動する資産や負債についても、債権者に相談することなく分割会社の経営陣で決めることができる様になったのです。

有為な資産と負債だけを新設会社に移し、不要な資産と負債は分割会社に残すことにより、財務的で健全で収益の確保できる新設会社の設立が可能になりました。

また、分割会社は、法的整理を前提とすることにより、実質的に一方的な債務免除を合法的に実施できることになり、財務の悪化した中小企業でも、会社分割を活用すれば、効果的な事業再生が可能となったのです。



実質的債務免除を得られる事業再生手法として、会社分割は一気に拡散をしました。

しかし、その多くは、倒産寸前の企業が、債権者の異議手続きを経ることなく、優良分野・事業だけを新設会社に移し、問題のある不良負債・資産は分割会社に残して支払いを逃れようという、濫用的に会社分割を活用するケースがほとんどでした

その結果、分割会社に債務を残され、実質的に弁済を受けられなくなった債権者を中心に大きな問題となり、平成24年に最高裁による詐害行為の判断が示されることになったのです。

その最高裁の判断は、それまでに会社分割の専門家が取り組んだ手法やスキームを対象とし、ほとんど全ての事例が詐害行為取消請求の追及を受ける可能性のある内容となっていました。

その結果、債務免除を視野に入れた会社分割は、一気に下火となり現在に至っています。



会社法改正によるところの会社分割は、債権者の保護手続きが不要だから、債権者の同意を得ずに実施をされたのですが、それが問題となったのです。

本来の会社分割は、債権者保護が前提であったので、ある意味、当然の結果なのかもしれません。

しかし、会社分割は、様々な効能を持ち、事業再生の大きな障害となる債務超過さえも合法的に処理し、事業再生を目指すことも不可能ではないのです。

債権者への対応を少し変化させれば、会社分割活用の可能性はまだまだ広がるのではないでしょうか。



  詳しい内容は、ホームページをご覧ください,
          ↓
   トップ経営研究所 ホームページ


↓ランキングです クリックして応援してください


ランキング人気ブログランキングへ


ランキングです クリックして応援してください
          ↓
      にほんブログ村 経営ブログへ



株式会社 トップ経営研究所
Archives
Whether

-天気予報コム-
  膺肢鐚